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NHK経営委員候補に推されて考えたこと 桂敬一

2008年12月01日 20時00分23秒 | Weblog
ジャーナリズム研究者・元東大教授の桂敬一さんが
「開かれたNHK経営委員会をめざす会」から
NHK経営委員候補に推薦されています。

そして「推されて考えたこと」という趣旨の文章を
書かれています。
ご本人の了承を頂きましたので、数回にわたって
連載します。
一回目は少し長いのですが、ちょっとガマンして読んで下さい。

                    落石


    

1.2010年・2011年・2012年―NHKを襲う3つの危機

 (1)新法「情報通信法」がめざす「放送」の解体

 小泉政権時代の竹中平蔵総務相は2006年1月、
「通信・放送の在り方に関する懇談会」、通称「竹中懇談会」を立ち上げ、
デジタル通信技術の発展を全面化、通信・放送の境界を取り払い、
メディア・ビッグバンというべき状況をつくり出すために、
法体系の見直しに着手した。
そのための法整備は、安部内閣に委ねられ、
菅義偉総務相の強力なリーダーシップの下、
「情報通信法」構想がまとめられ(2007年6月)、
早ければ2010年には法案成立、翌年には施行とするスケジュールも発表された。
こうした政府方針どおりの「情報通信法」ができ、実施されれば、
公共性故に放送が市場的産物とされずに特定の事業者に免許が
独占的に与えられ、
その一方で一つの事業者に放送企業多数の保有を禁ずる、
いわゆる集中排除原則が適用される、
特殊な制度的産物とされてきたこれまでの放送の在り方が、一変する。

このことは、公共性の保持が求められ、証券との兼営が禁止されてきた銀行が、
いわゆる金融ビッグバンで両者の境界がなくなると、
証券・保険やサラ金までを含む、あらゆる儲かる金融ビジネスに
なりふり構わず飛びついていったことを、想起させる。
やがて銀行は、バブルとその崩壊のなかでダメージを受け、
信用も失墜、今またそうした体質のせいで、
アメリカ発の世界金融危機に巻き込まれている。
竹中・菅構想のメディア・ビッグバンは、
内外の巨大な複合型情報産業がデジタル通信技術と市場の自由を武器に、
放送に襲いかかる状況を生み出すだろう。
そのとき、民放だけではない、うまそうな巨体、
食いつかれやすい柔らかい腹をさらす公共放送・NHKも、
危機に瀕するおそれがある。

 (2)地上波デジタル化完了・アナログ停波の難問

 2011年は政府の計画通りにいけば、地上波デジタル化の完了、
アナログ放送の停波が実施されることになる。
これもまた、放送界、それに放送と視聴者の関係を、
根本から揺さぶる歴史的事件だ。
放送界は実際には、その年のデジタル受信機の全国家庭における完全普及は、
まだ実現にほど遠い状態にあるだろう、と予想している。
また自分たちのデジタル化設備投資も完了しているとはいいがたく、
追加投資続行中となる公算大だ。

このような状況のなか、良質のデジタル制作の番組を安定的に供給、
デジタル受信機の普及を促したり、
共用可能な中継アンテナの設置を急速に拡大したりするなど、
放送界全体が、白黒テレビからカラーテレビへの切り替え時や、
衛星テレビ導入のときのように、
NHKにパイオニア役を期待するところ大であり、
NHKにかかるデジタル化の費用負担は、とくに大きくなる。

だが、2002年から受信料10%引き下げの枷を古森経営委員会から嵌められている。
赤字を出したら、先にいって埋め合わせればいい、
とするような方策は講じられない。
また、家電業界は大量の新規需要の創出を期待し、
アナログ停波の早期実施を待望している。
しかし、経済的弱者や、コンピューター顔負けの、
複雑な高機能付きのデジタル受信機を使い切れない高齢者などのことを考えると、
まだ十分使えるアナログ受信機を全廃させ、
そんなに急いでデジタル化一本に切り替える必要があるのか、
とする根本的な疑問も出てくる。
ここでも決め手を握るのがNHKだ。
家電業界の顔色をうかがうのか、弱い立場にある視聴者の方を
しっかり見守るのか、大事な思案のしどころとなる。


 (3)満3年先の受信料10%引き下げに縛られる苦しみ

 今回、古森委員長の強引な裁可で、経営委員会は、
NHK執行部=理事会が作成した向こう3年を睨んだ
中期経営計画案の受信料改定案を拒否、
2012年からの受信料10%引き下げ方針を、執行部に飲ませた。
しかし、この2012年という年が、
「情報通信法」施行、地上波デジタル化完了・アナログ停波などの
時期にもろにぶつかるものである点を、重視する必要がある。

「情報通信法」施行後のメディア・ビッグバンのなかでは、
関連事業の拡大局面が現れるだろうが、当分収益は期待できず、
投資行為が多くなるだけに違いない。
地デジ完了・アナログ停波については、実施時期が若干延びるにせよ、
その直前で山ほどカネが要る。
こういう状況がありながら、現在の受信料収納率でいけば、
2012年にざっと600億円もの減収が待っているのだ。
こんな無茶苦茶な経営計画はない。
それまでの3年にたくさん稼いで貯金すればいいのかもしれないが、
そんなに受信料収納率を上げることはできないし、
放送法等によって、放送に関係のない収益事業を手広くやることは
禁じられている。
かりにそれが許されても、NHKには、本業に関係なく収益目的の事業を
やった経験もなければ、ノウハウもない。
実直に公共放送としての仕事を積み重ね、視聴者の信頼を獲得、
その支持の拡大を、まずテレビ受信料の収納率の向上に結びつけ、
さらに多メディア時代のなかで公共放送がやり得る副業的な
メディア・情報サービスを通じて収入が上げられれば、
そうしたサープラスを全体の受信料引き下げに還元していく、
とするのが常道なのではないか。
そのような道を阻んだ古森経営委員会の責任は重大だ。


                      続く




 
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不況に対して政府の行えること    落石

2008年12月01日 11時29分27秒 | Weblog
世界不況に対して政府が行える
2つの対処の仕方があるように思えます。

景気対策という言葉で一くくりにされていますが、
要は、税金をどこに使うか?でしょう。

一つは会社への投入。金融機関や公共投資。
もうひとつは減税。

さて、この対策の恩恵をうけるのは
これまでは会社でした。

しかし個人が直接、恩恵をうける道は
日本では採用されたことがありませんでした。

お金のばらまきと批判されてはいますが、
少し視点を変えれば画期的じゃないでしょうか?
(選挙対策なのが見え見えですが)

でも一番大きな景気対策は雇用の確保だと思います。
ここに税金を投入することが一番では?

どういう分野に税金を投入したら良いのか?
経済学に詳しい方は、教えて下さい。





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アメリカは侵略国家か?   落石

2008年12月01日 11時20分43秒 | Weblog
田母神さんの論文で、一番の急所は
アメリカを侵略国家かどうか?という点にあると
思います。

どういう風にアメリカの現実を認識するのか?

過去もさることながら、現在では、どうなんでしょうか?

保守系さんたち、田母神さんと考えを同じくする
人たちの考えを知りたいと思います。

コメント (3)
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