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新聞の片隅に載ったニュースから(13)   大西五郎

2012年04月29日 10時29分19秒 | Weblog
大西さんの、新聞の片隅に載ったニュースから(13)です。らくせき

3月失業率4・5%(’12.4.27朝日新聞夕刊)

「総務省が27日発表した労働力調査によると、3月の完全失業率(季節調整値)は
4・5%で、前月と同じだった。
また、厚生労働省が同日発表した3月の有効求人倍率(同)は
前月を0・01㌽上回る0・75倍で、10カ月連続で改善した。」

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 この記事は本文9行の簡単なニュースでしたので、内容を詳しく知りたいと思い
総務省統計局のホームページにアクセスしてデータ(報道陣にも発表したもの)を
詳しく見てみました。

その結果、次のことがわかりました。全体平均では2012年3月の完全失業率は
実数値で4・7%、(季節調整値では4・5%)でしたが、
男女計の年齢階層別では、15~24歳では10・8%、25~34歳が5・9%と
若い世代の失業率が高くなっていました。
総務省の発表では「3月の完全失業率は前月と同じ」でしたが、
15~24歳の男女計では2月が9・0%、25~34歳が5.5%でしたから、
若い世代の失業は前の月より深刻になっていました。

さらに男女別に見てみますと、男性の15~24歳が12・0%、同女性が9・5%。
25~34歳男性6・2%、同女性5・6%と、女性より男性の失業率が高くなっていました。
なぜそうなるのか、厚生労働省のホームページで
有効求人倍率の表を調べて答えが見つかりました。
一般職業紹介状況の「パートを除く」では3月の有効求職に対する有効求人の比率は
0・67、「パート」のそれは1・13となっていました。
つまり企業は賃金の安いパートなど非正規の労働者を求め、
正社員の採用をセーブしているからそういう差が生じるということが分かります。

なお、「完全失業率」というのも失業の実態とかけ離れています。
完全失業者というのは、調査期間中少しも仕事をしなかった人で、
仕事があればすぐ就くことができて、調査期間中に仕事を求める活動をしていた
(ハローワークに顔を出した)人ということです。
1週間に2日ほど親戚の店を手伝って謝礼を受け取ったとか、
身体の調子が悪くてその月はハローワークに行かなかった。
あるいはこれまでハローワークに行ったけれど自分に合う仕事がなかったので、
友人に頼むなど別の方法で仕事を探していた人は
失業者の統計に含まれないケースが多のです。
ですから政府の発表より実際の失業者の方が多いのが実態です。

 官庁が調査データを発表するときは、詳細なデータとともに、
「調査の概要」というものを発表します。
この「概要」は、多くの場合、その官庁にとって都合の良いデータの部分が
強調されますが、その「概要」をなぞれば記事が書けます。

 しかし、報道する立場としては、国の発表するデータが国民生活の実態を
どのように伝えているのか、
国民生活にどのようなに役立つのかという視点でデータを分析し、
報道してほしいと思います。
                                       大西 五郎
コメント (1)
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