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ニシノジャパン(7)「繋ぐサッカー」など10年早い! 文科系

2018年05月17日 11時25分08秒 | スポーツ
 ザックもハリルも、日本の実力を世界15位程度とは観ていた。ザック時代には世界13位だったこともあるのだし、当時よりも外国チーム所属日本人選手は質量ともにはるかに底深いものになっているのだから。
では何故日本の順位がこれほどに下がっているのか。その原因を正しく抑えることこそ、ロシアで勝つ道である。そしてその原因とは、外国チームとの決死の戦い場面を観れば分かる。1つは、ブラジル大会。今一つは、ACLである。

 ブラジル大会の敗因は今はもう明らかだろう。準備段階から存在した「選手と監督との食い違い」によるもので、これでもって、ザックが行ってきたほとんどの準備が本番では無駄になるという戦い方しかできなかった。準備段階で監督の指示に従わず「繋ぎ重視」に励んだやの中心選手が複数存在し続けた。それが、本番で敗れた原因である。どの国も必死になる大会で、こんな中途半端をしては勝てるわけがない。ザックが、主として本田と遠藤がやってきて質問したことへの回答としてこう語ったとは、よく知られている話だ。
「そんなことを君等が今言ってくるって、私たちの今までのやり方に確信を持っていたと言えるのか。それでは私がここにいる意味さえないと思う」

 さて、今回のハリル解任には、ブラジル大会の苦い経験もこのように絡んでくるはずだ。協会中枢がこう決断したことは明らかである。
「また、選手と監督とがずれている。やはり日本人の行動とこれを律する感覚は、外国人には分からないのだ。監督を切って、日本人にしよう。ブラジルに二の舞にはしたくない」

 さて、その上で協会はどうするつもりなのか。ハリル流を取り入れるのか、ブラジルでも選手が誇っていたやの「自分らのサッカー」を許容していこうというのか、どうか。これについて僕は、前者しかないと、選手もそれに相応しい人を選べと、大声で言いたい。その理由こそ、ここ数年のACL大会を観れば分かるというもの。
①ACLでさえ、日本流の生半可な「繋ぎ尽くす」などは全く通用しないのである。ここへの新参チームほど、その事を思い知らされてきたはずだ。広島、川崎、セレッソ、柏などである。その原因こそ「日本のサッカーが軽い」ことである。国際的重要ゲームではなおさら、今の日本流の小手先繋ぎなど通用しない。「繋ぎが増えれば、今風カウンターを食うだけ」と肝に銘じておくべきだ。だからこそザックもハリルもこれを禁じたのであった。
②これは案外見落とされていることだが、ザックは「繋ぎ尽くす」のは禁じていた。攻撃について代わりに語っていたのがこれである。「サイドを中心に使って、手数少なく攻めろ。良いカウンターを食わないようにということだ」
③時に応じて高低のゾーンプレスも、リトリートも使った守備に細心の注意を払って固く守りつつ、相手の集中力が途切れたころに、ゲーゲンプレス的得点法もしくはセットプレーで得点する。日本人は集中力は一流だから、こういう鹿島やACL優勝時の浦和のような戦い方が最も似合っていると言いたい。
④ついては、西野に是非お願いしたいことがある。チームコンセプトでも選手選考でも、出来るだけ多く手倉森と相談し合って欲しい。手倉森は世界相手の守り方をよく研究して、知っている人だから。ACLにおける鹿島や浦和の分析にも凄く励んでいたと確信している。

 西野がいたガンバの、遠藤を必要とするようなサッカーを日本が敢行したら、必ずやブラジルの二の舞になるはずだ。「(将来性とか)自分らのサッカーとかよりも、まず勝ちたい」。これはブラジルを前にして内田や岡崎がザックを支持して主張していた言葉だったと思う。 
コメント (8)
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書評「シリア情勢」(4) 文科系

2018年05月17日 09時15分24秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 岩波新書「シリア情勢」(青山弘之・東京外語大総合国際学研究学院教授著、17年3月22日第一刷発行)の要約を再掲している。今回はその最終回だ。

 トランプ・アメリカ政権が、オバマの大変な努力による「安定」を嘲笑うようにイラン政策で手の平返しをしたことによって、中東の雲行きがにわかに怪しくなってきた。しかも、このトランプ政策は単なる思いつきではなく、国家の借金がGDPの4倍というアメリカの起死回生を図る狭い道と思われるだけに、根深く執拗なものなのである。日本にとってはまたぞろ、「アメリカとの集団安保を守るという、日本国家の品位、品格の問題??」(谷内正太郎安全保障局長の言葉)なのだそうだし。この谷内発言、そのお人柄については、当ブログ本年1月11日拙稿『なんと愚かな「国防」人事!』を参照されたい。

 この再掲の終わりになったが、そこで最後に一言。
『アメリカ・サウジが一体になってシリアにやってきたことを見れば、アメリカの世界政策が分かる。だからこそ、それと手を組まされた日本の自衛隊の先行き、使われ方もわかるというもの』
 ちなみに、サウジの人権侵害度は北よりもはるかにきついものだと観てきた。この国の人権問題がアメリカから批判されぬのは(つまり、「ならず者国家」と言われて、つぶされようとしないのは)、アメリカの世界原油政策のおかげなのである。

