Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

音の良いケーブルとは?

2020年03月28日 | オーディオいろいろ

 

埼玉県のK様より、当社ホームページのユーザーコーナーにご感想を頂戴いたしました。 → 詳細はこちらから K様ありがとうございました。

このスピーカーコードについては・・・ → 詳細はこちらから

このコード、価格は安いのですが、ごくごく真っ当な音質なので、当社のハイエンドスピーカーシステム用にもお勧めしております。

さて、では高級なケーブルを使わないとハイファイオーディオは成立しないのか? 当社の様なスピーカーシステムのメーカーとしてはどう考えているのか? という疑問が湧いてきますよね。

私の原則としましては、音決め時のリファレンスシステムとしては、ケーブル類(その他諸々のアクセサリー)には一切凝らないようにしています。

 

理由その1
高級アクセサリーと言うものは、音が変わらないと(インパクトがないと)いけないので、意図的に ”音が作ってある” 事が多いです。ですから、中立的なものとしての信用はかえって出来ないと考えています。

 

理由その2
システム供給者としては、アクセサリーにお金を掛けないと上手く鳴らない様な説得力の無い製品を提供する事はあってはならない、と考えています。

 

特に最近の高級品は、低歪み感を演出する音作りの物が多い様です。本来、低歪みになると音像が高くなりますが、左記の場合には反対に音像が低くなる(位相周りが悪い)ものがあります。恐らく情報量を間引く事で歪み感を減らしているのでしょうが、とばっちりで位相周りがおかしくなっている様です。位相周りが悪いと、演奏の表情や、リアリティが劣化します。本末転倒なバカバカしい話です。どうもケーブルに拘る方には、歪みが減るとか、演奏ノイズがはっきり聴きとれるとか、部分的な音だけしか聴かない向きがおられる様です。この様に音楽を聞かずに音だけを聴いていると、おかしな方向に行ってしまうのではないかと私は危惧します。

では、良いケーブルとは? 私の場合は、音楽の生き生き感が再現される事です。しかし、色付けによる演出はNGで、あくまでもナチュラルである事が条件です。別の言い方をすると、「柔らかいのにはっきりした音」です。当社のスピーカシステムに求めている事と同じです。

 

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ハイスピード・バスレフ方式

2020年03月14日 | オーディオいろいろ

 

当社のスピーカーデモで必ず受けるご質問があります。「大きなバスレフポートが付いているのに、低音の応答感が良いのはどうしてですか?」というご質問です。当ブログでは何度か話題にしておりますが、なかなか理解が難しい模様で、既にこの説明をご存知の方でも、やはり改めて質問したくなってしまう様です。

その様な訳で、これからは「ハイスピード・バスレフ方式だからです」というお答えにしようかと・・・ジョークです。(笑)

くどいかも知れませんが、少し説明の仕方を変えて再度解説に挑戦させていただきます。

 

バスレフなのに応答の良い低音・・・重要点は二つ

 

① 超硬振動板だから

理屈は既にご存知でも、「どうしてバスレフ方式なのに・・・しかも小さなウーファーなのに・・・」と思わず言いたくなってしまうのは、超硬振動板ならではの押し出し感の強い低音のご利益です。

大口径ウーファーが有利なのは音圧だけです。(ここではfsが低く出来るという話は別にします)大口径ウーファーは振動板の剛性が低くなってしまう分、押し出し感や応答感では、本来はむしろ不利なのです。この問題が長年バレずに済んで来たのは、小口径ウーファーも同様にコーンの剛性が低かったからです。大口径ウーファーの方が良い音が出るというのは、もはや石器時代のお話です!

振動板の剛性については、アルミだろうがカーボンだろうがNGです。薄いシート状の振動板では何の材料を使おうとも無理スジであって、橋梁の様な中空立体補強構造による ”構造剛性” を稼がないと、マッチョな低音は出せません。超硬振動板の技術解説については、過去のアップをご覧ください。

 

② 低音の応答感は倍音成分で聴いている

さて、バスレフ方式そのものの応答が遅い事は事実です。ですが、30Hzや40Hzの音に応答感があるというのは、まったく間違った思い込みです。実際に信号発生器でこの周波数の正弦波の音を聴いてみて下さい。このドロドロ音のどこに応答感があるというのですか?

