日本のサッカー雀は「バルサ、バルサ」と言い過ぎると思う。が、彼らは、今をときめく名監督がこう語るのを知っているのだろうか。
『バルサのサッカーは、退屈である。ちっともスリリングでないという意味で、ロマンもない』
この監督こそ、CL決勝をドイツ勢同士で戦うなど、ドイツを現在の強さまで引き上げてきたユルゲン・クロップ。ゲーゲンプレスとドルトムントの名を世界に轟かせたお人である。この彼は今さらに、こんな境地にまで届いている。
何よりも今この度また、プレミア首位へと名門リバプールを再復活させてその名を馳せている。しかもこの彼、去年はこのチームをチャンピオンズリーグ決勝まで進めた。この後今期の初め、クロップはこんなことを語っていた。
『CL決勝に出たことによって、世界的有望選手をリバプールが急に獲りやすくなった』
今をときめくモハメッド・サラーは、こうして入った選手である。世界の名選手たちが、「この監督なら、チャンピオンズリーグに出られる。ベスト2とか4とかも・・・」と認めたということだ。Jの選手らが今、ACL優勝に執念を燃やすのは、世界クラブカップでレアルやシティと当たれるからであって、シティを負かすリバプ-ルは、彼らにとってももはや憧れのチームになっているはずだ。日本選手は世界の趨勢をよく知っていて、皆イングランドに行きたがっていることも含めて。岡崎、吉田は渡欧選手でも最も尊敬されているのである。
こんなことも含めて、いまのクロップはもう、世界的名監督として3本の指に入っていると思う。比肩できるのは、グアルディオラとアンチェロティぐらいだろうか。ちなみに、モウリーニョはもう時代遅れになったと僕は観るようになった。彼やファンハールは守備とカウンターの名監督であって、ドルトムントの「攻守一体」が出現してからは、勝てなくなっていると観ている。去年のCL勝利などグァルディオラ・シティなど強豪には特に強いというのがクロップのまた面白いところで、本当にスリリングなチームを作るお人だ。
ついては、ゲーゲンプレスと、その後への影響をもう一度改めて書いてみたい。
①ゲーゲンプレスとはカウンター・プレスの意味だ。相手が我らのボール奪取に成功して攻めに出た瞬間に逆に我らが前へ出て(相手のカウンターにこちらがカウンターをあわせて)組織的プレスで相手ボールを奪う。これに成功した時が「ゲーム中最も得点チャンスが高い瞬間である」と、こういう発想からの新しい得点法。これがゲーゲンプレス。
②これは、その後の世界サッカーを激変させた。さほどでもない選手でチームを手っ取り早く強くできる側面があるからである。その一例が13年のCL決勝がドイツ勢同士になったこととか、14年のブラジル大会ドイツ優勝。さらには、こういう重要なサッカー用語がその後世界中で重視されるようになったことにも現れている。「デュエル」「縦に速く」「攻守の切替」「ラインアップ」「下がって守備もできるFWの重視」。
③18年前半の日本で、広島が急に強くなったことにも、城福監督がこの戦術を取り入れたことが重大な関わりを持っている。ただ、この戦術は選手層が厚くなければ強さを保てない。
④川崎が強くなった理由を「風間の繋ぎサッカー」だけに求めるのは間違っている。風間の時は優勝は出来なかった。2連覇できている理由は、組織的潰しを取り入れたからに他ならない。小さな憲剛が今や、組織的プレスの先頭に立っている有様である。
こうして、今のサッカーは高位コンパクト・プレスがいつでも使えなければ、強豪にはなれない。サッカーの繋ぎだけを見ていてはダメだということだろう。ちなみに、バルサはもともと、高位コンパクト・プレス・サッカーも非常に上手いチームである。これがバルサの高いキープ率の一方の原動力であると言って良いほどに。
『バルサのサッカーは、退屈である。ちっともスリリングでないという意味で、ロマンもない』
この監督こそ、CL決勝をドイツ勢同士で戦うなど、ドイツを現在の強さまで引き上げてきたユルゲン・クロップ。ゲーゲンプレスとドルトムントの名を世界に轟かせたお人である。この彼は今さらに、こんな境地にまで届いている。
