行くぞ!グラベル

オフロードバイク&釣り好きのイケイケブログ

白黒ファインダー。

2007-11-01 23:47:37 | Weblog
昨日の記事で書いた通り、救助訓練の撮影に行ってきました。
ヘルメットと防塵マスクを付けたご覧の物々しさで救助現場へ突入です。
本当はゴーグルもしなくちゃいけないのですが…撮影できなくなっちゃうし…ね。


救助隊が隣の部屋へ行くために壁を壊す作業をしている場所は、
エンジンカッターの轟音と飛び交う無線の声、そして舞い上がる埃が
充満していました。
住民全員が退去しておよそ一ヶ月。
その部屋にはもちろん家財道具などは残されていませんが、
多くの救助隊員がいるためか何も無いくせに、やけに狭い。
そしてカメラのファインダーを通してみるその部屋の間取りは、
間違いなく私が育った部屋の間取りと同じものでした。

充満したエンジンカッターの排ガスが、容赦なく目と鼻に襲いかかる中、
救助隊は、一分一秒でも早く壁の向こう側にたどり着くために
必死で作業を行っています。
私は、今そこで行われている作業の様子を淡々とカメラに収めながらも、
はるか彼方にある昔の記憶を見ていたような気がします。
プロ用カメラの白黒ファインダーがそんな気持ちにさせたのでしょうか、
今回は、イカした映像があまり撮れませんでした。
いつの間にか、聞こえてくるのは防塵マスクからもれる
自分の息づかいだけになっていました。


この日の訓練が終わり次第、この建物はすぐに本格的な取壊し作業が
始まるそうです。
今の仕事のおかげで、
2度と入ることの無い場所へもう一度入る機会を得たことは幸せでした。


205号室の○○さん、土足で入っちゃってごめんなさい。


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取り壊されてゆくものは…

2007-11-01 00:22:37 | Weblog
明日は、大規模地震を想定した救助訓練の取材に行きます。

この訓練は、老朽化し、建替えるために取り壊すこととなった
団地の建物を使って救助訓練を行うというもので、
どうせ壊すものだからと、本番さながらに実施されるものです。

いったいどのように訓練が行われるかというと…
地震で倒壊した建物の壁の向こうに「要救助者」が居るという設定で
マジ壁壊しを行います。
救助用資機材をフルに導入して、ガチンコで壁や床を壊して向こう側にいる
要救助者(人形ですが)を救出、ドクターヘリを使って搬送するというものです。
やはり、本物の建物を使っての訓練は、そうそう行えるモノではなくて
今回も北摂の自治体から救助隊(レスキュー隊)が総出で訓練に参加します。

ちなみに私は、以前にも一度同じような現場で撮影を行ったことがあるのですが、
思わぬところに鉄筋が通っていて、予想以上に壁を壊すのに時間が掛かった…
とか、埃の凄さに作業が進まない…といった場面を目の当りにしたことが
あります。
そこには、本物の建物だからこその思わぬトラブルや難しさがあるのです。
参加するレスキューのみなさんにとっては、貴重な体験となるハズ。
私も明日は、壁の前でガチンコ撮影します。

写真は、本日、下見のために現場に入った時のものです。
奥にチラッと見えているのは、準備に来ていたレスキュー車両ですね。

いつもなら下見などしないのですが、
わざわざ出掛けて行ったのには、ちょっと訳がありました。
実は、この団地、私が二十歳を過ぎる頃まで住んでいた団地なのです。


久しぶりに訪れた団地は、すっかり景色が変わっていました。
この写真のすぐ隣には新しくマンションのような(公団ですが)建物が建てられ、
もう沢山の人が住んでいます。
何より驚いたのは、団地の中心を通る道路沿いにたくさんあった桜の木が
すっかり無くなってしまっていることでした。

昔の団地は建物と建物の間が広く、そこには沢山の木々が茂る広場や公園、
花壇などがたくさんあり、かなりスペースに余裕を持たせた造りでした。
しかし、今はその面影は無く、綺麗なタイルが敷き詰められた場所には、
今風の建物がひしめきあっていました。
道を挟んで片側は、壊す寸前の古い建物、もう片方は今風のお洒落な建物。
何とも言えない場所になっていました。


私が幼かった頃は、春になると満開の桜のトンネルができ、
夏になるとうるさいくらいの蝉が鳴いていたました。
ベランダの前の花壇では、ほったらかしのイチゴが雑草の中で
毎年小さな実を付けていました。
いつもダンボールをひいて滑っていた土手には、
バッタやヒメボタルがたくさん隠れていました。

あの場所はもうありません。


取り壊されていくのは、建物という形ある物だけではないんですね。
明日は、いろんなもの、しっかり見ておくことにします。



コメント (5)
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