タミちゃんが実家の掃除に帰っていたので、午後の散歩はひとりでテオを連れて出かけた。あまりにいい天気なので、散歩にはちょっと早いかなと思ったが、テオも散歩に行く気満々だ。午後2時過ぎには家を出る。
風は少し冷たいものの、なんだか春がやって来たかのような陽気である。この時期山肌が真っ白な安達太良山は、山頂だけが白い帽子をかぶっている。こんなんでスキー場はちゃんとやれるんだろうか。
安達太良山から右に視線を移すと、そのはるか先、北の方にもっと白い山並みが見える。方角から見れば福島市だが、あんなに真っ白になるような山はない。とすると、もしかしたら宮城と山形にまたがる蔵王山だろうか。そんな遠くの山が見えるかなあと思うが、富士山が見える一番遠い地点が福島県内にあるから、遮るものさえあれば見えたっておかしくないのかもしれない。
丘の上まで来て、今度は南の方角へと目をやれば、栃木県の那須連山が見える。
真ん中のポッカリ丸い山が茶臼岳で、その右の尖ったのが朝日岳だ。茶臼岳は数年前に高校のスキーの授業中に雪崩が起き、数人が犠牲になった山でもある。朝日岳は女性で初めてエベレストに登った田部井淳子さん(福島県三春町出身)が小学校の時に初めて登った山で、それ以来山登りが趣味になったという。
それにしても、いい天気だ。テオは僕があちこちカメラを向けている間、おとなしく草の匂いを嗅いだり、辺りを眺めたりして過ごしている。5歳になってちょっと大人になったか。
毎日こんな日が続くといいだけどなあ。
世界では戦争やら紛争やらが絶えず、日本でも国会は大騒ぎになっている。それもこれもいかに生きていくべきかの末の行動なのだから、人間というのは何がしたいのだろうかと思わずにいられない。
「なあ、テオ。人間ってどうしようもない生き物だよなあ」
風は少し冷たいものの、なんだか春がやって来たかのような陽気である。この時期山肌が真っ白な安達太良山は、山頂だけが白い帽子をかぶっている。こんなんでスキー場はちゃんとやれるんだろうか。
安達太良山から右に視線を移すと、そのはるか先、北の方にもっと白い山並みが見える。方角から見れば福島市だが、あんなに真っ白になるような山はない。とすると、もしかしたら宮城と山形にまたがる蔵王山だろうか。そんな遠くの山が見えるかなあと思うが、富士山が見える一番遠い地点が福島県内にあるから、遮るものさえあれば見えたっておかしくないのかもしれない。
丘の上まで来て、今度は南の方角へと目をやれば、栃木県の那須連山が見える。
真ん中のポッカリ丸い山が茶臼岳で、その右の尖ったのが朝日岳だ。茶臼岳は数年前に高校のスキーの授業中に雪崩が起き、数人が犠牲になった山でもある。朝日岳は女性で初めてエベレストに登った田部井淳子さん(福島県三春町出身)が小学校の時に初めて登った山で、それ以来山登りが趣味になったという。
それにしても、いい天気だ。テオは僕があちこちカメラを向けている間、おとなしく草の匂いを嗅いだり、辺りを眺めたりして過ごしている。5歳になってちょっと大人になったか。
毎日こんな日が続くといいだけどなあ。
世界では戦争やら紛争やらが絶えず、日本でも国会は大騒ぎになっている。それもこれもいかに生きていくべきかの末の行動なのだから、人間というのは何がしたいのだろうかと思わずにいられない。
「なあ、テオ。人間ってどうしようもない生き物だよなあ」
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