何よりも今この度また、プレミア首位へと名門リバプールを再復活させてその名を馳せている。しかもこの彼、去年はこのチームをチャンピオンズリーグ決勝まで進めた。この後今期の初め、クロップはこんなことを語っていた。
『CL決勝に出たことによって、世界的有望選手をリバプールが急に獲りやすくなった』
今をときめくモハメッド・サラーは、こうして入った選手である。世界の名選手たちが、「この監督なら、チャンピオンズリーグに出られる。ベスト2とか4とかも・・・」と認めたということだ。Jの選手らが今、ACL優勝に執念を燃やすのは、世界クラブカップでレアルやシティと当たれるからであって、シティを負かすリバプ-ルは、彼らにとってももはや憧れのチームになっているはずだ。日本選手は世界の趨勢をよく知っていて、皆イングランドに行きたがっていることも含めて。岡崎、吉田は渡欧選手でも最も尊敬されているのである。
こんなことも含めて、いまのクロップはもう、世界的名監督として3本の指に入っていると思う。比肩できるのは、グアルディオラとアンチェロティぐらいだろうか。ちなみに、モウリーニョはもう時代遅れになったと僕は観るようになった。彼やファンハールは守備とカウンターの名監督であって、ドルトムントの「攻守一体」が出現してからは、勝てなくなっていると観ている。去年のCL勝利などグァルディオラ・シティなど強豪には特に強いというのがクロップのまた面白いところで、本当にスリリングなチームを作るお人だ。
ついては、ゲーゲンプレスと、その後への影響をもう一度改めて書いてみたい。
①ゲーゲンプレスとはカウンター・プレスの意味だ。相手が我らのボール奪取に成功して攻めに出た瞬間に逆に我らが前へ出て(相手のカウンターにこちらがカウンターをあわせて)組織的プレスで相手ボールを奪う。これに成功した時が「ゲーム中最も得点チャンスが高い瞬間である」と、こういう発想からの新しい得点法。これがゲーゲンプレス。
②これは、その後の世界サッカーを激変させた。さほどでもない選手でチームを手っ取り早く強くできる側面があるからである。その一例が13年のCL決勝がドイツ勢同士になったこととか、14年のブラジル大会ドイツ優勝。さらには、こういう重要なサッカー用語がその後世界中で重視されるようになったことにも現れている。「デュエル」「縦に速く」「攻守の切替」「ラインアップ」「下がって守備もできるFWの重視」。
③18年前半の日本で、広島が急に強くなったことにも、城福監督がこの戦術を取り入れたことが重大な関わりを持っている。ただ、この戦術は選手層が厚くなければ強さを保てない。
④川崎が強くなった理由を「風間の繋ぎサッカー」だけに求めるのは間違っている。風間の時は優勝は出来なかった。2連覇できている理由は、組織的潰しを取り入れたからに他ならない。小さな憲剛が今や、組織的プレスの先頭に立っている有様である。
こうして、今のサッカーは高位コンパクト・プレスがいつでも使えなければ、強豪にはなれない。サッカーの繋ぎだけを見ていてはダメだということだろう。ちなみに、バルサはもともと、高位コンパクト・プレス・サッカーも非常に上手いチームである。これがバルサの高いキープ率の一方の原動力であると言って良いほどに。
サッカーで最も大切なのは、優れ(過ぎ)た選手個人、点取り屋ではない。これに頼っていては、名門チームの名はいつまで保てるわけはないのである。これはちょうど、今で言えばゲーゲンプレスの意味が分からなかったチームはやがて勝てなくなってきたというようなものだ。ファンハールのチームしかり。モウリーニョのチームしかり。逆に、金もあって上り坂のパリサンジェルマンは、ゲーゲンプレスが分かっているクロップの後継者トゥヘルを監督に迎えている。
いくらクリロナを獲って好調でも、ユーベのCL決勝はないだろう。これは断言しても良い。今年のCL優勝は、イングランドだと思う。トットナム、リバプール、シティ辺りが、僕に言わせればその候補だ。これに割った入るとすれば、パリサンジェルマンだろう。良い監督を迎えてチーム力は格段に上がったし、ムバッペが凄いから。