黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

一人で行ってはいけない

2016年09月21日 15時36分46秒 | ファンタジー

 先日、初めてのライブ能、宝生会の「八島(やしま)」と「巻絹(まきぎぬ)」を鑑賞した。
能は、テレビでずいぶん前から見慣れてはいる。でも、演じている方々に失礼と思いながら、つい途中でチャンネルを変えてしまうので、実のところ全編を通しで見たことはない。
 今回は勝手知ったる?日本の芸能なので、特別な下調べをしなかった。クラシックバレエに行ったときは、念のため原作のあらすじをざっと頭に入れたことを前日になって思い出したが、ときすでに手遅れ。かなり手強い鑑賞会になるかもしれないという予感がしたので、その夜は少し深酒した。
 当日の会場は二〇〇人ほどの小規模なもので、飲食はもちろん、ガムなどをもごもご噛むことさえ、はばかられる空気なのだ。二つの演目にかかる時間が、一回の休憩をはさんでおよそ三時間半もの長丁場だとそのとき知って身震いした。
 最初の演目の「八島」は、有名な源平の八島(屋島)の合戦が行われた古戦場での話。そこに現れた翁、実は義経の亡霊。その合戦は義経の勝ち戦だったのだが、弓矢を海に流したのが悔しかったと恨み言を延々と述べる。その演技はなかなか鬼気迫るものがあって見入ってしまった。でも字幕なしではほとんど聞き分けられない。
 次の演目は「巻絹」。休憩時間にパンフレットに目を通すと、その舞台が若いころぶらっと立ち寄った熊野本宮だった。筋書きはわかったものの、演目後半の巫女の舞いの迫力について行けないまま、フワッと舞い降りてきた眠気に包まれてしまった。目を開けたとき、しまったと思ったが、事は過ぎ去っていた。それでも隣に妻がいたので、寝息を立てる前に正気を取り戻せたようだ。次は文楽を見てみたい。事前準備を忘れず、前の日にたっぷり睡眠をとって。(2016.9.21)


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