Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

静電型/コーン型・スピーカーの宿命

2019年12月06日 | オーディオいろいろ

前回のアップで、スピーカーには加点評価と減点評価の両立が出来ない(トレードオフの)宿命があると述べました。今日はこの話題を掘り下げたいと思います。

まずは一言で表現すると・・・

・歪みの少ないスピーカーは魅力的な音を出せない!

という事です。現代的ハイエンドを支持される向きは「そんなことあるもんか!」と思うでしょう?(笑) 反対にヴィンテージファンの方には納得の行く話かもしれません。これがスピーカー技術のジレンマの縮図です。では、もう少し詳しく解説いたしましょう。

今度は二言で表現しますと・・・

・柔らかい振動板は低歪みな音が出るが、力のある音は出せない。
・硬い振動板は歪みが多いが、力のある音が出せる。

補筆します。ここで言う”低歪み”とは、正弦波応答の歪み率の事ではなくて、濁り音や耳を刺す硬い響きを指します。そして”力のある音”とは、マッシヴ感(低~中低音)、厚み感(中低~中音)、音離れ感(中~高音)といった事を指します。生楽器ならではの明瞭な発音の事であり、解像度の事です。

別の言い方をしますと、

・静電型(に代表される”柔らかい”膜型振動板)スピーカーは減点評価に強い
・コーン型(”硬い”剛体振動板)スピーカーは加点評価に強い

ですが、これは極端な言い方で、コーン型についても実際の振動板には”柔らかさ”が担保されています。金属やセラミックスの振動板であっても、薄くしなやかな作りになっているのが常識です。この様にしないと(共振のQが高くなって)硬い響きが出てしまって、実用にならないのです。なので、本気で構造補強を入れた剛体振動板というものは皆無ですし、長い歴史の中では登場しても、扱いきれずに姿を消しています。

さてところがです、教科書にあるように、「振動板は一体となってピストン運動するべし」という事は究極の重要事項です。実際に実験をしてみると、振動板に構造補強を入れて剛体化するほどに高解像度な魅力感溢れる音が出ます。(・・・がしかし、煩くて使い物になりませんが!)

以上が、「魅力感(加点評価)を出そうとすると煩い音(減点評価)になる」という、技術的、宿命的なトレードオフの詳細です。

ご注意: 膜型スピーカーが全面駆動であると言うのは正しくありません。駆動力や構造保持力に分布があるので、実際には一体運動にはなりません。一体運動をしていなくても、剛性の無い振動板のおかげで耳障りな共振音が発生しないで済む、という点が膜型振動板の利点です。

 

閑話休題

私としては、音の魅力感を追求する上で膜型振動板は無理筋であり、しかもコーン型でも剛性不足です。そうすると、技術的トレードオフに対する突破口が無い限り、私のオリジナルスピーカーは実現不可能ですね!(^^;

そして、長年の紆余曲折後に”超硬振動板”なる第三極を打ち出すに至りましたが、まだソースやユーザーによっては音の硬さが問題になる場合があって、更なる改善を継続しております。日々改良と発見がありますので、ブレイクスルー自体は可能であると楽観していますが。より有機的、微細的な構造が要求される様になって来ております。

空飛ぶ鳥は、手に載せると、見かけからは想像できないほど軽い事に感嘆します。鳥の骨の中は中空になっていたりして、神の手による精緻で絶妙な作りになっています。軽さと強度の両立を要求されるスピーカーの振動板を追及すると、その様な世界に足を踏み入れざるを得ないのかもしれませんが・・・いや、まぁ、遥かにガサツな物を作っておりますが!(笑)

現在、10cm口径の超硬振動板の徹底改良を続けております。何千回実験を繰り返したかわかりません。正直うんざりしています。しかし音楽の感動感を再現したいという思いは増々つのっております。良いご報告が出来る日を希望にして頑張り中です。

 

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