黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

衆議院補選雑感

2008-04-30 02:29:09 | 時事
 今回は,主に国政問題に関する記事ですが,あまり脈絡のない雑感の寄せ集めですので,興味のない人は読み飛ばしてください。

 4月27日,衆議院の山口2区補欠選挙があり,民主党公認の平岡秀夫候補が,自民党候補に2万票以上の大差をつけて当選しました。
 このニュースについては色々な見方があると思いますが,平岡候補はもともと衆議院議員(当選3回)で,前回(2005年)の衆議院総選挙でも,同じ小選挙区で自民党候補に敗れたものの比例区で復活当選していたというのですから,新人である自民党の候補と比べれは,選挙区の地元における地盤や知名度には初めから相当の違いがあり,スタート段階から民主党側に有利な選挙戦ではなかったかと思います。
 したがって,今回の補欠選挙で民主党が勝ったというのも,あらかじめ予想されたことであり,これによって福田内閣への国民の不信任が突き付けられたと言い切ることもできないし,その逆もいえないでしょう。

 ところで,この選挙に関し,黒猫がまず疑問に思ったのは,「現職の衆議院議員が衆議院選挙に立候補できるのか」ということでした。気になったので公職選挙法の規定を調べてみると,103条1項の規定により,比例代表で衆議院議員になった人が小選挙区で立候補して当選すると,当選の告知を受けた日に比例代表議員の職を辞したものとみなされるようです。
 そうすると,平岡氏は当選すれば小選挙区選出の衆議院議員となり,平岡氏の比例代表枠は,前回の選挙で落選した民主党中国ブロックの比例代表候補者が繰り上げ当選する一方,仮に平岡氏が落選していた場合には,そのまま比例代表の議員として残ることができる,というのが正しい解釈のようです。
 ただ,公務員が立候補の届出をした場合のみなし退職に関する公職選挙法90条との適用関係は黒猫にもよく分かりませんし,平岡氏の当選に伴い誰が繰り上げ当選になったのか,誰も関心を持たない理由も分かりません。
 何より,小選挙区で落選した人が復活当選したり,その人が議員在職のまま小選挙区の補選で立候補してきたりするというのは,特に地元の選挙民にとっては相当わけの分からなくなる制度だと思います。現職の国会議員が死亡したり辞めたりすると,その後どうなるのかいちいちマスコミが説明してくれないと分からない選挙制度は,民意の反映という点でいささか問題があるのではないかという感じもなきにしもあらずです。

 一方,今回の選挙は,一体何が争点だったのかよく分かりません。国政レベルでは,ガソリン税の暫定税率や後期高齢者医療制度の問題があり,地域レベルでは地域活性化の問題があったようですが,地元住民が実際に何を重視して投票したのかは,選挙区の住民たちの多くにインタビューやアンケートでもやってみないと分からないでしょう。あるいは,冒頭で指摘したように,単に知名度の差だったのかも知れません。
 また,国政レベルでの争点は,いずれも十分な判断材料が与えられないまま,マスコミで与野党対立ばかりが報じられていて,どちらの言い分が正しいのか判断しようがありません。黒猫が,最近国政の問題についてあまり書く気になれないのは,問題となっている争点について判断することが,企業の財務諸表抜きで,その企業の投資判断をするにも等しいからです。
 ガソリン税の暫定税率問題は,要するにガソリン税の収入抜きで,必要な道路整備を賄うことが可能かどうかという問題でしょう。別にガソリン税の暫定税率を廃止しても,他の財源で必要な生活道路の整備や補修を行うことは可能であり,3月まで徴収されていた暫定税率の使途は大半が無駄遣いだったというのであれば,暫定税率は廃止すべきであり,その復活など認めるべきではないでしょう。
 一方,ガソリン税の暫定税率を維持しなければ,必要な道路の維持や補修もできないというのであれば,廃止は現実的ではありません。もっとも,現状において各地方の道路整備が滞っているというのは,暫定税率を廃止すれば当然それに応じた予算の再配分を行わなければならないところ,福田内閣は最初から暫定税率を廃止する気などなく,税収が入ってこないツケをそのまま地方自治体に回している結果なので,「現状で道路整備事業が滞っている」=「ガソリン税の暫定税率抜きで道路行政は回らない」という結論が出てくるわけではありません。
 後期高齢者医療制度というのも,結局は財源の問題であり,新しい医療制度には老人を姥捨て山に捨てるような「高齢者切り捨て」という面があるようですが,問題はそこまでやらなければいけないほど医療財政が逼迫しているかどうかです。医療財政が相当苦しいこと自体は間違いないでしょうが,切り詰めるにしても他に無駄な部分はないのか,他に合理的な切り詰め方はないのかということが当然問題になってきます。
 どちらの問題にせよ,十分な知見を持った人が議論を尽くして制度が設計されているとは思えず,それを自民党が強行採決で法律化して民主党がそれに反発しているという,一向に議論のレベルが上がらない抗争が繰り返されているというのが黒猫の印象であり,本当の問題に国が正面から向き合えない,これが末期症状にある国の政治の現実なのかな,と思ってしまいます。

 ちなみに,マスコミの社説は,最近なぜか自民党に好意的なものが多いようであり,黒猫の自宅で取っている日経の社説も民主党批判が多く,なんでこんなに自民党をヨイショしているのか理解できないところがありますが,少なくとも今回の選挙を見る限り,新聞等の社説が世論に与える影響力には限度があるようです。
 もっとも,テレビを観ていると,ある日は自民党に有利な情報を流していたり,ある日は不利な情報を流していたり,ほとんど日毎に論調が変わっているので,第四の権力と言われるマスコミが,全体としてどちらに付いているということは,一概には言いきれないところがあります。
 これは,現代の日本に限った話ではなく,例えばナポレオンがエルバ島から脱出してきたときのパリの新聞報道も,日を追うごとに論調が変わっていたそうです。
 ナポレオンが,エルバ島を脱出してカンヌに上陸し,パリに着くまでの新聞記事の変遷ぶりは,『ナポレオン戦争全史』によると,次のようになっています。
 「コルシカの兇漢,カンヌに上陸」
 「軽率な簒奪者がグルノーブルで歓迎さる」
 「ボナパルト将軍,リオンに進入(3月13日)」
 この日,同盟国はウィーンで緊急会議を開いてナポレオンを「無法者」と決議し,再びフランスを軍事占領することに決めたが,16日には国王ルイ18世は逃亡し,タレイランもウィーンに亡命。そして
 「3月20日夕,皇帝はチュイルリー宮に御帰還」

・・・古今東西を問わず,マスコミというものは別に世論を動かしているのではなく,所詮は強い方に味方して騒いでいるだけなのかも知れません。

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
羞!恥!心! (金太郎)
2008-05-06 18:34:21
まさか家のエレベーターでフ ェ ラされるなんて思ってなかったよ。。ww
「ここでフ ェ ラさせてくれたらもっと報 酬あげるよ♪」
って言葉に負けましたwww
途中で扉が開いた時は焦ったけど、おかげでもっとオッキしたwww
http://b-key.net/fesarinko/cEsp1RsO
返信する
Unknown (Unknown)
2008-05-06 22:45:23
上のコメントしたやつ、ゴミだな。コメントする場所を考えろや、この脳なしが!!
返信する
うぉお!もう何でもアリww (旬くん)
2008-05-12 14:44:44
ホテルの部屋に入った瞬間にいきなり豹変してパックンされたw
そのまま顔にぶっかけたら20マンくれてテンションぶちアゲwwww
金持ちってホント底無しだよな・・wwwww
http://wiiwi.net/pard/DCaX0trT
返信する