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新聞の片隅に載ったニュースから(191)     大西五郎

2015年03月08日 10時04分27秒 | Weblog
「時代に合わぬ条文も」首相、改憲に意慾(15.3.7 中日新聞)

安倍晋三首相は六日の衆院予算委員会で、「憲法ができて長い年月がたち、時代に合わなくなった条文もある」と、改憲に意欲を示した。総裁を務める自民党は「憲法改正を党是として掲げている」と述べ、今年の結党六十年を機に改憲の国会発議に向けた取り組みを加速したい考えを強調した。
首相は現行憲法が制定された経過に関し、「戦後の占領下、連合軍総司令部(GHQ)の二十五人が短い期間で原案をつくったのは間違いない。首相として事実を述べてはいけないということではない」と指摘。そのうえで「こういう過程でできたから変えていく、ということを議論するのは当然ではないか」と述べた。改憲を目指す条文は党の議論に委ねる意向を示しており、具体的に言及しなかった。
憲法の性格については、国家権力の行使を縛り、国民の基本的人権を保障する役割を持つとともに、「国の形や未来を語るものである」と持論を語った。

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安倍首相の改憲論の論理と意慾をよく表した国会答弁です。
「連合軍総司令部(GHQ)の二十五人が短い期間で原案をつくった」というのは一面的な意見です。日本国憲法の原案は最終的にはGHQから政府に示され、それを基に政府案が作られ、国会において一部修正の後、可決成立したという経過を辿りましたが、GHQ案の元になったのは日本人の憲法研究会が作成したもので、それをGHQが高く評価し、それを基にGHQ案が作られたというのが歴史的事実です。最初からGHQがそっくり作ったというのではありません。
敗戦直後から元東大教授高野岩三郎、東大助教授で後に文部大臣になる森戸辰男、民間の憲法学者で後に愛知大学教授になる鈴木安蔵氏、評論家の室伏高信氏らが憲法研究会を作り、新生日本の国の在り方、国と国民の関係などはどうあるべきかを討議を重ねた結果その年の12月26日に「憲法草案要綱」を作成し、内閣とGHQに提出するとともに、記者会見を行なって発表しました。
GHQ民生局のラウレル中佐(弁護士の資格を持つ)らが翻訳し、「民主的で評価に値する」という報告をマッカーサー総司令官に提出し、この案を大幅に取り入れたGHQ案が作られという経過があります。
憲法研究会の草案は、「国民ハ法律ノ前ニ平等ニシテ出生又ハ身分ニ基ク一切ノ差別ハ之ヲ廃止ス」「国民ノ言論学術芸術宗教ノ自由ヲ妨ケル如何ナル法令ヲモ発布スルヲ得ス」「国民ハ健康ニシテ文化的水準ノ生活ヲ営ム権利を有ス」など日本国憲法の基本になった条項が多く、GHQ案によって憲法が作られたというよりは、日本人の手になる「憲法草案要綱」を基にしてGHQ案が造られたというべきです。(なお「憲法草案要綱」と「GHQ案」「日本国憲法」の三つを比較した表があります。ご希望の方には送料込み1部200円でお頒けしています。)
                                                  大西 五郎
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-03-09 19:15:21
できた過程より、改正された事が無い異常性について語ってよ。
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