Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

鴨居玲「踊り候え」

2010-07-06 08:26:03 | 読書
風来舎 (改訂版1992/11)

BOOKxxxx ではない,昔からの古書店で購入.美本500円は掘り出し物か! と思ったら,読み始めと読了年月日の書き込みあり.所有者は可部線の車中で三日で読んだらしい.
まぁ 自分で書き込んだと思えば良いか.

ちなみに Amazon の古書価格をみたら最安でも3000円台だった.

著者は人間の闇を描いた画家とされていて,何度かの未遂の末,自殺とのこと.
「踊り候え」というタイトルの油絵,その他をチュニック株式会社の HP で見ることができる.美術館で見るのとは もちろん 違うけれど.

この本は鴨居玲の死後,文章を集めて出版されたもので,三部構成.
スペインの村の人々を書いた第一部,神戸新聞のコラムを中心とした第二部の文章までは楽しい.思わず笑ってしまうところもある.しかし「編集後記」からは,なんとかして面白い文章を書こうと苦心する画家の姿がうかがえる.

第三部には絵に関する文章と対談 (本書では対話としてある) を集めている.
坂崎乙郎との対話では,油絵絵具は瞬間的に乾かないから性にあわないと言っている.
姉・鴨居羊子との対話では,洋子の言葉遣いが男性的,玲が女性的と逆転する場面がある.

舟越保武,久利計一,鴨居羊子の三人による追悼文は改訂版で追加されたとのこと.鴨居羊子が,玲が作品を仕上げて行く過程を書いている.
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