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改めて、世界の中の米窮状(2) 文科系

2018年10月28日 09時59分04秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 一昨日表題の記事を書いたが、今日の中日新聞には、このことを示す比較的大きい記事が二つ出ている。
 ひとつが、3面トップの『米、国際的枠組み次々離脱 多国間主義の危機 深刻』。今ひとつが4面社説の『今度は何が燃えるのか』。
 この二つの記事は言わば兄弟のようなもので、前者が国際刑事裁判所書記局ナンバー2というお人に、アメリカによる国連破壊危機を語らせた物で、後者はこの国連破壊を新聞社説批判として描き出した物。「強者が弱者を殺し、世界の人々の自由が燃え始めている」という含意である。

 ちなみに、このブログ拙稿でも度々描き出してきたが、アメリカによる国連離脱事件が前者の記事に列記してあるので、それを転載してみよう。

 2017年
1月 TPP離脱の大統領令
4月 国連人口基金への資金拠出停止を決定
6月 パリ協定からの離脱を表明
10月 ユネスコからの離脱を表明
 2018年
5月 イラン核合意離脱を表明
6月 国連人権理事会離脱を表明
8月 国連パレスチナ難民救済事業機関への拠出中止を発表
9月 国際刑事裁判所への制裁を勧告
10月 国際司法裁判所の管轄権を定めた議定書からの離脱を決定
10月 万国郵便連合からの離脱手続き開始を発表

 さて、これらはそもそも今何故起こっているのか。どういうアメリカの事情から生み出されてきた物なのか。今後の日本、世界を観る場合にはこれこそが問題だろう。ということに関しては、近年アメリカのこれらの事項を想起するのである。
 何よりも先ず100年に一度の出来事と言われた08年のリーマンショック。これは、冷戦以降に世界経済をますます風靡した英米グローバル金融経済時代の終焉を意味した。そして、これを招いたにも等しい、あの03年勃発のイラク戦争に続く「テロとの戦い」の数々。こうして、「金融栄えて物経済滅ぶ」のアメリカは軍事だけが幅をきかせ、他にまともな職もない貧しい国になりはててしまった。アメリカの富とは今や「ITビッグファイブ」の株価時価総額でしかない。その本年8月末現在478兆円は、トヨタの同額22・6兆円の何倍になるだろうか。とはいえこの総額は、日米国庫ぐるみバブルが崩れたなら、紙切れになるようなはかない命と言えないか。(以上の数字は、ここから取った。雑誌「世界」11月号所収の「2018年秋の不吉な予感」著者は寺島実郎)それでいて、アメリカの赤字や浪費ぶりはと言えば、国家累積赤字が65兆ドル、年間軍事費が6110億ドル(16年版ストックホルム国際平和研究所報告より)である。

 以上に観たように、アメリカが国連規則も守れなくなった、あるいは守りたくなくなったのは、ここ約40年ほどの歴史の結末なのだ。
 トランプ大統領は、こういう断末魔の帝国アメリカに咲いた暴君ネロの強がり同様のあだ花にすぎない。
 こんなアメリカに運命を預けるようにして貢ぐばかりだった安倍政権だからこそ、日本はすっかり貧しい国になってしまった。国民一人当たりGDPがわずか20年で世界3位から30位に落ちたのである。なのに米への輸出さえ止められようかというこの局面に立たされて、「日本(精神)主義と言う趣味」で政治をやってきたような愚かな安倍は一体どう対処していくつもりなのだろう?
コメント (7)
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