そうなのか。
最終回は、視聴率いいのか。
腐っても、鯛かもしれない。
「俳優にとって節目となる作品は確かに存在する。木村拓哉にとって、今回のドラマがそれに当たると振り返る時期がやがて来るのかもしれない。作家で五感生活研究所の山下柚実氏が指摘する。
* * *
ヒーロー「キムタク」から、役者「木村拓哉」へ。その脱皮ぶりが注目された『アイムホーム』(テレビ朝日系)。最終回視聴率は19.0%(関東地区)。瞬間最高は24.5%と、高い数字をマーク。平均視聴率も今年の民放連続ドラマ「トップ」の数字だとか。
今のところ、「暫定1位」。強烈なライバルが猛追しているからです。『天皇の料理番』(TBS系・日曜午後9時)が、回を重ねるごとに注目を集め数字を伸ばしているさなか。トップの座をどちらが掴むのかまだわからない。
ドラマ好きとしてはたまらない緊張感。とはいえ、大注目されながら幕を閉じた『アイムホーム』を次の「4つのポイント」から振り返ってみたい。
【1】発見・新しい木村拓哉の姿を見た
木村さんの演じた主人公は、記憶を失ったサラリーマン・家路久。いったい自分は何者なのか。家族に対してこれまでどう接してきたのか。眉間に皺を寄せ、愚かな過去の自分に思いを巡らせて悩む表情がいい。
父親役ではあったけれど、父一色というより、一人の等身大の人間としての苦悩が見え隠れしていた。40歳を超えてもいまだ「スカしたヒーロー」のキムタクに違和感を抱いてきた多くの一般視聴者にとって、役者・木村拓哉を素直に楽しむことができたドラマ。
【2】仕掛け・最後まで目が離せなかった謎めく物語構成
10本の鍵を1本ずつ使って謎を解いていく、という構成はスリリングだった。妻と息子の顔が仮面に見えるという設定も、奇妙なビジュアルが謎めいた雰囲気を漂わせ、効果を発揮。
優れた漫画の原作を上手に翻訳。ドラマオリジナルの脚本力、構成・演出力と、原作とがコラボレーションした成果。
【3】欠点・唐突な最終回、意表を突く失速
ドラマの最終回だけ、いきなり「キムタク」が画面を専有して面食らった視聴者も多いのでは。隣家で火事が起こり、妻を助けようと火の中へ勇敢に飛び込んでいくヒーロー。負傷して病院のベッドで横たわっている時、点滴の管をとっぱらって妻に会いに走り出すヒーロー。看護婦をなぎ倒し、制止を振り切って。
ありえない。このヒーローぶり、古色蒼然たる「キムタク」に戻ってしまっている。連続ドラマの結論として真面目に見てきた視聴者は? 置き去りにされたまま? それも最終回だけは「ファンサービスだから仕方ない」と……? 唐突な最終回は、意表を突く失速でした。【4】これから・木村拓哉の不安と期待
果たして、これから木村拓哉はどこへ向かうのか? 個人的な希望としては、ヒーロー役にかじりつくことなく、普通の市民、あるいは不器用な職人とか、人生を失敗する汚れ役まで、幅を広げて自在に演じてほしい。
とにかく、「カッコつける」あのそぶりさえ封印してしまえば、木村さんは味わい深い役者として、持てる力を存分に発揮できるのではと期待します。
今回の父親役も、「その色がついてしまうことを事務所が避けている」(東スポ2015.5.23)という説あり。家庭食の定番・カレーのコマーシャルも別タレントに交替したとか。しかし、ドラマ界における人的資源・ヒューマンリソースという視点から見れば、ヒーローという色がこびりついて抜けなくなってしまう方が悲劇ではないでしょうか?
実は、ドラマが始まるやいなや、熱狂的なファンの叫び声が聞こえてきたのです。
「迷ったり悩んだりするキムタクなんて、絶対に見たくない」
「ヒーローでこそのキムタク。挫折したサラリーマン役は似合わない」
一般視聴者である私は驚かされたのですが、しかし実はこうした声、「少数派」ではなかったということ。だからこそ、最終回はヒーローもので、というわけなのでしょう。木村さん個人のせいというよりも、どこまで行っても追いかけてくる宿命であり、周囲からの期待や要望に応えなければならない、アイドルの悲劇かもしれない。
キムタクと、役者・木村拓哉のせめぎ合い。いずれにせよ、『アイムホーム』は彼の「分岐点」と「可能性」を強く印象付けたドラマに違いありません。
」
テレビ朝日も、良かったことかもしれない。
神話が、消えると責任は、脚本、演出、テレビ局。
でも、見た人は、最終回ぐらい見るのかもしれない、ファンならば。
今に、必殺シリーズで、ゲストで、出る時代が、近いかもしれない。
いや、その前に、地上波のテレビの淘汰だろうな。
「最終回視聴率は19.0%(関東地区)。瞬間最高は24.5%」は、ドッターXより、好くない。
テレビ局も、新しい、ドラマの仕掛けが、必要かもしれない。
それは、新しい、俳優を使う。
信長のシェフのが、平均視聴率は、いいか、違うかもしれない、「アイムホーム」。
漫画も、ドラマかするテレビ局で、失敗するか、印税がはいるか。
いろいろな考えさせられるのは、テレビの淘汰かもしれない、俳優の淘汰かもしれない。
