そうなのか

長い記事だが、大切だ。100万。


「米国疾病予防管理センター（CDC）は23日、国際社会が積極的かつ持続的な対策を即座に講じなければ、エボラ出血熱の感染者は今後4カ月で100万人以上に拡大しかねないという予測を発表した。

　CDCが公表した予測モデルによれば、8月と同じ感染率が続くと仮定した場合、西アフリカの複数の国家で2015年1月後半までに55万～140万人の大流行に発展するという。

　3月から猛威を振るうエボラウイルスは、世界保健機関（WHO）が把握しているだけで5843人に感染、2803人の命を奪っている。

　CDCのトム・フリーデン（Tom Frieden）所長は記者会見で、看過した場合の代償を世界に示すため、予測モデルの公表に踏み切ったと説明。「もう一刻の猶予もない。今後の一日一日が結果を左右する」。

　ただし、望みがないわけではないと、フリーデン氏は強調している。「今すぐ対策を講じれば、沈静化を期待できるだろう。最悪のシナリオが現実になることはないと私は確信している」。

　フリーデン氏によれば、予測モデルには3週間前のデータが使用されており、アメリカの兵士や医療従事者が現地スタッフの訓練や支援を開始した現在、状況は変わり始めているという。

　また、既にアフリカ各国の医療従事者が次々と招集され、患者の治療にあたっていると、フリーデン氏は述べている。

　最も患者数が多いギニアとシエラレオネ、リベリア、さらに高リスクの国々には、合わせて120人がCDCから派遣されており、アメリカ国防省の後方支援チームも続々と現地入りしている。

　バラク・オバマ米大統領の特別顧問とアメリカ国家安全保障会議のシニアディレクターを務めるゲイル・スミス（Gayle Smith）氏は記者会見で、「毎日のように新たな人材が投入されている」と説明。

　国際連合やキューバ、南アフリカ共和国、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、いくつかのアジア諸国も活動を強化中だ。ただし、スミス氏によれば十分とは言えず、米国は今後も他国への呼び掛けを続けると強調している。

「スピードと規模の両方が不可欠だ」。

◆独自の経緯で拡大

　フリーデン氏によれば、ギニアとシエラレオネ、リベリアはそれぞれ独自の経緯で感染が拡大しており、今後の予測も異なるという。

　リベリアでは8月末の時点で、専用の処置室が患者であふれ返り、外に列ができている状況だった。治療拠点を十分に確保できるまでの策として、使われていない学校や政府の建物を利用し、家族が病人を運び込むことができる臨時施設を政府軍が準備しているとフリーデン氏。患者1人に対し防護服着用の担当者を1人付け、食料や水、鎮痛薬も用意すると説明している。

　こうした基本的な治療で生存率が2倍に高まるという。

　シエラレオネも8月末の時点で処置室は満杯だったが、リベリアほどの混乱はなかったと、フリーデン氏は述べている。

　CDCのモデルによれば、8月末までにリベリアでは15～20日ごと、シエラレオネでは30～40日ごとに症例の報告が倍増。

　このモデルでは2種類の予測を提示している。既知の症例数に基づく場合と、実際の症例数は2.5倍に上るという仮説をベースにした数値だ。

　どちらの場合も、患者の隔離には感染拡大を抑制する効果がある。約70％の患者を隔離し、治療を施せば、流行は縮小に転じると予測されている。70％を下回った場合は逆に毎月、日ごとの症例数が3倍に拡大するという。

「効果的に隔離できない日が1日でもあれば、患者が命を落とし、感染者が増えるだけでなく、状況を好転に導き感染拡大を阻止することがはるかに難しくなる」とフリーデン氏は警告している。

　2種類の予測どちらでも、エボラ出血熱の流行はいずれ終息する。今回、ギニアに関する見通しは公表されていない。症例数の変動が大きく、同一モデルでは対応できなかったためだ。

　ギニアの最初の患者は、野生動物の肉を食べたと思われる2歳の男の子の可能性が高い。2013年12月の発症以降、既にウイルスを3度撃退している。ところが、フリーデン氏によれば、3カ国の国境が交わる地域の森を往来する人々によって繰り返しウイルスが持ち込まれているという。

「ギニアの状況は極めて不安定だ」とフリーデン氏は述べた上で、隣国のウイルスが抑制されるまで、ギニアも安全とは言えないと強調している。」



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