Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

17cm DSSダイアフラム その19

2021年06月15日 | 製品紹介

 

地味な進展ですが、その後、外殻の板厚を増して、その代わりに内部補強を減らすとか、確認実験を続けています。

何とも面白くない話ですが、いろいろと構造や塩梅を変化させても、同じ程度の完成度を得るためには、結果的に同じ程度の振動板重量になってしまいます。比弾性を上げるのは本当に難しくて、うまい話はないですね。

もうこれで最後にしたいと思っていますが、念のため外殻をサンドイッチ構造(写真↑:もう一つ作って向かい合わせに結合)にしたものも作って確認実験をします。今回はあまり期待はしていませんが、「あれも試しておけば・・・」という事が往々にしてありますので、とにかく辛抱して続けます。

 

 

ところで、試作は一度に一個で、モノラルで評価しています。(慣れると、ステレオでやる意味はないし、仕事時間が半分で済みます。)

なので、ステレオで音楽を愉しみたい時は、前回の構造の違う試作ユニットとペアにして聴くことになります。左右でユニットが違うと、音像定位が揺れる事になりますが、どの試作品でもある程度の完成度になってくると、左右で全く別構造であっても(音像揺れは)気にならないレベルになります。

写真↑は、本日入手したヴォーチェス・エイトという声楽グループのCDです。

ヴォーチェス・エイトは、クラシックとしてはやや軟派(?)な声楽グループで、ポップな曲も取り入れた親しみやすい感じです。今回はトラック#7の”STARS”という曲が聴きものです。グラスハーモニカを通奏低音に使用した珍しい現代曲です。巨大な響きの空間で、天国(もしくは宇宙空間)に吸い込まれる様な幻想感を堪能できます。

さて、以前より述べております従来型のスピーカーではちょっと出せない、当たり前の自然な声の厚み感(或いはマッシヴ感)についてですが、このCDではちょっとやり過ぎなくらいに厚みがあります。(←低域の音圧が膨らんでいるという意味ではありませんので念のため) 生演奏を聴きに行っても、ここまで芳醇な響きが本当に聴けるのだろうか? 本場の教会堂で、一番響きの良い席を探して聴けばここまでいけるのか・・・ヒリヒリ音のモニターSPで調整して、結果的にこの様になったのか、或いは再生芸術として意図的にマイキングで作っているのか・・・再生芸術という物は、再生装置の能力をごまかすための方便の様に感じられるので、私はあまり評価しない立場です。ですが、生演奏で聴くよりも更に上質で芳醇な響き、という事であれば悪くはありませんね。その意味での再生芸術であれば、それも良いかもしれないと思った次第。

追伸

教会堂の残響たっぷりの録音ですので、一般的には”ヴォーカルが引っ込んだ”音作りと思われがちだと思います。ですが、マッシヴで押し出し感の出る高分解能なスピーカーであれば、広大な残響空間と、そこに実在しているかの様なリアルなヴォーカル定位が両立します。この再生環境であれば、力のある声のハーモニーが正に感動的なものとなります。

 

 

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17cm DSSダイアフラム その18

2021年05月25日 | 製品紹介

 

前回のアップからあっという間に20日経ってしまいました。

過去の試作の再評価をやっていますが、新しい改善策を盛り込んだ新しい部品成形治具を作り直しているので、時間がかかる割にははかどりません。(^^;

今回は前回の放射リブ構造に引き続き、剛性を高めるためにリブの高さを更に大きくして、尚且つ外観の目障りにならぬように、菱形殻の内部に補強パーツを組み込む事にしました。誰でも思いつく様な放射方向と円周方向のリブで、以前に強い共振音が出てNG判定にした構造です。ですが、結局のところ、要点を押さえさえすれば、いずれの構造でもそれなりに上手くまとまる事が判ったのがこの一年の実験の収穫でした。いわゆる特許にならない地味なノウハウというやつです。別の言い方では、「神は細部に宿る」という事ですね。

さて、今回の試作で納得の完成度であって欲しいと思っているのですが、実は既に失敗というか、組み立ての精度不足でリブと外殻の間に一部浮きが出来てしまいました。本当は組み立て治具の再調整が必要ですが、しかし味見は十分に出来ると思うので、とにかくユニット組して音出しをしてみます。さて、「その20」で完成となりますでしょうか、結果やいかに・・・

 

