黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

法科大学院教員を「格付け」してみよう

2013-06-14 20:36:30 | 法科大学院関係
 以前にも紹介した「広島修道ロースクール生の日常」というブログで,「8流教員の実態」という記事が載っていました。
<参 照>
8流教員の実態(1章)
http://blog.goo.ne.jp/totori8383/e/000c7869899feee2e36473da303c6b6e
8流教員の実態(2章)
http://blog.goo.ne.jp/totori8383/e/49da900bc5d99e2199fee9a04542f45d
8流教員の実態(3章)
http://blog.goo.ne.jp/totori8383/e/daa8effed6cd98ee4259d2c64a97c055
8流教員の実態(4章)
http://blog.goo.ne.jp/totori8383/e/f7792d09c85b58486a375959be6e0ff2

 黒猫はこのブログで,かなり長いこと法科大学院批判を続けてきましたが,実際の法科大学院の授業がどのように行われているかは,情報が極めて乏しい中での記述を余儀なくされてきました。しかし,この問題については,そもそも自分の実体験だけで問題を適切に語るのは極めて難しいという側面があります。

(1) 旧司法試験の合格者で,法科大学院教育に携わっていない人
→法科大学院教育の内容は伝聞でしか知り得ないので,なかなか思い切った批判ができない
(2) 旧司法試験の合格者で,法科大学院教育に携わっている人
→法科大学院業界に取り込まれてしまった人間であるため,法科大学院に批判的なことはなかなか言えない
(3) 法科大学院の修了者で,司法試験に合格した人
→旧試験時代のことは伝聞でしか知らない(しかもその伝聞は,多くが誤解と偏見に満ちている)
 法曹界で生き残っていくことで精一杯であるため,体制批判のようなことはあまり言えない
 法科大学院についても,実は自分の出身校のことしかよく知らない
(4) 法科大学院の修了者または中退者で,司法試験に合格できなかった人
→負け組だと非難されることを恐れ,なかなか声を挙げられない
 司法修習以後のこと,及び旧試験時代のことはよく知らない
 法科大学院についても,実は自分の出身校のことしかよく知らない
(5) 上記のいずれにも属しない人(法科大学院の研究者教員を含む)
→そもそも司法試験や法曹界のことをよく知らない

 黒猫自身は上記分類の(1)に属しますが,要するにどのような立場の人が法科大学院制度を語るとしても,自分の実体験のみで語るのではなく,法科大学院に関し様々な経験をした人から情報を集めるのが必要不可欠になるわけです。そのような関係から,法科大学院の一学生と思われる上記ブログ氏の記事も資料として一読する価値があるわけですが,ブログ氏の語る1流・3流・5流・8流という用語の使い方はよく意味が分からないので(なぜ2流・4流・6流・7流がないのか?)ので,このブログでは別の概念を使って法科大学院教員の「格付け」を行うことにします。
 現在の司法試験では,受験生の答案が「優秀」「良好」「一応の水準」「不良」の4段階に大きく格付けされ,毎年公表される「採点実感等に関する意見」では,設問ごとに例えば「優秀」と評価されるのがどのような答案か,といったことが説明されるようになっています。この概念を流用して,上記の4段階に格付けされる教員にそれぞれどのような人がいるのか,上記ブログ氏の話やこれまで黒猫にメールを下さった人の話などを総合すると,概ね以下のようになると思われます。

<参 考> 論文式試験の採点方針(平成24年度)→資料リンク
(1) 白紙答案は零点とする。
(2) 各答案の採点は,各問の配点に応じ,次の方針により行う。選択科目において傾斜配点をするときは,これに準ずる。
ア 優秀と認められる答案については,その内容に応じ,100点満点であれば100点から75点の範囲。
  ただし,抜群に優れた答案については,95点以上。
イ 良好な水準に達していると認められる答案については,その内容に応じ,74点から58点の範囲。
ウ 良好とまでは認められないものの,一応の水準に達していると認められる答案については,その内容に応じ,57点から42点の範囲。
エ 上記以外の答案については,その内容に応じ,41点から0点の範囲。
  ただし,特に不良であると認められる答案については,5点以下。
(3) 採点に当たってのおおまかな分布の目安を,各問の配点に応じ次のとおりとする。ただし,これは一応の目安であって,採点を拘束するものではない。
ア 優秀と認められる答案 5%程度
イ 良好な水準に達していると認められる答案 25%程度
ウ 一応の水準に達していると認められる答案 40%程度
エ 上記以外の答案 30%程度
※ このブログでは表を使えない関係で,記述内容を原文から一部変更していますが,本質的な違いはありません。

● 「優秀」と認められる教員の例(5%程度?)
 自らの担当科目について一定以上の学識または実務経験を有し,ある程度学生の立場に立った有益な授業をすることができる。
 研究者教員の場合,必ずしも司法試験に合格していることは要せず,また自らの担当科目以外の分野に関する基本的な知識が欠けている(例えば憲法の教授が行政法分野についておかしな事を言ったりする)程度は,差し支えない。
 概ね,上記ブログ氏の語る「一流教員」に該当し,一流の法科大学院で教えている評判の良い教授等がこれに該当するが,その数は必ずしも多くないように思われる。
 民主党の前川清成議員が語る中央ローの教員は,研究者教員でありながら司法試験に合格し修習にも行っているようなので,おそらくは「抜群に優れた教員」に該当すると思われるが,一流の法科大学院でもそのような教員はむしろ少数派であろう。

