新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

登って下っての四国旅行記(その9・香川編⑧)

2014-10-04 21:34:56 | 旅行記

「登って下っての四国旅行記(その8・香川編⑦)」のつづきです。

旧金毘羅大芝居(金丸座)を堪能した私は、5年半ぶりこんぴらさんの石段を登りました。
こんぴらさんは2回目(前回の旅行記はこちら)ですし、今回は参拝ではなく「秋の特別展-若冲邂逅」が目的でしたので、参道の写真を撮るわけでもなく、お土産屋さんを覗くわけでもなく、宝物館にも、高橋由一館にも目もくれず、ひたすら書院を目指して石段を登りました

141004_2_02

それにしても、どこまでもつづくこんぴらさんの石段は、のよう…
15分ほどの石段登りの末、書院に到着

141004_2_03

拝観料は、、と、、、2,000
5年前に表書院で「こんぴらさん-海の聖域 パリ凱旋帰国展」を観たときには、こんな高かったイメージはなかったよな…、と記録をひもとくと、500でした。
現在の「表書院一般公開」の拝観料は800になっていることを考慮しても、奥書院の特別公開が加わることで2,000とは高い…と、正直、思います。
「こんぴらさん-海の聖域 パリ凱旋帰国展」でも、伊藤若冲「花丸図」は、ガラス越しながら特別公開されていましたし…。

それでも、普段は非公開奥書院に立ち入ることができただけでも貴重な体験といえるでしょう。

141004_2_4

そして、実際に若冲描くところの花々で埋め尽くされた奥書院・上段の間は、思わず頬が緩みました

141004_2_5

お武家の書院ではこんな意匠はあり得ないでしょ
でも、この日の一番の収穫は、若冲の作品ではなく、こちら

141004_2_01

「菖蒲の間」長押(なげし)の上を群れ飛ぶの群れ
岸岱「群蝶図」です。

私、この作品を拝見するまで岸岱(がんたい)という絵師を存じ上げませんでした
金刀比羅宮のHPによれば、

その80年後の天保15年(1844)には、若冲の描いた障壁画も損傷がひどくなったため、上段の間の「花丸図」だけを残し、他の三室の絵は全て撤去し、その後、岸岱に新たな障壁画を描かせ、現在に至っています

だそうで、「柳の間」の障壁画もなかなかの作品でしたが、この「群蝶図」スゴイ

多分に若冲を意識したことが察せられる写実的かつ繊細一匹一匹の描き方や、「蝶」を題材に採り上げたこともさることながら、様々な色・形・大きさの蝶が、うねるように群れ飛ぶ「さま」は、躍動的装飾的で、それはもう「こんなの観たことない感嘆したのでありました。
できれば「お持ち帰りしたいところですが、さすがにねぇ~、日本間を一部屋お持ち帰りするのは無理でございまして…

冗談はさておき、今後、岸岱(がんたい)を意識しておきたいと思いました

はじめ、拝観料ビビったものの、結局は満足して石段を下り始めた私でございました。

141004_2_6

つづき:2014/10/05 登って下っての四国旅行記(その10・香川編⑨)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いつも赤信号な交差点 2014年3Q | トップ | 登って下っての四国旅行記(... »

コメントを投稿

旅行記」カテゴリの最新記事