僕が以前から昨日までここに投稿またはコメントし続けてきた米の「イラン戦争」真の動機は正しかったようだ。19日の毎日新聞夕刊がこんな報道をしている。
まず米与党の上院外交委員長ルーガー氏のインタビュー談話。「(イランとアメリカとの)直接協議は有用だろう。イランは(核問題だけでなく)エネルギー情勢の構図の一部だ。この点も話し合う必要がある」。氏はこう述べて両国の対話を呼びかけたという。少なくとも核問題と並べて、エネルギー問題を両国で話し合う必要があると言明したというわけだ。一昨日の投稿で僕が述べたイランの差し迫った石油政策のこと、石油取引所開設に伴う通貨問題のことを述べているのは明白であろう。
記事には次のようなことも書いてあった。シュタインマイヤー独外相が、「米とイランはとにかく今、直接協議が必要だ。英国もこの直接協議提案を支持している」と米国家安全保障担当補佐官に伝えたと。ところがこれらの内外の提案に対して、米国務省報道官は「国際社会はイランが誠実さを見せるさまざまな機会を提供してきた」と語って、直接対話の意図がないことを明示したという。
結論を言おう。「原爆開発問題ならば国連安保理事会レベルで協議せねばならないが、イランが石油取引でドル一本建てをやめて売買当事者が希望する通貨にするということにアメリカが反対しているという問題ならば、とにかく両国だけで話し合うべきだ」と内外が説得しているというわけだ。対してアメリカ当局は、原爆開発問題でのあらゆる国際的努力をイランが突っぱねたのだから、もう両者で話し合う必要はないと直接協議を拒否しているというわけである。ここまで来たらもう、現局面はアメリカ大統領周辺の負けだろう。表面で語っている原爆開発問題が真の狙いではなくそれは嫌がらせの口実であって、実際は不法にも、イラン石油取引のドル一本建て廃止問題が本命ターゲットだと内外に見抜かれてしまったわけだから。
さて、アメリカはもうイラン戦争はできなくなりかかっているのではないか。僕はほっとしている。因みにこの記事は、末尾にアメリカのあるシンクタンク理事長の以下の談話を載せて終わっている。「公平で寛大な外交的申し出は事態がエスカレートした際に国際社会の支持を結集することを容易にする」と。逆に言えば以下のように語ったということになる。両国協議などやることを全部やらないで戦争をしたら、国際社会が支持しないよと。真っ当な助言と受け取ることができた。
それにしても、おなじ「石油取引ドル一本建ての廃止問題」に端を発したイラク戦争の教訓から学んだはずのしたたかなイランが直接協議でこう言ってのけたら、アメリカは一体どうするのだろうか。「原爆?はいはいそれについては何でも、どこでも、何時でも、何時まででも国内視察をしてください。ただし、石油取引のドル一本建て廃止は予定通り今年内に止めさせていただきます」と。そうなったらアメリカは戦争も起こし難くなり、戦争で脅してでもそれをこそ必死に止めさせようとした「本命」は実現してしまうということになるのだ。
果たして、ねばり強くやれば正義は勝ち、不法な横車は負けるということになるのであろうか。イラクの時は、色々なされたであろう戦争回避努力は失敗に終わったわけであるが、同じ原因で勃発寸前まできているこの戦争は、果たして回避されるのであろうか。人類が戦争回避の知恵を蓄積し、その心を育てていく歴史が、また一歩進むことを心から願いたいものだ。イランの人々の生活が現状のイラクのようになるのは、許し難いものがあるから。
なお、このような素晴らしく、かつ大切な記事を取材、掲載してくださった毎日新聞には心を込めて感謝したい。と述べたからと言って、僕は毎日新聞に、1読者という以外には何の関わりもない者ではある。念のために。
まず米与党の上院外交委員長ルーガー氏のインタビュー談話。「(イランとアメリカとの)直接協議は有用だろう。イランは(核問題だけでなく)エネルギー情勢の構図の一部だ。この点も話し合う必要がある」。氏はこう述べて両国の対話を呼びかけたという。少なくとも核問題と並べて、エネルギー問題を両国で話し合う必要があると言明したというわけだ。一昨日の投稿で僕が述べたイランの差し迫った石油政策のこと、石油取引所開設に伴う通貨問題のことを述べているのは明白であろう。
記事には次のようなことも書いてあった。シュタインマイヤー独外相が、「米とイランはとにかく今、直接協議が必要だ。英国もこの直接協議提案を支持している」と米国家安全保障担当補佐官に伝えたと。ところがこれらの内外の提案に対して、米国務省報道官は「国際社会はイランが誠実さを見せるさまざまな機会を提供してきた」と語って、直接対話の意図がないことを明示したという。