● 「良好な水準に達している」と認められる教員の例(25%程度?)
 自らの担当科目について一応の学識経験を有しているが,受験生の立場や司法試験の内容をあまり考慮せず,ほとんど教育効果のないソクラティック・メソッドによる授業や,司法試験や実務では到底使えない独自の見解などにこだわったりする。
 もっとも,学生が司法試験で結果を出さなければならないこと自体は理解しており,学生が授業に出席しながら内職(司法試験や予備試験対策の勉強)をしていたり,出席簿は友人に代筆してもらい授業には事実上欠席しているような学生でも,期末試験の成績さえ良ければ特に文句は言わない。
 概ね,上記ブログ氏の語る「三流教員」に該当し,研究者・実務家としては有名だが法曹養成への意欲に欠ける者,裁判官・検察官等の天下り組や定年後の再雇用組等にこの傾向が強い。一流の法科大学院では評判が悪いものの,それでも地方の下位校などでは有能な教員とされる。

● 「一応の水準に達している」と認められる教員の例(40%程度?)
 自らの担当科目についても十分な素養を有せず,自らの狭い興味関心に著しく偏った授業を行ったり,そもそも何を言っているのかよく分からない授業を展開したりする。もちろん,このような授業が司法試験や実務の役に立つことはなく,学生が司法試験に合格するには,このような教員の授業は適当にこなして別途予備校で勉強することが不可欠である。
 概ね,上記ブログ氏の語る「五流教員」に該当し,前川清成議員の語る日大や鹿児島大の教員も概ねこのカテゴリーに該当すると思われるが,それでも学生のやる気を積極的に殺ぐようなことはしないので,自ら入学した下位校の教員が概ねこのレベルにとどまっているのであれば,学生は自らの幸運を喜ばなければならない。

● 「不良」と認められる教員の例(30%程度?)
 もはや,自らの担当科目について素養を有するかというレベルの問題ではなく,「授業」の内容は他の学者への悪口,学生への八つ当たりや単なる愚痴など,聴くに堪えないものが多い。普通に考えれば,そのような教員が法科大学院にいられるはずはないように思われるのだが,不良教員は様々な「工作」を使って自らの無能ぶりを隠蔽しようとする。
 その「工作」内容は教員によって様々であるが,例えば学生のうち数人を飲み屋やカラオケ屋に誘って買収し自分を称賛させ,素直に自分を称賛する学生には成績も高い評価を与える一方,そういう飲み会に出席しない学生は容赦なく単位を落とす,といったことを平気でやるらしい。予備校などで既に法律学を勉強した学生が,不良教員の間違いを指摘するなど絶対やってはいけないことであり,そのような学生は恣意的に単位を落とされるなど,大抵手ひどい報復を受ける。
 授業の録音は禁止しているのが一般的であり,学生がこっそり授業内容を録音しようとしても,少人数教室でありしかも教員はマイクが隠してありそうな遮蔽物の存在には十分注意を払っているので,録音は容易ではない。そんなことに注意する余裕があるなら少しでも授業内容を改善しようと思わないのかと言いたくなるが,決してそのようには考えないのが,不良教員の不良教員たる所以である。
 概ね,上記ブログ氏の語る「八流教員」に該当する。こんな教員はいてもごく少数だろうと思いたいところだが,修了生などが最近ぽつぽつ語り始めたところを総合すると,成績下位の法科大学院ではそのような教員の数は結構多いらしく,不良教員を「全体の約30%程度」と表現するのもあながち誇張とは言えないように思われる。
 このような教員の下では,自らの良心を捨て教員に媚びへつらう術を会得した者しか法科大学院を修了できず,心ある学生はやる気をなくし,法曹になろうという意欲を失ってしまう。運良く修了できても,下位ローを修了する能力と司法試験に合格する能力は全く別物であり,司法試験に合格できるかどうかは自らの能力と努力次第である(法科大学院側もそのように認識している)ほか,数少ない合格者もひたすら目上の者に従順であれという精神を法科大学院の「教育」で叩き込まれており,それが法曹にとって不可欠の資質であるかのように勘違いしてしまう懸念がある。


 今ある情報を総合すると,概ねこんなところでしょうか。もっとも,特に不良教員の実態については情報量が少ないので,まだまだ不十分かも知れません。他にもこんなひどい教授がいるのでブログで紹介してほしい,あるいは法的措置を取りたいなどと思っている人は,9605-sak@mail.goo.ne.jpまでメールください。

85 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2013-06-14 21:38:41
黒猫さんを弁護士として格付けしたら「著しく不良」ですね。
ロクに仕事もせず、他人のアラを探して批評してるだけだからねぇ
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-14 21:38:59
弁護士になるより教授になる方が簡単なら教授になればいい。

下位ローの愚痴を優良ローの意見と混同するとおかしなことになると思います。
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-14 21:41:17
下位ローの教員が8流なら学生も8流だと考えるのが妥当。
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-14 21:44:55
政府も下位ロー切り捨てを始めようとしている。
8流大学は放っておけば廃止となるので8流教員も消滅するのでは?
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-14 21:48:22
今のすかすかの定員割れで下位ローにしか進学できない学生ってどんな学力なの?
8流以下なのでは?
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-14 22:14:16
なに、旧司短期合格してもその後8流にしかなれなかったブログニート弁護士もいるから、ローが8流でも本人努力すれば大丈夫でしょ
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-14 22:34:28
構ってちゃんたち。
黒猫さんが帰ってきてよかったね♪
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-14 23:16:34
若干の誇張がある気がしますが、なかなか全否定出来ないとこが恐ろしいですね。
黒猫氏のおっしゃる一応の水準の教員は不良で、不良の教員は悪、というような気がするのですが。。。
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-15 00:07:07
今度は他人のブログを漁って格付けですか

お気楽な身分ですね
返信する
Unknown (Unknown)
2013-06-15 00:12:30
そんなどーでもいいコメントしたって反論になってないよ
返信する