昨夜、今年のアジアチャンピオン・クラブを決めるACL、アジアチャンピオンズリーグ戦の準決勝戦があった。浦和が中国の上海上港に1対0、第1ゲームと併せて2対1で決勝戦に進むことになった。相手は、サウジアラビアのアルヒラル。
それにしても、第1ゲームよりもさらに見事なゲームだった。オスカル(移籍金78億円)、フッキ(同64億円)、エウケソンを擁し、監督までがあのアンドレ・ビラス・ボアスというこの強豪に勝ったというのもさりながら、何よりもゲーム内容、特に浦和の守備、中でも中盤の潰しが日本人離れしていたと賞讃したい。
僕は本年ACLの初めから、この相手・上海を同じ中国の広州恒大以上の優勝候補筆頭にあげていたので、正直勝てないと予測してきた。アウェイの第1ゲームを1対1にして第2ゲームが浦和ホームとあってもなお、この敗北を予測していたほどだ。
浦和の得点は前半11分、日本側から観て右コーナーキックをラファエルシルバがヘッドで入れたもの。が、ここまでにして既に、このゲームに懸けた浦和の魂がそこら中に現れていた。3分、阿部がエウケソンを吹っ飛ばせば、中国人選手のドリブルなどには浦和側はどんどん突っかけてボールを奪う。180㎝、85キロというサッカー選手には珍しい筋肉の塊・フッキには、槙野、遠藤、阿部、コオロギらがほとんど仕事をさせない。牧野のプレスを嫌ったフッキが下がってくると、時にコオロギまでが付いてくるのには、まー驚いたこと! こうして怖いのはただ、オスカルのみ。
このオスカルがまた、敵DFライン近くまで後ろに引いておいて中盤からパスを捌いたり、ウイング様の位置でボールを受けて厳しいサイド攻めの起点になったり、得意のドリブルで自らシュートにまで持ち込んだりと、全方位に顔を出すまー凄まじい万能選手なのである。これに対する浦和はむしろ、オスカルからの受け手を、その周囲を抑えたというのが真実だったかも知れない。
さて、勝因はこんなところだろう。
①何よりも、相手を飲んだとさえ言える、「魂入った潰し」。「フッキとエウケソンに上手く渡らないようにしさえすれば、あとの中国選手などは軽いもの」と申し合わせてあったと思うほどのそれだ。
②中国人選手は反則以外には何も出来ないという感じさえ観られた。結果として、ただオスカルだけが目立ち、不気味で、上手くボールを受けられないフッキは終始不機嫌、審判に怒りまくると、そんなゲームだったのである。
③シュート数は、8対10程、槙野のバー直撃ヘッドなど浦和の方が良いチャンスが多かった感じで、コーナーはほぼ互角。「ゲームの顔」に阿部が選ばれたというのも、このゲームの象徴という賞讃だろう。「主将にして守備組織の要」。インタビューの彼はまさにフヌケタ感じで、疲労困憊を現していた。
④ゲーム後敵将ビラス・ボアスの言葉も、勝因を明確に語っていた。
『私が聞いた話だと浦和ディフェンスの何人かは日本代表の選手でもあるということで本当に強いディフェンスラインだと今日改めて思いました』
こんな「魂の潰し」があれば、11月18日、25日の決勝戦も勝つと予測できる。サウジは中国選手よりは遙かに良いが、オスカル、フッキのような怪物はいない。そしてなによりも、このACLにおける浦和の潰しは、日本人離れしている。
このサウジ戦を勝てばいよいよ、世界チャンピオンクラブ決定のトーナメント戦。去年は確か開催国枠で出場した鹿島が2位になり、レアルと好勝負を演じているから、浦和の「魂の潰し」にもさらに魂が入ることだろう。いや、去年の鹿島健闘をよく研究してきたからこその、今日のこのゲームだったのかも知れない。
それにしても、第1ゲームよりもさらに見事なゲームだった。オスカル(移籍金78億円)、フッキ(同64億円)、エウケソンを擁し、監督までがあのアンドレ・ビラス・ボアスというこの強豪に勝ったというのもさりながら、何よりもゲーム内容、特に浦和の守備、中でも中盤の潰しが日本人離れしていたと賞讃したい。
