BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

ルピナスの花

2014年07月01日 | その他
 そこを通りかかったのは3月中旬、まだ雪に覆われた駅舎を一瞬にして通過した。その
一瞬を忘れがたく再訪してみると、そこは自然発生したルピナスの花がホームと駅舎周りに
群生していた。
 2001年6月30日で役目を終えた奥白滝駅は、自然だけが伸び伸びと育っていた。
出入口はベニヤ板で塞がれ、窓は元は白色だったと思われるカーテンに閉ざれ、人の足と
目を拒んでいるかのようだ。かっては旅館や鉄道官舎、個人商店が在ったというが、その
建物の痕跡のかけらも今はない。線路の向こう側は人が関わった歴史さえ想像つかない深い
森だ。

 してすぐ近くの〔道の駅しらたき〕はどうにも人寂しい。一応用意はしてあるももの夜中
にクマにドアをノックされかねないのだ。アタシは予定を変えて30K先にある同じ町の
道の駅〔まるせっぷ〕に河岸を変えた。この夜、なんとなく身体が痒い。悪い予感がした。
昼間、車の中でジーパンの上にもぞもぞしている〔ダニ〕を1匹見つけていたからだ。チリ
紙で取って指で強い圧力を加えてツブした。そーっと紙を開くと足をバタバタして生きてて
いる。カメのように甲羅が硬いらしい。こんどは両親指の爪を強く押し当てそのままガム
テープに包んだ。1匹いたのだからまだどこかに取付かれていても不思議はない。
 笛や鈴、爆竹とクマ撃退スプレーなどは用意いていたが、〔ダニ〕の事までは思い至ら
なかった。してその心配は家に戻り、痒い辺りを鏡に映して見るとやっぱりだった。右脇の
腋毛が疎になった辺り、幅4mm縦6mmくらいな楕円が赤くなっている。左手で触ると
やや盛り上がりを感じる。アタシは右手を首に回し、鏡を見ながら左手で爪をたて、剥ぎ取
った。目をこらすと足をもぞもぞさせ、生きているのだ。
 うむー、無事に戻ったのだから文句は言うまい。しかしアタシはワキが甘かったという
ほかはない。チャンチャン(笑)

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