フランスの詩

宮之森享太 翻訳

2009-08-23 | Weblog
                   岬

 黄金の夜明けと揺らめく宵は、あの別荘と付属施設の正面の沖合に、ぼくたちの帆船を見いだす。それらの建物は岬を形成し、その岬も、エペイロスとペロポネソス半島や、日本の大きな島や、はたまたアラビア半島ほどの広がりがある! 代表団の帰還を照らす数々の神殿、現代的な沿岸防御施設の巨大な眺め、情熱的な花々とバッカス祭の絵が飾られた砂丘、カルタゴの大運河と怪しいヴェネチア風の堤防、エトナ山のゆるやかな噴出と花々や氷河の水があるクレバス、ドイツのポプラで囲まれた共同洗濯場、日本の木の梢をかしげている特異な公園の斜面、スカーブロかブルックリンにある《ロイヤル》か《グランド》の円形の正面、その鉄道はそのホテルの配置に、並び、潜り、張り出している、そのホテルはイタリア、アメリカ、アジアの最も優雅で最も巨大な建造物の歴史から選ばれていて、今、照明と飲み物と豊かな微風に満ちたその窓々やテラスは、旅行者や貴族たちの精神に開かれ ― 昼間は海岸ですべてのタランテラに、― そして技法が名高い谷間のリトルネロにさえ、宮殿の数々の正面を見事に飾らせている。岬。