結論を言おう。「原爆開発問題ならば国連安保理事会レベルで協議せねばならないが、イランが石油取引でドル一本建てをやめて売買当事者が希望する通貨にするということにアメリカが反対しているという問題ならば、とにかく両国だけで話し合うべきだ」と内外が説得しているというわけだ。対してアメリカ当局は、原爆開発問題でのあらゆる国際的努力をイランが突っぱねたのだから、もう両者で話し合う必要はないと直接協議を拒否しているというわけである。ここまで来たらもう、現局面はアメリカ大統領周辺の負けだろう。表面で語っている原爆開発問題が真の狙いではなくそれは嫌がらせの口実であって、実際は不法にも、イラン石油取引のドル一本建て廃止問題が本命ターゲットだと内外に見抜かれてしまったわけだから。
さて、アメリカはもうイラン戦争はできなくなりかかっているのではないか。僕はほっとしている。因みにこの記事は、末尾にアメリカのあるシンクタンク理事長の以下の談話を載せて終わっている。「公平で寛大な外交的申し出は事態がエスカレートした際に国際社会の支持を結集することを容易にする」と。逆に言えば以下のように語ったということになる。両国協議などやることを全部やらないで戦争をしたら、国際社会が支持しないよと。真っ当な助言と受け取ることができた。
それにしても、おなじ「石油取引ドル一本建ての廃止問題」に端を発したイラク戦争の教訓から学んだはずのしたたかなイランが直接協議でこう言ってのけたら、アメリカは一体どうするのだろうか。「原爆?はいはいそれについては何でも、どこでも、何時でも、何時まででも国内視察をしてください。ただし、石油取引のドル一本建て廃止は予定通り今年内に止めさせていただきます」と。そうなったらアメリカは戦争も起こし難くなり、戦争で脅してでもそれをこそ必死に止めさせようとした「本命」は実現してしまうということになるのだ。
果たして、ねばり強くやれば正義は勝ち、不法な横車は負けるということになるのであろうか。イラクの時は、色々なされたであろう戦争回避努力は失敗に終わったわけであるが、同じ原因で勃発寸前まできているこの戦争は、果たして回避されるのであろうか。人類が戦争回避の知恵を蓄積し、その心を育てていく歴史が、また一歩進むことを心から願いたいものだ。イランの人々の生活が現状のイラクのようになるのは、許し難いものがあるから。
なお、このような素晴らしく、かつ大切な記事を取材、掲載してくださった毎日新聞には心を込めて感謝したい。と述べたからと言って、僕は毎日新聞に、1読者という以外には何の関わりもない者ではある。念のために。
ただ戦争はそんなに切羽つまっては
いなんじゃないでしょうか?
アメリカの恫喝外交の最初の一歩であり、
アメリカのテレビニュースなどはそういう
視点で報道しています。
ちょっと気になる言葉に「国際社会」があります。
実態があるようでないようで、
先進資本主義国全体のことだったり、
あるグループのことだったり、
その文脈によって恣意的に使われているようにも。
判断を誘導する要注意の言葉のひとつですよね。
戦争のことはせっぱ詰まったように書くべきと思っています。特に、その動機がアメリカ・バブル弾けという全世界の最大地震震源地のようなものであるならば。関連地震、予震は今後も絶えないわけですから、ここで見る目を養って将来にも備えようというような積もりでもあります。世界はイラクに対して手遅れになって、直前に世界累計1000万人のデモをしても止められなくて、現惨状があるわけですし。結果的には、嘘の理由で始まったと判明している。なおこの続きは、本日の保守系さんへのコメントをご参照下さい。今回はちょっと「グローバルにだけ」、書きました。
「国際社会」は僕自身の文中には存在せず、二人の実名者の具体的なことばの中のものとして出てきたはずで、あとはそれの僕によるナゾリです。一人はマコーマック国務省報道官、今一人はシンクタンク「外交問題評議会」のリチャ-ド・ハース理事長。従ってここの意味は極めて限定されたものとなりましょう。前者はイラン原発を話し合ってきた国々、人々、安保理事会などを指すのでしょうね。後者はそれこそ、イラク戦争直前の1000万人デモのあの人々、国々。
あと表題の「米内外」は注意して読み、書きましたが総て実名です。見られるように、みんな核国家の代表のような方々ばかりでした。
「記事の読み方」は、このブログへの良い投稿などがありましたし、ちょっと注意しているつもりです。
多少、自分の主張と異なる新聞でもとっていないといけないのでは、それに今は、インターネットでやれる筈ですが・・。では。
だから僕の記事は連載的になる。今日の記事は自信があります。イラン「戦争」ウォッチャーをし続けて、やっとここまで来たという感じです。
しかし 一紙を読んでいても、真実に近づく事はかなり出来るのでは無いでしょうか。
