BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

無言の愛の交換

2019年12月13日 | その他
中村 哲さんがアフガニスタンの地で灌漑工事現場への移動中、襲われ銃殺された。
中村さんの著作は何冊か読んでいる。登別博物館の書棚に白い布に養生され今は眠っている。
アタシが最も今回の件で心に残るのは、奥様と娘さんが初めて柩に納められたご遺体と対面した時の様子だ。
奥様は深い悲しみの中、静かに同志としての矜持をもって対面し、無言の愛の交換をしていた。
娘さんは静かに「おつかれさまでした」と万感の思いを発し頭を下げた。これは関係性として見事だ。
取り乱すこともなく、大声で泣くこともなかった。中村さんにしてこの母娘だと思う。見事だ。

そしてご遺体が飛行機でアフガンを離れる時、その柩を先頭で担いだのはアフガニスタンのガニ大統領だった。
このことを持っても中村さんがアフガンにて、砂漠地帯を緑の沃野にと、どれほどの貢献をしたのかが分かる。
にしてもだ日本の政府、出迎えたのは外務副大臣とわずかな役人だけ。
外遊が大好きな日本の首相、こんなときこそ出迎えるべく政府専用機に乗って、行くほどの人ではなかったのか。
もっとも中村 哲さんは、ちっともそんなことを喜ぶことではなかったろうが。
言を左右にして答弁するだけの嘘つき安倍総理・政権など要らない。

遺骨は日本とアフガニスタンの地に分骨されると聞いた。

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