香川真司がイングランド・マンチェスター・ユナイテッドにおけるその初出場を、開幕戦先発フル出場で、しかも本人の希望してやまなかったトップ下を終始務めるという形で成し遂げた。そのため、このチーム通常の陣形「4-4-2」を「4-5(2-3)-1」に変え、わざわざトップ下ポストを設けることまでが敢行された。最初のメンバー交代が左MFに代えてファンペルシーを入れたのだが、そこにワントップ選手ウエイン・ルーニーを下げてきて、そのトップにファンペルシー投入ということだった。こういう選手交代の全てがまた香川を中心に回されたゲームだったと言ってよい。イングランドリーグを代表する2人の攻撃型選手が香川の脇役になったわけだ。これは、間違いなく世界が毎日見張っている5大フットボールクラブに入るチームでの出来事だったから、世界のビッグニュースになった。
日本フットボール史で辛うじてこれに匹敵するのは中田英寿のローマ優勝だろうが、これよりもはるかに大きなニュースであることは間違いない。野球史上ではヤンキース新4番・松井とかがあるが、フットボールと比べた場合には野球の世界的注目度は問題にならないほど小さい。ヨーロッパや南米、アフリカでも香川のことは大問題になっただろうが、ヤンキース新4番などはそれらの国々ではニュースにすらならなかったはずだ。世界の競技人口もチーム数も、フットボールは野球の10倍では到底済まないと思う。
表題『日本スポーツ史上最大の偉業』についてはいろんな見方もあろうが、僕がこう題した理由は以上の通りである。ただしこの表題は、今この瞬間に於いてだけのこと。これが真に歴史的出来事だったと後世振り返られるか否かは、香川真司の今後数ヶ月のプレーにかかっている。
さて、今年71歳にして、このチーム26年目の大監督ファーガソンはこうして、己の晩年最後のチーム再編成を香川真司に賭けたようだ。僕にはそう見える。この開幕戦と、ここまでの練習マッチなどを振り返っても、そうとしか思えない。ここまで香川中心できて外れたら今年は取り返しが付かなくなる可能性もあるからだ。それとも、この大改造が当たって、マンチェスターユナイテッドが08年のようにもう一度世界最強の名を馳せることになるのだろうか。ファーガソンは間違いなくそれを狙っているのだろう。マンチェスターユナイテッドのスタイルを時代に合わせて変えようとしているのだと思う。
スペイン人がイングランドに来ると、おおむね大活躍できている。イングランドのパスサッカーが下手だということだろう。去年のイングランド優勝監督はイタリア人だが、彼らはイングランドをこう評する。フィジカルやスピードは豊だが、戦術やポジション取りがまだまだだと。香川真司がこういうイングランド、チームの弱点を変えてくれる選手だと、ファーガソンは見たのである。なんせ同じような弱点を抱えていたドイツを世界第2位の国へと激変させたのが、香川がこの2年間輝き続けたドルトムントなのだから。ドルトムントは、これも世界5大チームに入るかという老舗・バイエルンミュンヘンを押しのけてドイツ2連覇を遂げた最新型・最新鋭チームなのである。全員攻撃全員守備のパスサッカーから、スピードに乗った集団が流れるようにして得点していくチームだ。
結論。名将ファギーは、最晩年にして最後のチーム大改造を目指して、香川真司と心中する覚悟なのではないか。あの大ファギーが香川にこれほどに惚れ抜いたって、途方もないことだと、サッカーファンならだれでも思うだろう。
【 ゲーム結果は確かに0対1の負け。開幕戦でもあるし、残念無念。でも、相手のホームとか、相手のあの得点! フィライニって195センチもあって、足技も凄く上手いのに、僕はびっくりでしたね。彼のヘッド得点なのですが、規格外の高さをコーナーキックに合わせたもの。あーいうセットプレー得点は、大事なゲームでもままあるでしょう。とにかく今年のエバートンはボールキープも含めて強いですよ!フェライニだけではなく、モイーズ監督の腕の良さを感じましたね。
他方、香川です。ルーニー、ファンペルシーとワントップが代わったいずれでも、希望したトップ下でプレーしました。あわやゴールというアシストも3~4回ほど。このアシストに対して、主にシュートを失敗したのはウェルベック。彼は確か後半早々に、最初に替えられましたね。交代したのはファンペルシー。ファギーのこんな声が聞こえてくる感じでした。