何度でも言うが、アメリカの現国務長官はエクソンモービルの前会長さん。大統領経済問題補佐官など重要閣僚などには、ゴールドマンサックスの前社長なども名を連ねてきた。泡沫候補上がりから思いもかけず大統領になってしまったトランプ政権は、いつの間にかアメリカ経済界の顔たちの巣窟になってしまったようだ。弱肉強食社会の結末として国内内需を減らしたことによって衰退して来たアメリカも、今やなりふり構わぬ、必死さを示している。GDPの4倍の国家借金って、日本などとは比べものにならぬ国の死活問題である。それでいてトランプは、あの冷戦時代の倍をいつの間にか超えている軍事費を毎年捻り出さねばならないのである。そんな金がどこから出てくるというのか? サウジやイスラエル周辺などに最新兵器を買って貰わなければ、軍事会社の最低規模さえキープできないだろう。 

  
【 書評「シリア情勢」(4) 文科系  2017年07月19日

 この本は、2016年12月末に国連がイニシアを取ったシリア全土停戦にも言及して、この3月22日に第一刷発刊となったもの。イスラム国などの敗勢から、「シリア内戦の『終わりの始まり』」に触れている。この部分が今回紹介する「第6章 真の『ゲームチェンジャー』」と「おわりに」である。ついては、政権復活の下で、部外者らの誰が事態を複雑にし、どういう思惑でこの国の平和に抗ってきたのかが、鮮やかに示された箇所とも言えるのではないか。この本の結論を言えば以下のようになるだろう。

 15年9月末に始まったロシアの大々的爆撃が長年の戦乱を鎮めたのである。ロシアは、トルコがギュレン・クーデターの背後にアメリカを疑っている状況を生かしてトルコを懐柔し、合わせて欧米をも説得して、対アサド最強硬派とも言えたサウジ・カタールを疎外しつつ、その支援を受けた過激派反政府勢力にも「穏健派反政府勢力」にも、無差別に爆撃を加えて、鎮圧していった。ただし、この両派は戦闘員の流出入が激しく、団体同士も合従連衡を繰り返すなどと入り乱れて変化していて、どれがどういう性格なのかさえ、分からなくなっている。
 ロシアは、長距離大型爆撃機を派遣したし、カスピ海の潜水艦から巡航ミサイルを打ち出した。巡航ミサイル発射は、ロシアにとって史上初という出来事である。また、イランは、西部航空基地をロシアに提供し、16年4月、ファトフ軍に対して正規軍を派遣している。正規軍派遣も、共和制イラン国初の出来事だ。
 欧米諸国がこれらの攻撃に対してフリーハンドを認めたのは、「テロとの戦い」「難民問題」で、悩み抜いてきたからであると述べられている。

 ロシア空爆開始の直後15年10月に、ジュネーブ三平和協議がウィーンに17か国が集まって開かれた。ここでは、イスラム国以外のアルカイダ勢力をどう処遇するかで最後まで紛糾した。結局、サウジが、支援してきたシャーム自由人イスラム運動、イスラーム軍(イスラム国ではない)等とともに、この協議内容に反対して協議そのものから脱退していく。なお、このシャーム自由人イスラム運動には、人道的救命救急団体と称してきたホワイト・ヘルメット(この団体には日本の資金も出ているとは、前々回に述べた)が行動を共にしている。
 また、これらの「解決」方向に関わっては、国連シリア問題担当特別代表デミストラの仲介も大きかった述べられてあった。

 なお、米国が支援し、トルコが長年の敵としてきたシリア内クルド人勢力は、極めて複雑な立場に置かれることになった。例えば、こんな混乱した諸状況も起こったのである。イスラム国の拠点・ラッカ陥落を目指したクルドには米国は支援し、バーブ市におけるクルドはトルコばかりではなくアメリカからも攻められたのだった。
 かくて就任直前の米大統領トランプはシリアについてこんなことを語ることになる。
「関与すべきでない外国政権の打倒に奔走することはやめる」


 今回のまとめの最後を、この本の帯にも付けられた「おわりに」の中の言葉で締めくくりたい。この言葉は、この本全体のまとめでもあり、世界の今後への教訓ともなるものだろう。
「シリア内戦における混乱を再生産しているのは、シリアにとって異質な部外者であり、シリアの人々は彼らが繰り広げるゲームの駒になりさがってしまった」


 今回でもってこの書評、要約を終わります。ここまでお読み下さった方々、有り難うございました。】


『関与すべきでない外国政権の打倒に奔走することはやめる』という言葉を、トランプはいつ取り下げたのだろう。エルサレムやイランの新政策はそんなことを思わせるのである。政治はずぶの素人ということで夢を見ていたようなトランプが「アメリカの現実」をやっと知り始めたということなのだろうが、結局は対中国冷戦にらみという点では朝鮮半島の現情勢も怪しいものである。「北朝鮮がやはり、全てをぶち壊した」と大音声する機会を狙っていることに結局なるのであろうか。「韓国から核を除かない限り、我が核もなくせない」が首領様の条件だろうから、そこで決裂するまでせいぜい「ノーベル賞級の平和の顔」を続けようというのだろう。
コメント (3)
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