Perl初歩の初歩

プログラミング言語Perlの初心者のためのわかりやすい解説ブログ(を目指しています)

while 終わるまで何度でも

2009-06-10 15:32:50 | 命令を覚えよう

while (ホワイル) は、「~の間ずっと」という意味の英語です。

$x = 0;
$goukei = 0;
while ($goukei < 100) {
  $x++;
  $goukei += $x;
}
print $x;

上の例では、$goukei が 100未満の間ずっと { } の間を繰り返します。

まず、$x と $goukei を ともに 0 にしておきます。
次に、while の後ろの ( ) の部分の条件があてはまるかどうかを調べます。

$goukei は 0 で 100未満ですので条件があてはまるので、{ } の中に入ります。
$x++; は $x に 1 を足すという式。$x = $x + 1; を簡略化したもの。
$goukei += $x; は $goukei に $x を足した数を $goukei に入れるという式。$goukei = $goukei + $x; を簡略化したものです。

{ } の中を1回実行すると、$x は 1 になり、$goukei も 1 になります。

ここで、最初の条件のところに戻って、$goukei < 100 があてはまるかどうかを調べます。

$goukei は 1 で 100未満ですので条件があてはまるので、{ } の中に入ります。
$x++; で $x に 1 を足して 2 になります。
$goukei += $x; で $goukei に 2 を足して 3 になります。

ここで、最初の条件に戻って…

と繰り返すことになります。
この場合は、1 + 2 + 3 + … と足していって、100以上になるのは何を足した直後かがわかります。ちなみに答えは 14 です。

最後に $goukei が 105 となって、100未満ではなくなったときに、{ } の部分を無視して、先に進めるようになるわけです。


※ 注意してください!
while は うまくやらないと、いつまで経っても終わらないプログラムになってしまうという危険性があります。
条件がずっとあてはまっている場合、プログラムが終了しなくなり、いわゆる暴走している状態になるのです。

筆者も何度かやらかしてしまいました。

自分のWindowsパソコンでPerlが暴走してしまった場合には、あわてずに キーボードの [Ctrl] と [Shift] を押しながら [Esc] を押して「タスクマネージャー」を起動して、プロセスの中にある「perl.exe」を選択して、「プロセスの終了」ボタンをクリックすればOKです。

レンタルサーバーなどでは暴走させてはいけませんが、万が一の場合に備えて、多くのサーバーでは「30秒以上実行し続けているプログラムは強制的に終了させる」というような措置がとられているようです。


if / elsif / else もしも空を飛べたなら

2009-06-04 22:09:49 | 目次・はじめに

if は、「もし~だったら、…をする」というように、ある条件にあてはまったときにだけ実行するためのものです。

if ($hour < 12) { print '午前です'; }

基本形は、if ( 条件 ) { 条件があてはまったときの命令 } となります。
上の例では、$hour が 12未満だったときに、「午前です」と表示されます。

このとき、空白を詰めて書いたり、改行を入れて書いても構いません。

if($hour<12){print'午前です'}

if ($hour < 12) {
  print '午前中です';
}

できるだけ見やすく書くといいでしょう。

午前と表示するなら、ついでに午後も表示するようにしましょう。

if ($hour < 12) {
  print '午前です';
} else {
  print '午後です';
}

else は、必ず if とセットで使います。
if の条件にあてはまらなかったときに行うことを else の後の { } の間に書きます。
この場合は、$hour が 12未満のときには「午前です」、それ以外のときは「午後です」と表示されます。

ただ、上のプログラムには欠陥があるのがわかるでしょうか?

もし、$hour が -4 という数値だったらどうでしょうか?
あるいは、$hour が 125 とかいう大きな数値だったらどうでしょうか?

$hour が -4 のときは、12未満ですので「午前です」と、
$hour が 125 のときは、12未満ではないので「午後です」と表示されてしまいます。

そこで改良版はこうなります。

if ($hour >= 0 && $hour < 12) {
  print '午前です';
} elsif ($hour >= 12 && $hour < 24) {
  print '午後です';
} else {
  print '正しい時刻ではありません';
}

条件が複雑になり、途中に elsif が入りました。

elsif も if とセットで使い、if の条件にあてはまらなかった場合に、別の条件を用意して、それがあてはまれば直後の { } の中を実行します。

上の場合は、$hour が 0 以上 12 未満のときに、「午前です」と表示して、
$hour が 12 以上 24 未満のときに、「午後です」と表示して、
さらに、if の条件も elsif の条件にもあてはまらなかった場合に「正しい時刻ではありません」と表示します。

ここまでは大丈夫でしょうか? さらに複雑になります。

もし、$hour が 数値ではなくて文字だったらどうなるでしょうか?
仮に $hour = 'コロッケ' だったとすると、$hour >= 0 があてはまってしまいます。
「コロッケ」を無理やり数字とみなした場合、0 となるからです。

そこで、$hour が数字じゃなかった場合に備えて、さらに改良します。

$hour = 3;

if ($hour eq '' || $hour == 0 && $hour ne '0') {
  print '数字を入力してください';
} else {
  if ($hour >= 0 && $hour < 12) {
    print '午前です';
  } elsif ($hour >= 12 && $hour < 24) {
    print '午後です';
  } else {
    print '正しい時刻ではありません';
  }
}

大きく if と else で囲んで、その else の中に、さきほどまでの if が入っています。
このように、if や elsif else の中にさらに if elsif else を入れることもできます。
上の例では、まず $hour に何も入っていないか、$hour が 0 だけど $hour が '0' ではない時に「数字を入力してください」と表示され、それ以外のときに午前か午後かを調べています。