ところで、400Hzの正弦波には艶がありませんが、ヴァイオリンの同じ400Hzには艶があります。それは正に倍音成分によるものである事は常識ですね? バスドラやコントラバスの質感も同様に、倍音成分である100Hz~400Hz辺りの成分が非常に重要なのです。

そして、この音域の再生に関して、従来のコーン型スピーカーに問題が無い、というのもまったく間違った思い込みです。コーンもドームも、その形状効果により、同心円状(軸対象)の共振モードに対しては比較的高い剛性がありますが、釣鐘モード(非軸対称)に対してはほとんど剛性がありません。これが音質上大問題であることを私は発見しました。従来は専門家も含めてこの問題に対する認識が低く、コンシューマーに至っては、この分割振動の存在自体知りません。ここに、実際に超硬振動板ウーファーの音を聴くと、その音の出方が従来品と大きく異なることに驚く理由があります。

写真(↑)のごとく、コーンは楕円形状(非軸対象)の変形にはほとんど無防備です。

 

即ち、従来のバスレフ方式の低音がモヤモヤなのは、バスレフ方式そのものの問題なのではなく、ウーファーの振動板剛性の問題だということです。

追補

同じウーファーでも、密閉型の方がすっきりするというのは、キャビネット内部の中音が漏れるといった別の要因があります。当社では、キャビネット内部の吸音処理がしっかりしていますので、その様な問題は生じません。

 

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トゥイーターの試聴方法

2020年03月04日 | オーディオいろいろ

 

「どの様にしてトゥイーターを選んでいるのですか?」というご質問をいただく事があります。

私の場合は、いちいちウーファーと組み合わせたりはせずに、トゥイーター単体で試聴し、品定めします。ウーファーとの相性ですか? それは予めウーファーの音を聴いていますので、トゥイーターに望まれるべき音の要件は分かっていますので、システム化して鳴らす必要はないのです。また、重要な事ですが、トゥイーターを単品で聴くのは、そのトゥイーターの素の音を判定するためにも重要です。

それで、どの様に鳴らすかと言えば、当該のトゥイーターにスピーカーコードを直結して鳴らします。(※1)簡単でしょう。(笑)

※1 トゥイーターによっては故障や劣化のリスクがあるので、あくまでも自己責任です。

勿論小さい音量で1個だけ鳴らせばOKです。高音寄りのバランスの音になりますが、大した問題ではありません。この状態で、ヴィヴァルディの四季の冒頭とか、リンダ・ロンシュタット、加藤登紀子等、高音の癖が目立ちやすいソースを聴きます。

 

<第一段階>
「そんなこと言っても、トゥイーターだからキンキンした音がするのが当たり前でしょう」と仰いますか?(笑) 残念でした、本当に高品位なトゥイーターは、実にナチュラルな音がしますし、ほとんど全ての廉価トゥイーターは、それぞれ特有のジャリ音やヒリヒリ音を発します。

<第二段階>
私の場合は勿論、消えて無くなるトゥイーターかどうかも判定します。間近で聴いても、高いところから聞こえてくるのが最上級です。

以上の2評価に合格する廉価トゥイーターはほとんどありません。なので、評価が簡単と言えば簡単ですが、選択肢がほとんど無くなってしまうので困りものです。(^^;

<第三段階>
そして、最後の最も重要な評価は、音力や押し出し感です。音の魅力感のためにはこれが大切です。例えばストラディバリウスの強い高音が、しかし耳を刺さずに鳴れば、大変立派です。ピアノや打楽器であれば、ほそい音でチンチンいうのはNGで、太くカチッとした力のある鳴り方が優等生です。第二段階まで合格する高級トゥイーターはありますが、第三段階は難しくなります。これは当社ならではの音作りに欠かせない高度な要素です。リボンや静電型等の膜型振動板ユニットは、歪み感が少ない美点はあっても、第三段階では大抵NGです。市販の高級品で一目置いているのは独アクトン社のダイアモンドドームくらいでしょうか・・・

 