最終回は、視聴率いいのか。
腐っても、鯛かもしれない。
「俳優にとって節目となる作品は確かに存在する。木村拓哉にとって、今回のドラマがそれに当たると振り返る時期がやがて来るのかもしれない。作家で五感生活研究所の山下柚実氏が指摘する。
* * *
ヒーロー「キムタク」から、役者「木村拓哉」へ。その脱皮ぶりが注目された『アイムホーム』(テレビ朝日系)。最終回視聴率は19.0%(関東地区)。瞬間最高は24.5%と、高い数字をマーク。平均視聴率も今年の民放連続ドラマ「トップ」の数字だとか。
今のところ、「暫定1位」。強烈なライバルが猛追しているからです。『天皇の料理番』(TBS系・日曜午後9時)が、回を重ねるごとに注目を集め数字を伸ばしているさなか。トップの座をどちらが掴むのかまだわからない。
ドラマ好きとしてはたまらない緊張感。とはいえ、大注目されながら幕を閉じた『アイムホーム』を次の「4つのポイント」から振り返ってみたい。
【1】発見・新しい木村拓哉の姿を見た
木村さんの演じた主人公は、記憶を失ったサラリーマン・家路久。いったい自分は何者なのか。家族に対してこれまでどう接してきたのか。眉間に皺を寄せ、愚かな過去の自分に思いを巡らせて悩む表情がいい。
父親役ではあったけれど、父一色というより、一人の等身大の人間としての苦悩が見え隠れしていた。40歳を超えてもいまだ「スカしたヒーロー」のキムタクに違和感を抱いてきた多くの一般視聴者にとって、役者・木村拓哉を素直に楽しむことができたドラマ。
【2】仕掛け・最後まで目が離せなかった謎めく物語構成
10本の鍵を1本ずつ使って謎を解いていく、という構成はスリリングだった。妻と息子の顔が仮面に見えるという設定も、奇妙なビジュアルが謎めいた雰囲気を漂わせ、効果を発揮。
優れた漫画の原作を上手に翻訳。ドラマオリジナルの脚本力、構成・演出力と、原作とがコラボレーションした成果。
【3】欠点・唐突な最終回、意表を突く失速
ドラマの最終回だけ、いきなり「キムタク」が画面を専有して面食らった視聴者も多いのでは。隣家で火事が起こり、妻を助けようと火の中へ勇敢に飛び込んでいくヒーロー。負傷して病院のベッドで横たわっている時、点滴の管をとっぱらって妻に会いに走り出すヒーロー。看護婦をなぎ倒し、制止を振り切って。
ありえない。このヒーローぶり、古色蒼然たる「キムタク」に戻ってしまっている。連続ドラマの結論として真面目に見てきた視聴者は? 置き去りにされたまま? それも最終回だけは「ファンサービスだから仕方ない」と……? 唐突な最終回は、意表を突く失速でした。【4】これから・木村拓哉の不安と期待
果たして、これから木村拓哉はどこへ向かうのか? 個人的な希望としては、ヒーロー役にかじりつくことなく、普通の市民、あるいは不器用な職人とか、人生を失敗する汚れ役まで、幅を広げて自在に演じてほしい。
とにかく、「カッコつける」あのそぶりさえ封印してしまえば、木村さんは味わい深い役者として、持てる力を存分に発揮できるのではと期待します。
今回の父親役も、「その色がついてしまうことを事務所が避けている」(東スポ2015.5.23)という説あり。家庭食の定番・カレーのコマーシャルも別タレントに交替したとか。しかし、ドラマ界における人的資源・ヒューマンリソースという視点から見れば、ヒーローという色がこびりついて抜けなくなってしまう方が悲劇ではないでしょうか?
実は、ドラマが始まるやいなや、熱狂的なファンの叫び声が聞こえてきたのです。
「迷ったり悩んだりするキムタクなんて、絶対に見たくない」
「ヒーローでこそのキムタク。挫折したサラリーマン役は似合わない」
一般視聴者である私は驚かされたのですが、しかし実はこうした声、「少数派」ではなかったということ。だからこそ、最終回はヒーローもので、というわけなのでしょう。木村さん個人のせいというよりも、どこまで行っても追いかけてくる宿命であり、周囲からの期待や要望に応えなければならない、アイドルの悲劇かもしれない。
キムタクと、役者・木村拓哉のせめぎ合い。いずれにせよ、『アイムホーム』は彼の「分岐点」と「可能性」を強く印象付けたドラマに違いありません。
」
テレビ朝日も、良かったことかもしれない。
神話が、消えると責任は、脚本、演出、テレビ局。
でも、見た人は、最終回ぐらい見るのかもしれない、ファンならば。
今に、必殺シリーズで、ゲストで、出る時代が、近いかもしれない。
いや、その前に、地上波のテレビの淘汰だろうな。
「最終回視聴率は19.0%(関東地区)。瞬間最高は24.5%」は、ドッターXより、好くない。
テレビ局も、新しい、ドラマの仕掛けが、必要かもしれない。
それは、新しい、俳優を使う。
信長のシェフのが、平均視聴率は、いいか、違うかもしれない、「アイムホーム」。
漫画も、ドラマかするテレビ局で、失敗するか、印税がはいるか。
いろいろな考えさせられるのは、テレビの淘汰かもしれない、俳優の淘汰かもしれない。