僕は本年ACLの初めから、この相手・上海を同じ中国の広州恒大以上の優勝候補筆頭にあげていたので、正直勝てないと予測してきた。アウェイの第1ゲームを1対1にして第2ゲームが浦和ホームとあってもなお、この敗北を予測していたほどだ。
浦和の得点は前半11分、日本側から観て右コーナーキックをラファエルシルバがヘッドで入れたもの。が、ここまでにして既に、このゲームに懸けた浦和の魂がそこら中に現れていた。3分、阿部がエウケソンを吹っ飛ばせば、中国人選手のドリブルなどには浦和側はどんどん突っかけてボールを奪う。180㎝、85キロというサッカー選手には珍しい筋肉の塊・フッキには、槙野、遠藤、阿部、コオロギらがほとんど仕事をさせない。牧野のプレスを嫌ったフッキが下がってくると、時にコオロギまでが付いてくるのには、まー驚いたこと! こうして怖いのはただ、オスカルのみ。
このオスカルがまた、敵DFライン近くまで後ろに引いておいて中盤からパスを捌いたり、ウイング様の位置でボールを受けて厳しいサイド攻めの起点になったり、得意のドリブルで自らシュートにまで持ち込んだりと、全方位に顔を出すまー凄まじい万能選手なのである。これに対する浦和はむしろ、オスカルからの受け手を、その周囲を抑えたというのが真実だったかも知れない。
さて、勝因はこんなところだろう。
①何よりも、相手を飲んだとさえ言える、「魂入った潰し」。「フッキとエウケソンに上手く渡らないようにしさえすれば、あとの中国選手などは軽いもの」と申し合わせてあったと思うほどのそれだ。
②中国人選手は反則以外には何も出来ないという感じさえ観られた。結果として、ただオスカルだけが目立ち、不気味で、上手くボールを受けられないフッキは終始不機嫌、審判に怒りまくると、そんなゲームだったのである。
③シュート数は、8対10程、槙野のバー直撃ヘッドなど浦和の方が良いチャンスが多かった感じで、コーナーはほぼ互角。「ゲームの顔」に阿部が選ばれたというのも、このゲームの象徴という賞讃だろう。「主将にして守備組織の要」。インタビューの彼はまさにフヌケタ感じで、疲労困憊を現していた。
④ゲーム後敵将ビラス・ボアスの言葉も、勝因を明確に語っていた。
『私が聞いた話だと浦和ディフェンスの何人かは日本代表の選手でもあるということで本当に強いディフェンスラインだと今日改めて思いました』
こんな「魂の潰し」があれば、11月18日、25日の決勝戦も勝つと予測できる。サウジは中国選手よりは遙かに良いが、オスカル、フッキのような怪物はいない。そしてなによりも、このACLにおける浦和の潰しは、日本人離れしている。
このサウジ戦を勝てばいよいよ、世界チャンピオンクラブ決定のトーナメント戦。去年は確か開催国枠で出場した鹿島が2位になり、レアルと好勝負を演じているから、浦和の「魂の潰し」にもさらに魂が入ることだろう。いや、去年の鹿島健闘をよく研究してきたからこその、今日のこのゲームだったのかも知れない。
『これこそ、モダンサッカー!』
近年の日本が、ACLもアンダー代表でも勝てなくなったのは、これが原因。世界に最も近かった中盤の繋ぎに期待するばかりで、潰しを軽視してきたからだ。まるでヒデの繋ぎばかりを観て、その強さを観てこなかったような。
今回同時にあったU17世代W杯でも、西野技術委員長がこう評していた。
「今回ほど他国とのゲームを多く積んで臨んだことは珍しいが、まだ世界水準には届いていない」
もっとも僕は、このU17がイングランド相手にこれほどやるとは思わず、失礼な言葉を吐いたことはお詫びしなければならぬ。
サッカーはとにかく繋ぎと潰しのゲームであって、対戦双方のこの相関関係によって結果が決まってくるゲーム。この点ではJのゲームは、圧倒的に潰しが弱いと思う。そんな潰しの中で繋げる技術など、バルサが負けだしたゲーゲンプレス出現以降の外国へ行けば全く役に立たない。
そういう意味で、この浦和戦は日本がやっとサッカーの原点に戻ったという、そんな感じさえしたのである。去年末鹿島の世界クラブ杯の闘いが、日本サッカーを目覚めさせたということだと良いのだが。