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2023.12.30 『八ツ瀬』(221m)  地震崩壊地帯を行く

 昨年の最終山行日が30日だった。

その朝Hiromiを迎えに行き、

この前日に続いて、

雪の少ない厚真の山で活動することにした。

厚真町に向かって走って行くと、

千歳の丘から2023年の山行最終日にふさわしい、

朝日を目にしてモチベーションが上がった。

そして馬産地安平町の牧場では、

美しいサラブレッドの姿を眺めた。

 安平町早来守田地区から、

「知決辺川」に沿って伸びる林道に入った。

この川の河岸一帯は、

5年前に発生した「胆振東部地震」で、

右岸、左岸の山肌が広範囲にわたって崩壊し、

山肌から削り取られた樹木で埋め尽くされた。

それを下流部から片付けだし、

現在では林道入口に築かれた巨大砂防ダムから、

約4km奥まで整備された。

同時に流倒木の下敷きとなり、

原形をとどめなかったであろう林道も、

新たに付け替えられた。

 巨大砂防ダムから3kmほど走った地点に、

ちょうどよい駐車スペースがあった。

それを起点に「八ツ瀬」に向かってスタートした。

 「八ツ瀬」にはこれまでに二度登っているが、

いずれもこの南側の厚真町高丘地区から入っているので、

「知決辺川」沿いから取り付くルートは今回が初めてだった。

それで機会をうかがっていたのだが、

巨大砂防ダムから先は、

いまだに災害復旧工事が続けられているため、

立入禁止となっている。

しかしこの時は年末年始休業に入っており、

工事が完全に停止し、

人もいないのでチャンスととらえた。

 駐車地から「桜丘本線林道」を歩き出した。

この林道は前日「知決辺沢」(三等三角点)に登った際に利用した林道で、

ここに続いていたのかと納得できた。

これは私にとって大きな収穫だ。

 歩き始めて間もなく、

林道を離れて尾根に取り付いた。

笹原の尾根を登って行く。

笹の上に積もった雪で下半身が冷える。

 林の中で高度を上げて行くと、

右手に崩壊地が見えてきた。

胆振東部地震によるものだ。

そしてそれは次第にはっきりとしてくる。

ここも大規模崩壊があったのだ。

次々現れる沢地形が、

全て崩れ去っている。

沢形には流倒木が、

いまだに放置されているところもある。

しかしそんな景色は雄大でもある。

 雄大な風景を目に焼き付けて進み、

肝心の「八ツ瀬」に達したのだが、

三角点標石が見つからない。

このピークに立つのは3度目だと言うのに、

どうしても見つからない。

またあきらめて下山開始。

下山は登路の尾根の、

一本北側の尾根を下ることにした。

そして下っていると、

バーン! バーン!!バーン!!!

近くで銃声がした。

やべーっ!

身を隠すように銃声とは逆の斜面を、

トラバース気味に下る。

そして沢床へ。

それでようやく安心して下ることができた。

 沢地形を抜けて林道戻ると、

そこには地震による斜面の崩壊でできた、

流倒木の山がそのまま残されていた。

結局整備されたのは、

巨大砂防ダムから4km先までで、

その奥はいまだ地震崩壊そのままの光景が残っている、

と言うことをあらためて知らされた。

 駐車地に着いて一息入れ、

この後2023年の最終山行となる、

「仁達幌」(二等三角点)への登行を開始した。

 

 

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