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ハリルジャパン(135)ワールドカップ奮戦記⑤  文科系

2017年11月18日 | スポーツ
 このシリーズ第5回目は、直近のブラジル大会の2回目です。僕としては、この大会の代表がここまで5回の中で最も強かったと見ています。それが、名監督と選手一部の間とで、攻撃法の方向性について最後まで意見不一致があって、監督戦略によるチーム熟成が十分には行かなかった、とも。岡崎、香川、長谷部に遠藤、本田と揃った世界的攻撃陣に対して、守備が弱いからこそザックが考え抜いた方針が、攻撃陣の一部によって軽視された部分が生じていたと僕は観てきました。後に発表された「通訳の日記」などから分かった所では、こんなことが判明しています。
 攻撃陣数人がこう主張し続けていた。「もっと人数を掛けて、中央突破も含めて繋ぎあって。そのために、時にはサイドバック二人の同時上がりも認めて欲しい」と。これに対して、ザックは「同時上がりは認めない。『ボール繋ぎ・中央突破』も、ボールを盗られて厳しい逆襲を喰らいやすいから、難しい。サイド攻撃中心で、縦に早く」と懸命に語り続けてきたと。これは丁度、南ア大会の俊輔らと岡田監督の違いのようなもの。この時は、最後の監督決断で守備的な闘い方に行き着いたのでした。 


【 ザックジャパン(168)全体的総括2 文科系  2014年06月26日

 これだけの激流と結末を簡単に総括など出来るわけもないものだが、その1に書いたことの続きとして、若干の資料をあげておく。この間に書いた三つのコメントを列記することにした。

『 皆さんへ   (文科系)2014-06-26 13:23:03
 この論議は非常に難しいものと考えています。23日に書いた随筆「世界サッカーに異変」をも合わせてお読み下さい。
 なお、ザックのことですが、今の正直な気持ちを吐露しています。「驚いている。なんでこうなったのかまだ分からない」と。責任は感じていると第一に語った上でこう言っているのであって、彼らしい率直さ、温厚さと思います。事態はジーコの時とうり二つ。彼も人格者でしたが、やはり日本人が分からなくて、すれ違ったのだと反省していたはずです。ジーコについては、彼の戦術に最も忠実であったヒデが「人格者である」と尊敬しているところ。負けたからという理由でこういう人間を貶めることはないと思います。ドイツ大会敗戦直後あれだけ悲嘆に暮れていたヒデが、ジーコと今でも友達であることを僕は好ましく思っています。
 ザックの呆然、特にこのことの今後を見つめていきたいとも。「練習ゲームでは選手らは言いつけを必ずしも守らずかなり自由にやってきたのに、本番では私の言葉にがんじがらめって、どうして?」』

『 ザック   (文科系)2014-06-26 13:55:15
 ザックは選手、スタッフを一言も批判しないどころか、もう一度やれと言われても同じメンバーでやると語った。そんな監督を、長谷部と長友などは溜まらなく好きらしい。長友は「勝たせてあげたかった」と泣きだしたほどだ。長谷部は、多分正式なものだが、こんな談話を出している。こういう監督について、釜本などが例によってトロイ発言を連発している光景は面白い! 以下は、長谷部の言葉。

「結果が出なかった時に監督や選手が批判される事は当然の事と思います。しかし、四年前に言葉も文化も全く異なる国に来て、日本という国・日本人の心を理解しようと最大限努力し、その心や文化を尊重し日本を愛してくれた素晴らしい人間性をもった方であった事は、日本人として忘れないでいて欲しいです」
 主将としてザック監督とは何度も会話を交わし、その人間性も理解してきた長谷部だからこそ、自然とそんな言葉も出てくるのだろう。』

『 本田の反省   (文科系)2014-06-26 16:08:16
 ゲキサカからの記事だが、一夜明けて本田がこう語ったとのこと。正式会見みたいだが。
「(昨夜は)いろんなことを考えた。やはり一番考えて辛かったのは、4年間正しいと思って貫いてきたことを、結果として否定せざるを得なくなったこと」
 今まで見せたことのなかった弱気な表情があった。ブラジルでの3試合で示された現実はそれほどに重く、痛みを伴うものだった。だからこそ、素直に受け入れられる。
「負けて、内容でも自分たちの納得のいく試合ができなかった以上は、時間をかけて自分自身の物差しづくりを一からやり直さないといけない。オランダ時代に一度だけ今回と似たような状況があったけど、そのとき以上の精神的改革、目標の改革、物差しの改革が必要になるのではないか」』