$hour eq '' は、$hour という変数に何も入っていなければ…、という条件です。
$hour == 0 は、$hour が文字のときか 0 のときにあてはまりますので、さらに、$hour ne '0' で 0 ではないとき、という条件を追加して、この2つで$hour が 文字であるとき、という条件になっています。

条件の中の || と && では && を優先しますので、$hour が空欄か、あるいは、文字のとき、という条件になります。

$hour = 3; の部分を $hour = 15; や $hour = -5; や $hour = 'コロッケ'; などいろいろ変えて、試してみましょう。


リサイクルの心がけ…サブルーチンの話

2009-06-01 15:07:37 | ルールを覚えよう

プログラムを作っていくと、何度も同じことをしなくてはならないことがあります。
プログラムのはじめのほうで出てきた一連のやりとりが、プログラムの中盤にも終盤にも出てきたりして、そのたびに同じコードをコピーした結果、あちこちに同じ一連のコードがあるという状況はけっして良くありません。もし、その部分を変更しなくてはいけなくなったときに、何か所も直さなくてはいけなくなりますから、のちのち不便になります。
そこで、サブルーチンの出番です。
これは、一連のコードをまとめておくプログラムの固まりです。

「起きる」
「シャワーを浴びる」
「朝ごはんを食べる」
「仕事する」
「昼ごはんを食べる」
「仕事する」
「夕ごはんを食べる」
「シャワーを浴びる」
「寝る」
(一日の終わり)

こんなプログラムがあったとき、「シャワーを浴びる」と「仕事をする」が2か所ずつあります。おなじものは一緒にしてしまおうというのがサブルーチンです。

「起きる」
→サブルーチンAへ
「朝ごはんを食べる」
→サブルーチンBへ
「昼ごはんを食べる」
→サブルーチンBへ
「夕ごはんを食べる」
→サブルーチンAへ
「寝る」
(一日の終わり)

サブルーチンA「シャワーを浴びる」
サブルーチンB「仕事する」

メインの流れとは別に、離れたところにまとめて置いておいて、メインのほうにはサブルーチンを見るようにと指示するわけです。

実際には次のようになります。

$x = 1;
$y = 2;
&tashizan;
$x = 3;
$y = 4;
&tashizan;
exit;

sub tashizan {
  print $x + $y;
}

まず、$x に 1、$y に 2 を入れます。
次にサブルーチン tashizan を実行します。
サブルーチン tashizan は $x と $y を足したものを表示します。
サブルーチンが終わったら前のところに戻ります。
今度は、$x に 3、$y に 4 を入れます。
そして、もう一度、サブルーチン tashizan を実行して、
exit でプログラムを終了させます。

サブルーチンは sub tashizan { } の部分です。
sub につづけて、お好みのサブルーチンの名前をつけます。
サブルーチン使うときには、&とサブルーチンの名前という形になります。


サブルーチンに何らかの値を渡したい場合があります。
たとえば、先程の例でいえば…

「起きる」
→サブルーチンAへ
→サブルーチンC(朝)へ
→サブルーチンBへ
→サブルーチンC(昼)へ
→サブルーチンBへ
→サブルーチンC(夕)へ
→サブルーチンAへ
「寝る」
(一日の終わり)

サブルーチンA「シャワーを浴びる」
サブルーチンB「仕事する」
サブルーチンC「ごはんを食べる」(時間帯)

このように「ごはんを食べる」でひとつにまとめて、メインのほうでは朝昼夕の時間帯だけを指定すると楽なわけです。

このような感じをプログラムにしてみると次のようになります。

$x = 2;
$y = 3;
$z = &kakezan($x, $y);
$z = &kakezan($z, $y);
print $z;
exit;

sub kakezan {
  my ($a, $b) = @_;
  my $c = $a * $b;
  return $c;
}

サブルーチン kakezan では、受け取った2つの数字をかけた答えを返します。

$x に 2、$y に 3 を入れ、kakezan に渡します。
戻ってきた答えが $z に入ります。
次に、$z と $y をもう一度 kakezan に渡し、その答えを $z に入れます。
結果は、2 * 3 * 3 ですから、18 になります。

&kakezan( ) と書き、( ) の中にサブルーチンに渡したいデータを、(複数ある場合は)カンマ区切りで入れます。

サブルーチンのほうでは、my ($a, $b) = @_; という書き方でデータを受け取って、return で返しています。
@_ という特殊な配列に、受け渡されたデータが入っています。
配列ですから、配列の1番目は $_[0] ですし、2番目は $_[1] と表現できます。
つまり、次のような書き方もできます。

my ($a, $b) = @_;

my $a = $_[0];
my $b = $_[1];

my $a = shift @_;
my $b = shift @_;

my $a = shift;
my $b = shift;

上の4種類はどれも同じです。
shift は、配列の先頭からデータを1つ取り出す命令です。
この時、特殊な配列 @_ は省略できるというルールがPerlにはあるので、単に shift で受け取れるわけです。
筆者もはじめて こういう使い方をする shift を見たときには「ナンデ?」って思いました。

$a、$b の前についている my は、この変数はこのサブルーチンの中でしか使いません、ということを主張しています。もし、このサブルーチン以外で $a や $b を使っていた場合、それは別の変数として扱うことになります。
したがって、わかりやすいように $a や $b としましたが、$a が $y で $b が $x であってもなにも問題は起こりません。my さえついていれば、サブルーチンの外と中とで同じ変数名が使え、別のものとして扱ってくれるわけです。

ちなみに、サブルーチンへ受け渡すデータ、サブルーチンで受け取るデータのことを、プログラム業界では、「引数(ひきすう)」と言います。
サブルーチンから返ってくるデータを「戻り値(もどりち)」と言います。

また、サブルーチンのことを、「ユーザー定義関数」と言ったり、単に「関数」と言う人もいます。