身も蓋もなく

メディアに触れた記録。他のブログは読まずに身も蓋もない感想を。(注)感想なのでネタバレありまくり。

バス男

2006-09-25 | 映画
まず、原題を大書しておきましょう。

NAPOLEON DYNAMITE
『ナポレオン・ダイナマイト』

です。

全編を通して、ぬるーい、澱んだ空気が漂っている。
ストーリーはといえば、特に何かが起きることはないのです。ただし、登場人物ひとりひとりの個人的視点に立てば、かなり大きな事件が起きている。おおざっぱに分類すればそれらは「新しい人間関係が始まる」という内容に集約できるのだけれども、これはけっこう日常の中ではヘビーな意味を持ちうる出来事ではありませんかね。

で、私個人としては、なかなか面白かった。
いちおうコメディとして分類されているようですが、げらげら笑うということはなく、ニヤニヤ、くすくすという感じでしょうか。淡々とした表現……といえば聞こえはよいが、むしろ滞留している感じがします。もうね、ナポレオンとペドロのツーショットなんて、この世の終わりかよっていうようなどんよりした空気で。決して美男美女は出てこなくて。私は好きだな。
それから、すでにこれを見ていた友人の感想を聞かなければ、おそらく手に取ることはなかったであろうことも付け加えておきます。的確な感想をありがとう。

邦題についてはさんざん批判されているようですので、いまさらなんか言うってのもそれこそ便乗っぽいですが、こういう安易な商法ってのは誰の利益も生まないよねぇ(バカ扱いされるDVD発売元が一番わりを食うと思うのだが)。
でも、偶然タイミングが合って『電車男』TV放送の日に借りて来ちゃったんですよ。レンタル屋のデータ上は『電車男』との関連性がついたように見えちゃうんだろうと思うと「鬱だし脳」。私はヘイリー・ダフ(舞台で見たので)が見てみたかっただけなんだよう。

バス男 (allcinema online)


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2 コメント

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Unknown (うらら)
2006-09-29 21:03:36
手話クラブ…ひぃーーー(笑)

ナポレオンがMAXで怒っても、全く怖くないあたりとか、ぬるさ、ボンヤリ感、トンガってなくて、エロも無く、平和で、とても秀逸な作品ですよ、これは。



ナポレオンと最終的にカポーになる女の子の喋り方、何か聴いてて凄いホワ~ンと気持ちよかったのは、私だけかなぁ…。



10月に入ったら『プロデューサーズ』を観る機会があると思います。

「あのへん」は、本日、〆た。
Unknown (アホカイナたけこ)
2006-09-29 22:57:18
「あのへん」乙でした。



アメリカ人もこういうものが作れるのだなあと、ちょっと感動しました。『アメリカン・スプレンダー』

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=319308

以来の感触。

この手のものを好むのは、純文学志向と言っていいのでしょうかね?



で、この映画を見てつい「ひとくちハッシュドポテト」(ナポレオンがペドロからもらうアレ)を買っちゃったよ! 原語では「tots」と言っていたので、うちではそう呼んでいる。

さらに食べ物ネタとしては、あのステーキをおやつのように食べているおじさん役の俳優は、実はベジタリアンらしい。