海側生活

「今さら」ではなく「今から」

浜の子育て盛り

2010年07月07日 | 浜の移ろい

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日課にしている漁港の浜を散歩する。ここの浜はコンクリートに覆われ、波打ち際からスロープになっている。所狭しとばかりに漁船やそれを繋ぎ止めているロープ、様々な網、漁具の数々が置いてある。午後のせいか漁師達は作業も終え人影も疎らだ。

人は居ないはずなのにある浜小屋のほうから、ゴトッゴトッと断続的に音が聞こえてくる。音が聞こえてくる方に眼をやると奇妙な行動をしている一羽のカラスがいる。浜に落ちている子供の握り拳ぐらいの大きさの何かを口に咥え、3メートルぐらい真上にバタバタと言う感じで羽ばたき、咥えたモノを下に落としている。それを注視すると、それはサザエの殻だ。どうして食べられないサザエの殻で遊んでいるのだろうと思った。落とすとすぐカラスは直ぐ降りて来て、サザエの殻を片足で押さえつけ、殻の中を突いている。そして又バタバタと咥えて舞い上がり又ゴトッゴトッと落とす。何回も同じ動作を繰り返している。やがて殻の中のものが取れる状態になったのか、四五回ほど啄ばむと裏山の方に飛んで行き姿は見えなくなった。浜に残された殻を手に取って覗き込んだ、それはヤドカリの一種で、この浜で言うアマガニだった。殻の周りには身の無い足の部分だけが残っていた。

カラスは賢い動物として知られている。問題解決能力に優れ、自動車に木の実を轢かせて割る、瓶の中で水に浮く餌を取り出すために石を沈めて水位を上げるなど、霊長類に匹敵する知的行動も取れるし、さらにヒトの顔を見分けて記憶することが出来るらしい。
今、燕や雀と同じように、裏山のどこかに孵った雛に餌を運んでいるに違いない。一夫一妻制で協力して子育てを行うと言う。

あのカラスに愛称を付けたい。
そして、どんな言葉で挨拶を交わそうか。