BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

涙 腺

2013年12月04日 | 古本
 2冊の単行は大当たりだった。桜木 紫乃さんを待っていたのだ。
 桜木さんのはこれが直木賞でも良かったくらいだ。ともすると長すぎる仕事の書
き様が、短編連作だと丁度よくなる。
 これ映画の原作になってもいい。脚本さえ良ければ「北のカナリアたち」をはる
かに凌駕するだろう。2つだけ気になる。北の日本海〔加良古路島〕はないだろう。
天売島とか焼尻島とか礼文島とか利尻島と書いてもなんの問題も無いと思われ。
それとK高理数科とかH大医学部とかわざわざイニシャルにしなくても。釧路の
JAZZ喫茶〔ジス・イズ〕が実名なのにさ。
 北上 次郎さんが帯に書いている。<読後も、静かに残り続ける。>
 「ワン・モア」 著者 桜木 紫乃  角川書店 定価1500円+税
  ( 2011年11月30日 初版発行 )

 涙腺の弱くなったアタシは何度も目頭を熱くした。集落人口100人の地域での
小さな本屋さんと併合雑貨店のハート(心)ショップのお話し。
 井原 万見子さんはその奮闘ぶりを声高には言わない。が、子供たちや地域を巻き
込んで絵本の原画展や読み聞かせを計画していく。やがてはその地域全体に素朴な
趣旨が広がる。まことに凄い小さな本屋さんだが〔すごい本屋!〕というタイトル
のセンスはどうかな。(ご本人は抵抗したが、編集者が押した)
 「すごい本屋!」 著者 井原 万見子  朝日新聞出版 定価1600円+税
  ( 2008年12月30日 第1刷発行 )

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