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難しい問題

2011-04-04 22:43:48 | weblog
一連の原発関連の報道(報道と呼ぶに値しない三流雑誌、タブロイド夕刊紙でも)において、
一番難しいのは、放射性物質の汚染が広がる懸念の中で、
「○○地域は大丈夫」「○○県までは放射性物質は来ない」という表現は間違ってもできないことにある。

つまり同じ日本にいる以上は、原発のまん前だろうが、数百キロ離れていようが、
それらを比較して話すことが基本的にできない点が難しい。
「原発付近は厳しいが東京は大丈夫」なんてことは間違っても言えない。
仮に本当にそうであっても、「じゃあ東京が良ければそれでいいのか」って話になる。
同じ日本でそれだけは許されないし、原発で働く人たちに最大の無礼である。
だからどうしても放射性物質の報道を見ると、
「自分の住むエリアは大丈夫なのか?大丈夫って言ってよ評論家さん」と、不安が増幅するのである。

それを逆手に取って、たとえば「最悪の事態が起これば健康被害が起こる」とだけ見出しをつけて雑誌を売ることも可能。
そうすれば買う人は「これはヤバイ」と思って買う。でも実際は原発付近だけ、なんて記事だったりする。
どうも不安を煽って商売につなげようという連中が多いですけどね。
そういうのだけは絶対に許されない。

当然、東京が大丈夫だなんて根拠もない。
最悪の事態、というのが何なのかよくわからないし、
放射性物質がどうのこうの以前に、既にあってはならないことが起きているわけで、今が十分「最悪の事態」であると思う。
それ以上があるのかどうか、それは神のみぞ知るだし、
「何か隠している」「情報公開をしていない」という批判ももっともで、
そう疑心暗鬼になるには完璧な条件が揃っている。
報道が上に書いたようにどこかに偏れない以上は、どうしてもそうなる。


しかし、我々は放射性物質が降ろうが槍が降ろうが生きなくてはならない。
津波に飲まれた人たちは政府批判も何もすることももうできない。
その人たちの分まで…なんておこがましいことは言わないが、
我々ができることは生きて働いて税金納めて金使って経済回して、募金もして。
それが何よりである。それしかないし、それがベストなこと。
勿論被災地支援は大前提としてね。
毎日通勤電車に乗って働く人たち、職場で共に働く人たちを見る限り、必死で生きていると思う。
放射性物質がどうのこうのという次元じゃない。生きて働く(学生さんは学ぶ)ことがすべてだと思う。
それがもうできない人、満足に働けない人たちのためにもね。

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