BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

爽やかに

2018年03月01日 | 古本
ナンシーさんのはほとんど読んでいるがなんしろ手元にはない。まあ安いし、2度読みもいいだろうと
「小耳にはさもうと」と「聞く猿」の2冊を。驚くのはここで取り上げている人物の半分がアタシが知
らないかもう消えた人だ。それだけ入れ替わりや、消えていくタレントも多いという事か。ただ何年経っ
てもその筆致が正しい事が見て取れる。関さんはほとんど表に出ず、タレントなどとはなれ合いを避けた。
マツコ・Dさんなどは出る幕は無かったろうに。(体形は似ているのだがね)
全く惜しい人を早くに亡くしてしまったもんだ。今生きていたらネタに困ることも無く、健筆をふるって
いたのに違いないのだが、なんとも今更ながら惜しい。
1996年11月30日 第5刷発行と、1998年2月20日第4刷発行。今から20年前だがちっとも
古くならないのが「ナンシー関」さんだ。

高倉 健さん、一筋縄ではいかない人だとは思っていたが、巷間言われていた人物とはやはり相当違う。
彼をお慕い申し上げた女優は枚挙にいとまがないし、あらゆる分野の人とのつながりが多くて、たとえ
それがヤクザであっても拒まなかった。しかしそれを巧妙に隠し続けた人生は「闇」だったのだろうか。
作品スタッフに対する気遣い伝説は本当らしいが、高い時計やコートなどをさり気なく周りに呉れてや
れたのも、持っている物が多すぎただけなのか。
以前、健さんの著作「あなたに褒められたくて」を読んで書いたのだが、自分が何をしたのかではなく、
他人が自分に何をしてくれたのかを多く書いた。にしても死の直前に入籍した養女にやられ放題は気の
毒だ。遺骨さえどこにあるのか分からないらしい。まさに「死はたたみ一畳で足る爽やかに」だ。
 「高倉 健 七つの顔を隠し続けた男」 著者 森 功  講談社 定価1600円+税
  ( 2017年10月11日 第4刷発行 )