デラシネ(deracine)

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プロレスについて長々と。週プロの感想、ですが。

2010-04-22 23:06:52 | プロレス
今週の週プロでは秋山準の「やっとプロレスラーになれた」という言葉が響く。
要は「素の自分で戦えている」ということなんだろうけど、
つまり今までは自分をどこかで「作って」試合をしていた、というふうに私は解釈した。

プロレスのリングとは、プロレスラーがその生き様を表現する場。
でも秋山は(それをどう評価するかはともかく)ある意味自分でキャラを作ってきたレスラー。
馬場さんにスカウトされて破格のデビューをしたエリート、
GHCを広めるために他団体出撃&白GHC創設の策士、
小橋と師弟・ライバル関係を持ち、常に小橋を立てる戦友、
若手には厳しすぎる攻めをする強大な壁。

ところが最近、特に今年からの秋山を見ていると、それのどれにも当てはまらない。
それどころか非常にやられる場面が多い。
打たれ弱いのとは違うが、あんなに攻められるレスラーだっけ?と思うことも。
昨年体調不良などもあって完全燃焼できず、1から出直しの今年は、
飾ることなくやられても立ち上がる、という姿を多く見せている。

もちろんそれも計算の上でやっている可能性もあるが、
とにかくひたむきな秋山の姿には観客の多くが胸を打たれる。
そういう姿がおそらく秋山自身にとって「これがプロレスラーだ」と思えるものなんだと思う。
小橋と天龍の名を挙げていたが、どちらもやられっぷりに関しては名人芸。
ところが秋山は攻撃される姿が今までは特に特徴がなかった。
それが今は耐えてしのんで逆転へ向かう、そこに観客の声援を引き出せるようになった。
ここにきてついにプロレスラーに目覚めた秋山からは目が離せない。


そして週プロでもう1つ気になったのが、
先々週、丸藤が巻末の丸藤(と森嶋が隔週登場)のページで、
「レスラーになったら厳しい上下関係が待っている」という主旨のことを言っていたが、
狙ったのかどうかはわからないが、
鈴木みのるが今週の自分のページでも同じようなことを言っていたこと。
「リングを降りたら先輩後輩は大事なのはわかるが、リングの中でもその関係性を押し付けられた」
という主旨。

これには考えさせられた。
先輩に勝ってはいけないのか、先輩の技を使ってはいけないのか、それとも違う何かなのか、
2人ともそこまでは言及していないが、
要は先輩に対しての何かがあるんだろうと思う。
実際、いろいろ思い出せば、「ああ、あれかな」と思うことが私もないわけではない。

最近はあまり無いと思うが、
やっぱりプロレスの世界にはそういうことがあるんだな、とも思う。
別に八百長だとか言うことではない。
すぐにヤオとかガチとか招待券は悪とか子供みたいなことを言うのがいるが、
暗黙のルール、暗黙の了解があるのはプロレスを長く見てれば誰でもわかる。

ただ、そういう先輩後輩の関係をリングに持ち込むのは、
ハッキリ言って観客無視。
プロレスはスポーツであり興行でありエンターテインメントである。
いずれも観客がいないと成立しない以上、観客第一でないといけない。
そこにそういう余計なものを持ち込むことは不要。
全部のレスラーがそうだとは思わないけど、
そういう考えは捨ててほしいなと思う。

なんか気になること、ここで書きたいことがたくさんの週プロでした。

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