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新聞の片隅に載ったニュースから(92)   大西五郎

2013年05月29日 16時21分20秒 | Weblog
「表現の自由規制も」維新議員団が改憲要綱原案(2013.5.29 毎日新聞)

 日本維新の会国会議員団が今国会中にまとめる憲法改正草案要綱の原案が28日、明らかになった。原案は「『表現の自由』は一定の規制を受ける場合がある」「家族の価値(法律婚)を保護すべき国の責任を規定する」など、国家の規制を強める方向の検討事項を盛り込んでいる。
 名称は「憲法に対する基本的議論の方向性」。首相公選制導入や1院制の検討を掲げたほか、「皇位継承については男系男子継承とする旨、憲法または皇室典範に明記する」「立憲君主国であることを明確にする」と記している。
 原案は、国会議員団代表の平沼赳夫元経済産業相ら旧太陽の党系の意向が色濃く反映されたとみられる。しかし、橋下共同代表らは、法律婚を前提とした「家族の価値」を憲法に明記することに懸念を示してきた。原案を踏まえて党内議論を進めるが、国会議員団と橋下氏らとの対立の火種になる可能性がある。

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 自民党の「憲法改正草案」(12年4月27日)よりも国家主義的な「改正草案要綱」です。
 表現の自由について、自民党案では「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。2.前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。(第21条)」としています。これでも「その言論表現が『公益及び公の秩序を害する』ことを目的として」などと表現の自由に一定の規制をはめようとしていることが問題なのに、維新議員団の案では「一定の規制を受ける場合がある」と抽象的な表現で、どこまで規制がひろがるのか、時の権力の意向で表現の自由が著しく狭められる恐れがあります。
 皇位継承についても「男系男子継承とする旨、憲法または皇室典範に明記する」としています。自民党の改正草案では「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と現憲法の規定を尊重しています。皇室典範には「皇位は、皇統に属する男系男子がこれを継承する(第1条)」となっていますが、皇太子家に男の子がいないため、皇室典範改正論が持ち上がっています。皇室典範は一般の法律(昭和22年1月16日法律第3号)ですから国会の議決によって変えることが可能です。しかし憲法に「男系男子継承」を規定しますと、これを変える(女性天皇を認める)となると憲法改正が必要になります。安倍首相は憲法96条を先行改正して憲法改正のハードルを低くして憲法9条を改正しようとしていますが、世論調査では96条改正反対が多数です。日本には、推古天皇をはじめ斉明天皇、持統天皇など女性の天皇が何人もいますし、世界を見渡せば女王、女性の大統領や首相も今や普通です。それなのに、維新の会国会議員団は男尊女卑の古い考え方、後ろ向きの傾向が強いようです。
 みんなの党の渡辺喜美代表は、橋下氏の慰安婦発言で参議院選挙での協力体制を解消しました
が、毎日新聞社主宰のフォーラムで安倍首相の最近の政権運営について「我々に近くなってきている。気がついたら維新の方が自民党よりも『右』に行ってしまった」と述べました。
                                       大西 五郎
コメント (3)
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