 以下、この言葉への僕の若干の思いを書いてみる。全く彼を批判するというのではなくって。
 まず、このチームは自分のチームだというように振る舞えていたのだということだけははっきりと分かる。それが攻撃的パスサッカーへの拘りであることも、言外に分かる。これを結果的にどこか反省して、次の代表基準を作り直そうと言うのだが、それがどういうものかはまだ分からないと、こういう事だろう。僕もこの結末は是非全面的に総括しておきたい。今後協会の総括文などに注目していく積もりだ。』】
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縦に速い攻撃の元祖 (文科系)
2017-11-18 19:22:21
 近年の「組織的な上手い潰しから、縦に速い得点狙いへ」という典型が、ドイツのドルトムント。弱小だったここが、瞬く間にチャンピオンズリーグ決勝戦まで駆け上がって、併せてドイツの時代を築いたのがゲーゲンプレス(得点法)。なんせ、このチームから世界有数クラブが、次々とエースを引き抜いた。シャヒンをレアルが、香川をマンUが、ゲッツェをバイエルンが。しかし、ドルトの選手は、チームのやり方をそれらしく変えないと上手く遣えないのだ。上の3人とも、結局各チームは使い切れなかった。そう言うドルトの淵源を辿れば、こんなチーム、監督がいる。
 旧稿コメントを再掲する。

『アリゴ・サッキがドルトムントに注目! (文科系)2013-09-25 02:00:36
 すぐ上のコメントに適切な傍証があった。今の世界サッカー戦術を築き上げた二人の世界史的名監督のうちの一人、アリゴ・サッキが最新号ナンバーで「今、ドルトムントにこそ注目」と述べているのだ。最新の戦術論としてのことで、非常に聞くべき意見と思った次第である。以下は、別コメントに掲げた内容だが、ここにもそのまま載せておく。

【 2013-09-24 11:59:49
 最新号のナンバーにアリゴ・サッキのザック評が載っているというので、「店頭読み」してきた。サッカープレイ自身は素人ながらクライフのトータルサッカーを研究し尽くし、これを引き継いで、今のバルサやドルトの原型システムを作りあげた歴史的名監督だ。まだ67歳。彼のコンフェデ日本評など、色々面白いことが目に着いた。それらを、まとめてみよう。
①ザックは名監督である。が、選手が彼に従っていない。5のウチ3言うことを聞くだけでは、あの守備は成功しない。私がミランでヨーロッパ2連覇などをできたのは、全員が一糸乱れず従ってくれたという質のよい選手がそろっていたからだ。あーいう守備のあーいう押し上げは、全部従わねばだめなのである。イタリアでは初歩の守備練習を代表に対して今も続けているらしいしね・・・・・。
②目に着いた日本選手は前田遼一だ。あのシステムをあれほど理解した上で地味な陰のプレーも含めて忠実にやっている選手があの日本チームのなかにいるとは、驚いた。
③今の世界最先端潮流はドイツである。他よりも2歩も3歩も先を行っている。日本人がドイツに多いのだから、あそこからもっと学べるはずだ。世界最先端監督はこうしてクルップと、もう一人ユベントスのコンテだろう。

 流石サッキというわけで、このナンバーは僕がよく買う監督特集でありながら、買ってこなかった。クロップが出ていないし、コンテの扱いも小さすぎるから。店頭で読んだだけ。ナンバー編集部も馬鹿だねー! こんな下手打って! 】

 現代サッカー戦術のルーツは、オランダのクライフ。そのトータルサッカー。サッキは、これを研究して、一時代を築き上げた。ACミランのCL2連覇がその象徴。彼のサッカー史への貢献・DFラインを上げたプレス戦術は結局こういうものだろう。
 サッカーの守備とは結局敵ボールを奪うことであって、これが超優勢ならばポゼションで絶対的に有利になる、と。同じくクライフの系統であるバルサも、ポゼッション重視であることに注目である。
 さて、そのサッキが今、上のように述べているのだ。ドイツとドルトムントが世界サッカー史に対していかに重要な事を成しつつあるかという証左だろう。』

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