さて、以上の非常に厳しい評価基準は、当社の超硬振動板ウーファーと組み合わせるためのものです。超硬振動板ウーファーは、音力やスピード感と低歪み感が高度に両立しておりますので、エントリー機種では、第二段階まで合格するトゥイーターであれば、音の魅力感や説得力では、多くの方に納得していただけるグレードであると考えております。そして、ハイグレードな機種では、第三段階まで合格したトゥイーターを採用する事になります。

従来型のコーンウーファーの場合は、音力や解像度に限界がありますので、トゥイーターを敢えて ”癖のあるスパイス” として利用しなければならない場合が多いです。結果的にソースとの相性問題が生じますので、万能と言うのは無理です。この辺りは、大人の割り切りが必要です。反対に、私の場合は、コストはかかっても高度に万能なスピーカーを目指している訳です。

 

 

ところで、当社の現行製品では未だ超硬振動板トゥイーター(写真↑)が搭載されておりません。しかし、取敢えず開発は終わっていて、上記の第三段階までOKになっています。はやく世に出したくてうずうずしておりますが、足元(エントリー機種のラインナップ)を固めている最中ですので、まだ暫く先になってしまいます。最近は皆様高齢化しておられ、「早く聴かせてくれないと俺死んじゃうよ~」などという笑えない冗談が出たりしますが・・・どうか暫くお待ちを。

 

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Evangelist-102V2のトゥイーターとは?

2020年02月18日 | オーディオいろいろ

 

新発売のEvangelist-102V2では手作りの超硬振動板ウーファーが特長となっていますが、それではトゥイーターは何者かというご質問をよくいただきます。以前にも少しご紹介済ですが、改めて話題にさせていただきます。

さて、Evangelist-102V2は、サイズの割には高価な製品と思われるでしょうが、このウーファーのコストは、ウン百万円のシステムに付いている物よりも余程高価なものです。(1日1個しか作れません)ですが、従来聞く事の出来なかった極上の音楽の愉悦の世界を、より多くの皆様に提供するというミッションを持って、特別な工夫で製品化しております。

即ち、ウーファーの美味しいところを損なわずに、出来るだけ小型化、ローコスト化し、オカルトな仕様は一切排除した、高級品でありながらも大胆に無駄を省いた商品企画であります。その中にあって、この(写真↑)トゥイーターはどの様な位置づけなのかをご紹介したいと思います。

このトゥイーターは、スピーカーの自作をされる方は結構ご存知なアレ(笑)です。具体的なメーカー名や型番はご容赦下さい。いわゆるリングラジエーターと呼ばれるもので、構造上はソフトドーム型ではなくて、膜伝搬型スピーカーに分類できると思います。

このトゥイーターは低価格ではありますが、歪み感が少なく、ジャリつき、ヒリつきも少ない、穏やかさが特長です。元ビクターの重鎮であるT氏によれば、Evangelist-102V2の高音は、名器として知られる旧SXシリーズのソフトドームに近いとの評価でした。尚且つ大音量でもまずまず破綻感が出ません。

さて、それでは同じトゥイーターを使用すれば、自作ファンの方におかれても、同じご利益があるのでしょうか? 柔らかく、しかし音離れの良い音が出せるのか?

残念ながら、そうは問屋が卸しません。(笑)

実は、音質の支配力が大きいのは(特に2wayでは)ウーファーの方です。普通のウーファーにこのトゥイーターを組み合わせると、ただの大人しい音のシステムにしかなりません。若しくはキャラクターの強いウーファーであれば、耳がヒリつくのはウーファーの責任です。もし私が従来型のウーファーを使うのであれば、例えばPARC Audio社の様な音離れ感を補ってくれる鳴り方のトゥイーターを敢えて選んだりします。「f特がフラットになれば良い音がする」なんて戯言(たわごと)ですゾ。音作りの世界は奥深いのです。

超硬振動板ウーファーの場合は、非常に高SNで低歪みな音質であるため、市販のソフトドームトゥイーターでは総じて品位が低く、(ジャージャーいうので)釣り合わないのです。勿論ハードドームなんぞもってのほかです。私の本音を言うと、このトゥイーターでさえ、なんとか許せるレベルです。が、しかし、もっと静かで且つ高解像度を求めると、超高品位なハードドームトゥイーターが必須です。例えば独アクトン社のダイヤモンドドームとか・・・(ですが、手作りの超硬ドームトゥイーターは当方でも既に開発済みで、上級機種ではこちらを使う事になります)その様な訳で、Evangelist-102V2に於いては、このトゥイーター以外の選択肢はちょっと無いくらいの最適な選定になっていると思います。

