新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

頼朝さんはかっこよかった!(その3)

2011-08-05 10:26:11 | 旅行記

南九州旅行記が未完ですが、先に先週の福岡旅行記をお終いまで書いてしまうことにして、7月29日の記事「頼朝さんはかっこよかった!(その2)」のつづきです。

九州国立博物館(九博)の特別展「よみがえる国宝」は、(その1)(その2)で書いたように、かなり堪能いたしました。

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そうそう。日本の古い美術品の展覧会の常として、会期中の展示替えが頻繁で、せっかく出かけたのに、一番観たかった作品が無ぁ~い~ なんてことがありがちです。
お出かけ前に「作品目録」で展示予定を確認することをお薦めします。ちなみに「頼朝さん」の展示は既に終了しています

ところが、作品目録では展示されているはずだったのに、展示ケースがぽっかりと空白になっていたところがありました。
それは、米国のヒューストン美術館収蔵の「日吉山王祭礼図屏風」。
東日本大震災の影響で期日までに持ってくることができなかった云々といったお詫びが掲げられていました。
こんなところにも東日本大震災の影響が及んでいるとは思いもよりませんでした。
細かな事情は判らないにしても、素直に現実を受け入れつつも、せめて複製画くらい、いや簡単なコピーでもいいですから、何かを展示しておいて欲しかったと思う私でした。

で、今時点、特別展「よみがえる国宝」で「日吉山王祭礼図屏風」が展示されているかどうかは、私には判りません。九博のHPを見ても、「日吉山王祭礼図屏風」に関する情報(展示しているor展示していない)が皆無なのは、いったいどうしたことでしょうか

そもそも、九博のHPを見る限り、私が九博にでかけた7月28日に「日吉山王祭礼図屏風」が展示されていなかったことすら、何の記述も無い

   

110804_2_2 まぁ、「日吉山王祭礼図屏風」を巡る突っ込みはこの辺にしておきまして、九博の場合は「文化交流展示」と呼ばれる常設展のことをちょいと書きます。この展示の中に、「トピック展示」(東博でいうところの「特集陳列」のようなもの)がありまして、この日は「斉明天皇と飛鳥」が開催中でした(8月28日まで)。

斉明天皇は、中大兄皇子こと天智天皇大海人皇子こと天武天皇の母君、つまり女性の天皇です。
しかも、2度にわたって天皇に即位したことから、皇極天皇という諡も持っていらっしゃる方です。

日本史で習う「大化の改新」の発端となった蘇我入鹿暗殺事件乙巳の変)が起こったのは皇極天皇在位中のことで、譲位(日本初の「天皇譲位」らしい)した異父弟の孝徳天皇が亡くなったあと、日本で初めて重祚(=退位した後、再び天皇に即位すること)し、唐・新羅連合軍に滅ぼされた百済の再興支援に向かう途中、福岡・朝倉で崩御されたとか。

額田王の歌として万葉集に収録されている

熟田津爾船乗世武登月待者潮毛加奈比沼今者許芸乞菜
熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかないぬ今は漕ぎ出でな

は、この時の朝鮮遠征に向かう途中に斉明天皇が詠んだものという有力な説があるそうです。

九州の地と縁の深い斉明天皇の生涯を追うこの展示で一番目を引いたのは、リーフレットにも使われている明日香村・酒船石遺跡亀形石造物の実物大模型でした。

私、4年前の「天皇賞<春>観戦 & 明日香・斑鳩ツアー」の時、現物を観てきました。
その時の写真がこちら

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もう一枚、近づいて撮った写真。

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この明日香・斑鳩探訪は、天候にも恵まれて、ホント楽しかった…

それはともかくも、九博に展示されていた「亀形石造物」の模型を観たおばさまが、「あっ、亀石
って、これは「亀形石造物」で、「亀石」ではありません
明日香の「亀石」はこちらです

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ありゃりゃ、九博ネタのはずが、明日香ネタになってしまいました…
まぁ、1400年近く前のお話ですから、4年前のことなんか、誤差の範囲内です(←意味不明)。

というわけで、トピック展示「斉明天皇と飛鳥」はいろいろ感慨深いものがありましたが、「文化交流展示」全体としては、昨年1月にやってきたときと同様にボチボチ…の印象でした。

   

110804_2_6 九博の館外に出て、ソフトクリームを食した後、散策路を歩いてみました。

110804_2_7 暑さは首都圏とさほど変わらないものの、福岡は湿度が低い感じで、私としては好ましい天候です

しかも、こんな緑陰を歩くと何とも爽やかで快適

トンボがひらひらと飛び交って(危なげなもいましたけど…)、さらに、ときおり、グオン、グオンという怪しげな鳴き声が聞こえてきていました。もしかしてウシガエルか?
まさしく「声はすれども姿は見えず」でありました。

110804_2_8 ここで見かけたこちらはハグロトンボでしょうか?

で、移築・復元された浦ノ田遺跡の横目に先に進んでいきますと、きれいに整備されていた散策路の様子が変わり、草ぼうぼう

110804_2_9 上に載せた地図によれば、この散策路は県道までつながっているはずで、ベンチも置かれていますから、散策路から外れているわけでもありません。

もっと先まで行ってみたい気持ちもありましたが、ここで引き返すことにしました。
なにせ、こんな看板まであったもので…

110804_2_9aヘビといえば、私の父方の祖父は大のヘビ嫌いでした。

私の「あいうえお」の絵本の「」に載っていたヘビのイラストに紙を貼ってしまったくらい。

父によると、そんなヘビ嫌いの祖父がマムシ酒を愛飲していた時代があったそうで、そんな時でも、一升瓶に入れたマムシが見えないよう一升瓶に紙を貼っていたそうな。

マムシは嫌いだけど、マムシ酒は好き
なんともアンビバレントなおじいちゃんです

   

ということで、九博を後にして、太宰府天満宮にお参り。太宰府天満宮で撮った写真を数枚ご紹介いたしましょう。

まず、立派な石灯籠

110804_2_9b彫り込まれた寄進者のお名前は、「麻生太吉
もしかして…と調べると、やはり麻生太郎元総理大臣ひいおじいちゃんでした。
さすがは麻生財閥ですなぁ。

次は、目を剝く狛犬

目を剝くのは見ている私だけではなく、狛犬さん自身も目を剝いています

110804_2_9c相方の吽形も同じ目をしているのは当然として、拝殿の前のペアも、こんな目をしていらっしゃいました。

110804_2_9d太宰府天満宮に来たのは、これが3回目でしたが、初めて気がつきました。
私の「獅子・狛犬コレクション」においしい作品が加わりました

太宰府天満宮の目玉の木ともいうべき飛梅は、きれいに剪定されていました。

110804_2_9eこれにて太宰府訪問を終え、福岡に戻ったのでありました。

 

 

つづき:2011/08/05 頼朝さんはかっこよかった!(その4:完結編)

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