Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

フーリエ解析 リズムとピッチへの追記

2009-07-20 10:46:41 | 新音律
深夜の雷で目が覚めてしまった.

きのうのブログは Setharesd 先生の著作を紹介するという目的なら,あれでいいと思うが,フーリエ解析に関する記述は荒っぽすぎたと反省している.
物理・数学に堪能な方と,興味のない方は.どちらも以下をパスして下さい.

このたびの応用という視点からは,フーリエ解析の対象は時間的に繰り返す現象である.
音は空気の往復が繰り返す現象であって,繰り返しの頻度がピッチである.繰り返しが連続する時間を,楽譜では二分音符・四分音符...で指定する.
リズムは,楽譜では二分音符・四分音符...が繰り返す現象である.ただし,二つの隣り合う音符はスラーで結ばれていない限り独立している.休止符で分離していることもある.
リズムを構成するのはパルスであって,パルスの中身を覗くとピッチが詰まっている.
ピッチは連続的,リズムは孤立散発的だが,フーリエ解析はどちらも相手に出来る.

音楽に対して理想的なフーリエ解析を行えば,ピッチが高周波数側・リズムが低周波数側に現れる (もっと低周波数側を見れば,コーラスを何回繰り返したかが分かるかもしれない).
これをいっぺんに計算すると,膨大な記憶容量が必要で,時間もかかる.
ピッチは音高・音色を決めるが,ピッチだけに注目すれば音符の継続時間ていどを計算すればいい (どういう計算かは理工系の教科書やウェブに説明されている: カットの本は絶版?).リズムに注目するときは,ある程度長時間にわたり,音があるか・ないかの規則性だけに注目する.
このように2段階に分けて解析しないと,いくら優秀な計算機でも追いつかない.

温度が昼高く夜は低いというのも繰り返し現象だし,夏高く冬は寒いというのも繰り返し現象である.温度を秒刻みで測定することは可能だが,夏冬の温度変化の解析に秒刻みのデータは不要である.
同じように,ピッチとリズムでも相手にするデータは変えなければならないのだが,市販のパソコンのハードとフリーに近いソフトでは,意外なことに,ピッチに比べるとリズムの解析のほうが難しい.

数学と現実の違いも問題.フーリエ解析という数学は現象が永久に続くことを前提にしている.しかしそんな現象はない.どんなに長い音楽でもいつかは終わる.地球の自転・公転もいつかは終わる.そこで有限のデータを無限に見せかけるための操作 (窓関数) を行う.
この窓関数はパソコンのソフトでもいくつか用意されているが,どれを使えば良いかは分からない.

フーリエ解析は極めて明解だが,実際の現象に適用すると,やるひとのさじ加減で結果が変わったりする.
なにごともそうなんだろうけれど.

この稿未完.ただし 続かないかもしれません.
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (16グラム)
2009-07-21 06:45:32
先生

わかりやすいフーリエの本を書いて下さい
Unknown (16トン)
2009-07-21 11:09:03
ブログのカットのの本は

トランスナショナル・カレッジ・オブ・レックス編「フーリエの冒険 」ヒッポファミリークラブ(1998)

ですが,これよりやさしくは書けません,というより,教師には書けない本です.厚い本のは省略がないためです.
絶版ですが,大学の図書館にあります...どこかの文庫に入れてくれればいいのにね.

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