言い換えますと、超硬振動板ウーファーでは、低歪み且つハイスピードで、音力のある出音が可能なので、あとは不足する高音域を足すだけで良いのです。(← 但し上品なこと)従来のスピーカーでは、中音~中高音域という重要な帯域の分解能や品位がそもそも低いのが根本問題なので、どの様なトゥイーターを持って来ても簡単には解決しないのです。

以上が今回のトゥイーターを選定した背景です。

 

追伸

トゥイーターの選定のために、超硬振動板ウーファーと様々なトゥイーターとの組み合わせ実験をやるのか、というご質問を頂く事もあります。自作の経験をお持ちの方でしたら、この作業はさぞかし手間のかかるものになると想像されるでしょう。(← 以前は私もその様にしていました)しかし、私の場合は、ユニット単体で(あっという間に)判定します。でもトゥイーター単体で、いったいどの様に試聴、判定するのか不思議に思われる方が多いかもしれませんね。プロなので慣れているということもありますが、実はかなり意外な試験方法でもあります。この話題はまた後日に改めてさせていただきます。

 

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超硬振動板 第二段

2019年12月22日 | オーディオいろいろ

 

 

10cm超硬振動板ユニットの徹底改良中です。いよいよ完成が見えてきました。(話半分?・・・笑) 何年も苦労して、やっと超硬補強構造の黄金律が判ってきました。懸案だった硬い響きを根絶する方法も明確になりました。

新しい振動板の補強構造の要は写真(↑)の様なソロバン玉形状です。紆余曲折後、放射方向のビーム構造から思い切って転身しました。中心の筒部がボイスコイル(ボビン)の延長になります。上下の傾斜部が発音部(従来のコーン)となります。内部は中空若しくは発泡体を充填します。

この構造は、コーンとしては究極の剛体構造と思われます。筒部と上下の傾斜部の三角形断面の構造により、三辺がお互いに突っ張りあいますので、正真正銘カチカチンになります。非常に軽量ですが、手で曲げようとしてもビクともしません。しなりというものが全くなくて、最後はバキッ!と座屈破壊する事になります。

さてこの”ソロバン玉”、知人からは特許化する事を強く勧められましたが、本著作によって公知化する事にしました。登録にお金がかかる問題もありますが、剛性が高いがゆえに酷い暴れ馬で、そのままでは全く使い物にならないからです。(この暴れ馬を如何に調教するのかは、門外不出のノウハウとなります)

※ これらの写真や解説には、A&Cオーディオ社の著作権があります。当社に無断で転用する事は固くお断り致します。

 

 

そして、試作&試聴中の10cmウーファーは写真(↑)の様になっています。(Evangelist-102に組み込んで音出し中)センターキャップのように見える部分に”ソロバン玉”が内蔵されています。製品化時は、諸事情にて黒の艶消し仕上げのコーンになる予定です。見た目はなんの変哲もない感じですが、部品一つ一つの断面形状や素材が徐々に変化する、かなり手の込んだ作り込みになっています。

音の方ですが、久しぶりにオーディオ評論家の高橋和正先生のところに持参して聴いていただきました。

一聴して、「通常のスピーカーが如何に濁った音を出しているのか、これを聴くと如実に判る。思わず欲しくなってしまう魅力感がある。」とのこと。それ以外にも、「こんなに静かな金属振動板はあり得なかった。よくぞここまでやりましたね!」とのお褒めも。

これまでは音の魅力感を訴求してきましたが、とにかく正確で余計な音を出さないので、雑味が全くない鳴り方です。濁り感の少なさでは、既にコンデンサー型等の膜型スピーカーを越えているかもしれません。

さて、音の方はほぼ納得レベルですが、何度も切り貼りして追加改造していますので、フランケンシュタイン状態です。製品化のためには、再度作りや形状を見直して洗練する必要があります。音色感ももう少し品位を上げたいと思います。

年明けからこのウーファーを展開したく、頑張り中です。

 

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