新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

2ヶ月ぶりのトーハクはやはり楽しかった

2017-06-03 23:57:09 | 美術館・博物館・アート

好天に誘われて、久しぶりに東京国立博物館(トーハク)に行ってきました。
久しぶりとはいっても2ヶ月ぶりなんですが、これでも私にとっては「久しぶり」、それもで初めて拝見する作品がたっぷりあるのですから、さすがはトーハクです。

日差しキツい中(それでも、木陰に入るとちょうど良い気温)、トーハクくんとユリノキちゃんが、来館者サービスにを出していました。
これからの季節、着ぐるみは大変だよな…と思ったら、ユリノキちゃん「空調付き」でした。

「空調服」同様、ファン強制的に着ぐるみの中に外気を取り入れる仕組みなんですが、結構、ファンの音がする…

   

さて、今のトーハク、明日までの特別展「茶の湯」を除けば、目玉これでしょ

尾形光琳「風神雷神図屏風」です。
光琳「心の師匠」である俵屋宗達「風神雷神図屏風」をリメイクした作品と知られますが、黒雲を描くたらし込みよござんす

きょうはこれでおしまい にはならなくて、他にも興味深い作品や展示てんこ盛りでした。

まずは、江戸時代紙(+紐)製の作品、「早縄掛様雛形」

説明板によれば、

犯人逮捕に用いる早縄の掛け方の雛形。縄の長さは2尋半(約3.75m)で、罪名が定まるとその2倍の長さの本縄を使用し、縛られる者の身分、差別によって掛け方に違いがあった同心はこのような複雑な技術技巧の習熟につとめたという。

だそうで、同心同士が縄の掛け合いなんぞして練習したのでしょうか?

次は、きょう一番掘り出しモノ川瀬巴水(かわせ・はすい)「東京十二題」

この作品群は、大正中期に制作されたものなのですが、大正中期になっても、東京には江戸の風情が残っていたことが判る叙情豊か木版画です。
そんな史料性に加えて、とにかくきれい

いやぁ~イイなぁ~ と思っていたら、ミュージアムショップで、12枚の作品のポストカードが販売されていました。
しかも、お値段1,080円(税込)というお手軽価格
私は思わず購入してしまいました。

   

トーハクからほど近い湯島に、霊雲寺というお寺があるのだそうで(私はきょう初めて知りました)、このお寺のお宝を展示する、特集展示「幕府祈願所 霊雲寺の名宝」もまた、掘り出しモノでした。

昨夜、NHK「歴史秘話ヒストリア」徳川綱吉のお話を観たと思ったら、徳川綱吉直筆絵画ですよ

正直、「趣味」の域を出ていないとは思いますが、それでも、

 内大臣綱吉筆

という署名と、「綱吉」というシンプルな落款トキメキました。

そうそう、このコーナーでは、一部の作品(トーハクの所蔵作品)を除いて撮影禁止でした、写真はトーハクからいただいたリーフレットから転載しています。

 

 で、この特集展示で驚いたのは、両界曼荼羅図の見事さ でした。

曼荼羅図に限らず、仏画というジャンルは、美術館・博物館で拝見するものは、黒ずんでいて、何が書かれているか目を凝らさないとよく見えない作品が多いのですが、これほどクリアで、かつきらびやか両界曼荼羅図を拝見したのは初めてでした。

お薦めの展示なんですけれど、この特集展示は明日が最終日のようです。

特集展示が終わっても、霊雲寺に行けば拝見できるかもしれませんが、ご参考まで。

   

特別展「茶の湯」が開催されている平成館1階では、「親と子のギャラリー トーハクでバードウオッチング」が開催されています(これまた明日まで)。

今年の干支は酉(とり)です。そこで、日本の国鳥「キジ」に注目し、キジ科の鳥をテーマに作品を集めました。(中略)
今回、「キジとその仲間たち」「クジャク」、そしてキジ科の鳥がモデルだといわれる「鳳凰」の三つのコーナーをもうけました。

というもので、私が目を見張ったのはこちら屏風でした。

田中利七「刺繍孔雀図屏風(明治26年)という作品で、一見、普通の屏風絵かと思いますが、作品のタイトルにあるとおり、刺繍です
ほら

凄いですなぁ~。やはり明治初期~中期日本工芸のレベルはハンパありません

ここ展示の最後にあったのは、「さわってみよう」というこちら

何これ? ですよね。そして、観ただけでも、さわってみてもよく判らない

説明板によれば、

本館鬼瓦 鳳凰 昭和時代・20世紀
50年ほど前まで本館入口の屋根の上にのっていた鬼瓦です。今でも同じ形の鳳凰が屋根の上にのっていて、博物館を守ってくれています。

だそうな。
実際、帰りがてら、本館正面玄関の破風の鬼瓦を見ると、

確かに…

でも、トーハク本館1938年開館(80年前)ですから、「50年ほど前まで…」ということは、この鳳凰開館から30年ほどで交換されてしまったわけですがなぜ?
劣化しているようには見えないのですけれど…

ということで、初めて拝見する作品がたっぷりあったきょうのトーハクでした。

ミュージアムシアターのことも書きたかったのですが、そのお話はそのうちに書くかもしれません。 

【追記】諸事情により、ミュージアムシアターのことを書きます。

ここ数年、トーハクのミュージアムシアターでの上演作品は、全作品を欠かさずに鑑賞しておりまして、トーハクに行くたびに、何が上演されているのかを確認しているのですが(出かける前に確認することまではしない)、今、上演されているのは、

「VR熊本城 -清正が築いた不落の名城-」です。

熊本城を扱ったVR作品は、去年の7月「熊本城復興支援 特別上演 VR熊本城」を拝見しましたっけ…

このときは、くまモンも応援に駆けつけていました。

「熊本城復興支援 特別上演 VR熊本城」は、いつものミュージアムシアターの作品に比べると、時間は短いし、この企画(「売上げ」は全額「熊本城災害復旧支援金」寄付)のために急いで制作した感じがあって、もの足りなさがありましたから、「VR熊本城 -清正が築いた不落の名城-」には期待を持って鑑賞いたしました。ましてや私、「復興城主」ですし…

結論から書きますと、激しく満足しました

今回の地震の前、どころか、江戸時代中期(細川氏の時代)のが林立する往時の熊本城の姿をVRで堪能できました。(下の写真は6年前に熊本城で観たジオラマ

「熊本城は西南戦争で焼け落ちた」と、私の認識(西南戦争中、原因不明の出火により焼失)とはちょいと違う解説があったことは気になりましたが、いくつもの枡形門を通って天守に向かうこととか、天守からの眺めとか、VRならではの「体験」ができて、これはお薦め です

VR熊本城 -清正が築いた不落の名城-」の上演は7月30日までですから、もう一度観ようかな…

そうそう、トーハク入館料とは別500円かかります。

ちなみに、細川家お宝を保存・展示している永青文庫では、きょうまで「平成29年 春期展」として「熊本城 加藤清正と細川家」が開催されています。

永青文庫交通の便があまり良くないところが玉に瑕ですが、良い天気(そして暑すぎない)ですし、出かけてみましょうかねぇ (2017/06/04 08:11)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大阪でビバった旅行記 #2-6 | トップ | 6年ぶりの鹿児島旅行記 #1-1 »

コメントを投稿

美術館・博物館・アート」カテゴリの最新記事