某氏より「THE BIG ISSUE JAPAN」という雑誌をいただいた。
「ビッグイシュー」はホームレスだけが販売できるというもので、この雑誌を売ったお金でホームレスが自立することを目指している。
ピアース・ブロスナンのインタビューがあるなど、バラエティに富んだ内容だが、ひきこもりの特集には教えられた。
私はひきこもりというのは「甘えている」とか「怠けているだけだ」と思っていたが、それは全くの誤解だった。
私は人づきあいがだめで、ひきこもっていてもおかしくない人間なのに、そういう偏見の目で見てしまう。
ひきこもりはただ怠けているだけかのように見える。しかし実際は想像以上のがんばりを必要とするのがひきこもりだ。
元ひきこもりの人はこう語っている。
何をしようと思ってもできない。クラッチのない車に乗って、思いっきりアクセルを踏み込んでいるような状態
芹沢俊介さんと斎藤環さんへのインタビューも「ビッグイシュー」に載っている。
芹沢俊介さんは「自分らしさの傷つきを修復する期間である滞在期をしっかりくぐれば、自然に元気になるんです」と語り、精神科医がひきこもりを治療の対象としてとらえてきたことを批判する。
精神科医の斎藤環さんは「医師として、そのままずっとひきこもっていればいいアドバイスすることだけはできない」と言い、そして「ひきこもりはいずれ自力で抜け出せるもの、素晴らしい収穫をもたらすもの…という言説は非常に恣意的で、信用するに足りないものだと思います」と指摘する。
私には斎藤環さんのほうに説得力を感じた。
ひきこもりというのは、1年か2年ひきこもったら自然に外に出るというような甘いものではないらしい。
芹沢俊介さんという人、わかっていますよというふりをしながら、ピントがずれている気がする。