追伸

補強構造の「要点を押さえる」の件ですが、例えばタンノイの放射リブ付きウーファーを改めて見てみると、しっかりと要点を押さえています。長い評価にも耐えて来ているだけあって流石だと思います。それ以外のものについては具体名は避けますが、要点が押さえられていない様に見えますし、歴史的評価にも耐えられなかった様に思われます。コストアップの問題もあるでしょうが、完成度の限界が越えられずに消え去ったものが多いと思われます。コストの問題で普及しなかったというのは仕方がないとしても、完成度が低くて消え去ってしまう様な物は作りたくないものですね。私も気合を入れてかからねばなりません。

 

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17cm DSSダイアフラム その17

2021年05月04日 | 製品紹介

 

前回のアップでご紹介しましたが、長らく見落としていた問題点の改善によって、すっかり話が変わってしまいました。

過去の膨大な実験の中でNG判定していたものを再検証中です。音が硬く、位相周りにも難が生じると考えていた補強リブが、どうやら問題なく使える事も判ってきました。

 

 

ホンネを言えば、手間が酷くて使いたくない部材ですが、音質上のデメリット無しに歪み感の低減と解像度の向上が出来るという美味しい話は外せませんね。

色々と再検証をしつつ、完成度の向上を試みています。

 

 

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17cm DSSダイアフラム その16

2021年04月24日 | 製品紹介

 

炭素繊維で作ってみましたが・・・思ったよりも剛性が無い。音質的には、少なくともハガネ材の様なコシの強さは無い・・・

この素材は薄い作りの振動板の用途に本当に向いているのか? やはり異方性が強い素材は、どんぴしゃりの用途に適用しないと活かすのが難しいと感じました。スピーカーにおける炭素繊維というものは、買いかぶりされ過ぎというか、宣伝のために大言壮語になっているのでは?・・・炭素繊維を自慢しているスピーカーメーカーから刺客が来ない事を祈ります。(笑)

※ 但し、DSSダイアフラムにおけるボイスコイルボビンには間違いなく最適でした。これだけはドンピシャリです。

 

さて、それでは高音の伸びがイマイチなので、フルレンジはギブアップか?

 

灯台下暗しと言いますが、「まぁこんなもの」と決め込んでいた何でもないと思っていた部分が、実は問題源だったりする事があります。今更ながら、実はDSSダイアフラムの本来の剛性の半分くらいしか発揮されていなかった事が判明しました。当該部の改良結果を確認し、それに付随していろいろと塩梅調整をやり直しているところです。

※ どうやら核心部に迫ってきている模様で、だんだんと口外出来ない事が増えてきました。抽象的な表現が多くなりますがご容赦下さいませ!

おかげで、8合目あたりで停滞していたところが9合目くらいまでステップアップ出来ました。それに伴い、懸案の高音の伸びもうまく行きそうです。更に歪み感が思った以上に改善しつつあります。そして何よりも嬉しいのは、一進一退だった位相周りも順調に改善されている事です。

本当に10合目までたどり着ければ、名器間違いなしと思いますが、あと一合、されど一合、最低でももう一つブレイクスルーを得ないと登頂は無理か・・・大分長い連載になっていますが、この17cm口径の開発を思い立って約1年が経ちます。「その20」くらいで決着すると嬉しいのですが・・・(^^;

 

 

 

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17cm DSSダイアフラム その15

2021年04月18日 | 製品紹介

 

さて、ウーファーとしては使えますが、フルレンジとしては改めてもう少し高音域を伸ばしたい。通常のフルレンジスピーカーは、高音特性にピークを作って「出ている感」を出しますが、DSSダイアフラムの場合はその様な音作りではありません。よって、振動板の比弾性を現状よりも更に上げて再生可能帯域を広げる、というクソ真面目で難しい選択をする事になります。

菱形殻の素材がハガネ材でも比弾性が不足しているとあらば、残るはカーボン繊維くらいしかありません。※ ダイヤモンドには手が出ませんが、しかし脆いので、いずれにせよこの用途には無理です。

カーボン繊維については、縦横編み(二軸織)のものでは話にならん、と以前にこき下ろしました通りで、やるとすれば単方向繊維を放射状に配置する事になります。この製作にはオートクレーヴ設備が必須ですが、既にハガネ材の貼り合わせ用に用意してありますので、これにてとにかくカーボンで作って味見をすることにしました。写真↑は試作した物です。

これでも納得が行かなかったら、フルレンジは断念して、2wayで話を進める事になります。さてどうなるか・・・

 

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