その事件の続報や解説記事を定点観測のように丹念に読むことによって事件の全体像や意味を読み取る事が出来るように思います。 特に外交・戦争報道などでは通信社の小さなベタ記事を追いかけて行く事でも霧の中に山が見え森の姿がみえ始めると言います。
今のイラク戦争の記事も丹念にスクラップしていけば、その行き先ゃ各国の思惑が透けて見えてきそうです。
一見良く似た客観報道の中にも記者や新聞社は主張したい何かのメッセージを送っているようです。
でも その根気がねえ。
私は新聞も雑誌も読まないので「石油取引ドル一本建ての廃止問題」はここで初めて知ったのですが、テレビニュース(NHKのみ)では全く話題に上がらないので驚きました。
確かに、イランの未熟な核技術を対象に騒ぎ立てるアメリカとイラク民衆の姿には違和感を感じております。
イランが素直に国連核査察団を受け入れはそれで済む話のように見えるからです。
もともとイラクも普通にオープンをしていれば大量破壊兵器の疑惑を受けることなく現在の混迷を招くこともなかったでしょう。
つまり、いか様にもアメリカを出し抜ける方法があるにも関わらず、ここまで問題がこじれたのはなぜなのでしょうか。
少なくとも「石油取引ドル一本建ての廃止問題」だけでは無い様に思えます。
貴コメントをお読みして、一言お願いしようと思い立ちました。以下の拙稿を是非お読み願えないでしょうか。「ドル一本建て廃止問題」が「世界の焦点」と僕が見てウオッチを続けてきているその訳、そういう「総合判断」を述べさせて頂いたものです。
18日投稿「米イラン戦争の動機に関わって」に付いているコメントの4月20日分「当面のこと全体についてのお返事」がそれです。
そこでは、僕が見る現在の世界経済情勢のごく簡単なまとめ(箇条書き)を行い、ドルに関わる焦点的問題性をまとめたつもりです。まー僕のこういう「総合判断」の構図ということ。「総合判断」そのものの重要性は今書いているこの文章の三つ上の、「保守系さん」の中で述べました。これも合わせてご一読願えれば、幸せです。
初対面?の方に図々しいことで、失礼しました。
拙稿、コメントへの側面援助を有り難うございました。過不足なく、満遍なく、しかも短く語り、その上大事なことはきちんと主張されている。見事な一文と拝読いたしました。中でも、これはメッセージまであって、凄い。
「一見良く似た客観報道の中にも記者や新聞社は主張したい何かのメッセージを送っているようです」
「世間知らず様」とは仮の名、新聞社の方、それも僕がウオッチ、転載の連載を続けている毎日新聞社の方と見ましたがどうでしょうか。一人勝手にそう思いこんで、楽しみにしています。
やっぱり毎日新聞の方ですね。僕の「総合判断」です。と勝手に決めたら別にお伝えしたいこともありますのでと、追伸です。
新聞社の名前をぱっと四つ書き、「通信社の小さなベタ記事」、「定点観測」などとすっと口にされた上での、あの最後の「メッセージ」。僕は毎日新聞のイラン戦争記事で「定点観測」をしてここに紹介してきたし、その紹介がこの2回の投稿で頂点に達した。そして何よりも今回の投稿では、毎日新聞に過去最高のお礼の言葉を心から書かせて頂いた。そこに実にタイミング良く、このコメントです。こんな僕を逆に定点観測をする人、今回が過去最高の賛辞だと分かる人は、毎日新聞の方以外にはないではありませんか。これはもう僕への「応答」と言うしかない。こういう「総合判断」。
さて、僕はもう勝手にそうと決め込んで、改めて。
そう、確かに僕は「霧の中に山が見え、森の姿が見え」ました。嬉しかったです。また、同じ仮説、意図を持ってイラン追究をされておられる方がいることを知って、なにか同志のような連帯感を覚えますよ。またさらに、嬉しいものがありました。今もこれからも僕は「根気」溢れた定点観測を続けますので、そちらも「その根気がねぇ」と言われず、お願いいたします。
僕は定年後教師について取り組み直し始めたクラッシックギターを一日4~5時間も弾いていたのですが、その時間がこのブログを始めてから、2時間ほどに減っちまいました。新聞も本も読まなくちゃなりませんし。でもこういう全体が実に面白い。こんな僕が頑張って!などというのは何か悪いような気がしますが、これからも良い記事をお願いいたします。
石油の中東以外にも日本としてはこれから東アジアが焦点になるようですが、南米も是非お願いしたい。アメリカが害しすぎて、そっぽを向いた国々。チリのようにNAFTA加盟交渉のテーブルについても一向に進展しない国もある。チリがアメリカのやったことを忘れられる訳はない。まだ北米協定だけ!!アメリカには利益が少ないのでしょうが。ブラジル、アルゼンチンはどうなっているのでしょう?よろしく。