『ウェルベックが、あのどっちかは決めてやらなきゃ、シンジが可哀想だ!』
他に替えられたのは、入れ込みすぎていた感じのナニ。そんなこともあっての香川先発(トップ下)フル出場なんです。ゴール前にも下りてきてパスを繋いだり、ルーニーとのパス交換は本当に多く、トリッキーなものも観られました。香川のこのトリッキーさに他選手が合わせられれば、ゴール直結性が高まるはずとも見えました。二つの大新聞がマンUベストプレーヤーに上げていたようですが、それも当然のことと思います。
以上、僕は記憶力が衰えているのでいつもメモを取って観戦しますが、その要約のようなもんです】
相変わらず、見事な空回りっぷりで。
僕もそう言いたいですね。
このチーム、開幕前にアフリカ、中国、北欧などで練習マッチをやっています。確か6ゲームすべてに、半分以上先発を含めて香川は出ました。どこの国でももう大騒ぎだったですよ。
日本のスポーツマスコミ、民放は、読売を中心として野球が握っていますから、サッカーにはセーブがかかる部分もあります。商売敵と見ている点がある。
その結果、水平な視線が弱いのかも。
日本のマスコミは今や、評判だけで視聴率ばかり。人間としての崇高な理念が何もないように見える。こういうのを正に、人間疎外というのだと思います。諫言すれば、「社内基準だけ」で、「人間社会をウチの基準でしか観られない」。日本人は、集団主義が過ぎて、ますますそうなっているのだから。それが実は、「日本的グローバリズム」の大元と、僕は観ているんです。誰も、最も身近な人々に評価されたいって、そういうこと。かく言う僕も人とはちょと違うが、不覚にもそうだった。
しかし、文科系さんがここにそれをお書きになることに対してはクレームをつけようとは思いません。
翻って、上のやり取りですが、「だいこん」さんがおっしゃるのはオリンピック、高校野球(ほとんどプロ化していると思うのですが、この際それはスルーします)など、アナウンサーが絶叫し、それに乗せられ気味なのをいちど棚上げして見ませんかという世情一般への注意喚起であって、別に文科系さんへの直接的は批判ではないし、またそれを「貶めるもの」では決してないと思います。
したがって、文科系さんがオリンピックや高校野球には触れてはおらず、それらと「カンドウ」を共にするものではないことを主張されるのはそれはそれでいいのですが、やはり、「だいこん」さんを「バッカじゃないか。」と決め付けるのは言いすぎだと思います。
念の為に、「だいこん」さんの過去のコメントをチェックしてみましたが、言い逃げ専門のUnknown君とは違って、ちゃんと責任を持った発言をしていらっしゃいますし、それらの見解は文科系さんと対立しているようには見受けられません。
ロックこそ現代の音楽だという人がいる反面、あんなものはただの騒音だという人がいるように、人々の趣味は多様であると思います。
したがって、ご自分の得意分野に幾分逸れたコメントがあったからといって、「バッカじゃないか。」は勇み足のような気がします。
もし、私の言い分をご理解いただけるようでしたら、「バッカじゃないか。」については撤回されることが望ましいと思います。
日本で言えば、オリンピックは「電通」。サッカーは「博報堂」が請け負っているそうですが、そうした代理店(スポンサー)のつかないスポーツ、例えば最近では女子野球世界大会で優勝した日本チームはまことに哀れでありました。
オリンピックのメタル選手の銀座パレードは500000万人を集めたと石原都知事などその筋は意気軒昂でありますが、これらの裏にはどのような企みが張りめぐらかされているのか、考えてみても無駄ではないような気がします。
スポーツをスポーツたらしめるために。
スポーツとはなにか。
高校野球準優勝の青森チームは、投手と代打以外の選手は他県の中学出身者であったといったことに目くじらたてるものではありません。
イチローや香川が何故、国内外で人気を得ているか、といったことを手がかりに考えてみたいと思っているのです。