ブダイのアクアパッツァ

6時半ごろ、

『今晩８時まわるんですけどいいですか？』

『１人か？』

『ええ』

『じゃあ、なんか作って待ってるわ』

『お願いします』

ということで、8時前にお店に到着です。

『ちょっと早かったな。ブダイが入ってきたことだし、自分がはじめて食べるものを作ろうと思ってな。オレ、イタリアンになっちゃったよ。』

『えっ！』

『アクアパッツァ作っちゃったよ』

『アクアパッツァ？』

『イタリア料理で魚やら貝やらをトマトと野菜で煮た鍋料理だ』

『へ～え』

『こういうのにはブダイが一番だな。なんと言っても身に味があるし噛みごたえもある。グジとか使ってもいいけど身が柔らかいので食べるときに面白くない。』

といいながら皿に移していきます。

『はいどうぞ、いっぱいあるけど、それぐらい全部食べられるだろ。今日はもうこれだけでいい。』

『・・・・・』



すごい量です。ブダイの切り身がごろごろ、蛤、ムール貝、パーナ貝、野菜はトマトはもちろんなんですのセミドライトマト、セロリー、エリンギ、ズッキーニーなど。あと、エシャロットのみじん切りとケッパーが見えますね。

『魚と貝は香ばしくするためにいったん焼いてある。野菜はガーリックとオリーブオイルで炒めてある。香草とケッパーが入ってるし、アンデスのセミドライトマトもコクを出すために入れてるよ。魚は焼いてから入れてるから臭みもないはずだ。』

ということでまずスープをいただきます。

複雑な酸味のある濃厚なスープです。トマトの酸味がベースなんでしょうけど、白ワイン、ケッパーなどの酸味もあわさっているのでしょう、こういうのがこのシェフの真骨頂です。またスープのコクもすごいものです。味付けは塩味に関してはむしろうす味でしょう、ボク好みで。フランスパンに浸して食べると最高ですね。



とりあえず皿に取り分けます。



どうですか、このブダイの断面。
皮が分厚いのですが焼いてあるので香ばしくいただけます。
うろこもきれいに落としてあります。
ブダイの身は相変わらずプリプリで濃厚な味です。これはうまい。



こちらが貝の部です。蛤のジュースがうまいんです。

『ああ、蛤だろ、もう終りだな。これはブダイを魚屋にとりに行った時に、4，5個もらうよって、貰ってきたんだぜ。』

『パーナ貝もうまいですねえ』

『もっとこういうのが知られてもいいなあ。身がしっかりしていてうまいんだけどねえ。臭みもないし、大ぶりだからこういうのに入れると映えるだろ』

野菜もうまい、スープもうまい、魚もうまい、貝もうまいで結局完食しました。



『しかしすごいですねえ。』

『何が。。。』

『これだけの量食っても途中で全然飽きませんでした。いろんな味わいがあるから』

『ごちそうさまでした』

レストランＰＥＰＥ
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