Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

女性作家による捕物帳アンソロジー

2018-11-18 08:51:15 | 読書
細谷 正充 編集「なぞとき」〈捕物〉時代小説傑作選 ,PHP文芸文庫(2018/1).

著者は,和田 はつ子, 梶 よう子, 浮穴 みみ, 澤田 瞳子, 中島 要, 宮部 みゆき.

Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
棒手振りの魚屋に、鰹を千両で買いたいという奇妙な申し出があり…(「鰹千両」)、幕府直轄の御薬園で働く真葛は、薬種屋から消えた女中の行方を探ってほしいと頼まれるが…(「人待ちの冬」)、商家の妾が主夫婦の息子を柏餅で毒殺した疑いをかけられるが、料理人の季蔵は独自の捜査を進め…(「五月菓子」)など、“捕物”を題材とした時代小説ミステリー。話題の女性作家陣の作品が一冊で楽しめるアンソロジー。*****

著者のうちで名前を聞いたことがあるのは宮部みゆき だけ.上記紹介の「鰹千両」がその宮部作品で,流石にうまい.
ただし,この作品に限らず「なぞとき」という看板だが,ミステリー風味は希薄.和田はつ子「五月菓子」はグルメ+医療タネのカクテルだが,このふたつのトピックは他の小説にも別々に顔を出す.もっともミステリー的なのは梶よう子「煙に巻く」だが,ごちゃごちゃした論理は捕物帳には向かないのかもしれない.
またどの作品も,それぞれの連作シリーズの一編なので,筋とは無関係でもいい常連の登場人物がウロウロする.

解説が充実している.
すべて読後感はよく,人情噺に仕立てて高座にあげたら,と思わせる作品も.

図書館で借りた.☆☆☆★

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