阿部ブログ

日々思うこと

ディマンド・レスポンス・ビジネス

2009年08月09日 | 日記
スマートグリッドのサブカテゴリに属する分野にディマンド・レスポンスがある。

このサービスは自社ネットワーク・オペレーション・センター(NOC)から遠隔で契約した事業所や商業施設の電力消費を監視制御するソリューションを提供するもので、例えば電力需要のピーク時に電力会社が契約する法人への電力供給を一時的に停止し、バックアップ用の蓄電池から供給させるサービスなどがある。

この分野の代表的な企業がエナーノック社で、同社は2008年12月末時点での契約事業拠点数は4000箇所、総電力取扱量は2050メガワットに達する。エナーノック主要な取引先は、アルゲニーパワー、ボルティモア・ガス&エレクトリック、デルマーヴァ・パワー・アンド・ライト・カンパニー、ポトマック・エレクトリック・パワー・カンパニーなどの電力会社と契約を結んでおり主な収益はこれら電力会社から得ている。

さらに直近では、アイダホ・パワーとの最大65メガワットの契約締結しており、中期的には7億5000万ドルの売上を見込んでいるという。このエナーノックの第2四半期決算が先月24日発表されている。それによると同四半期の売上は4240万ドルで前年同期に比べて79%増加。

この結果、リーマンショック後の企業の電力需要削減・最適化というニーズを的確に捉えたディマンド・レスポンス・ビジネスが昨今の経済環境もあり成長していることが判る。

これを裏付けるのが同社の管理する電気の容量が昨年夏からほぼ倍増し、今年6月30日時点では3150メガワットに達していること。そのうちの450メガワットが同四半期に新たに獲得した契約によるものであった。

我が国においてもディマンド・レスポンスの展開により系統電力ピーク需要の抑制が期待できると想定され、スマートグリッドのサブカテゴリとして今後注目すべき分野の一つである。

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