OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

林哲司はAOR歌謡の第一人者かっ!?

2020-11-24 20:23:52 | Singer Song Writer

シリー・ガール / 林哲司 (invitation / ビクター)

シンガーソングライターとは自作自演歌手の総称ではありますが、そのジャンルで活躍しているミュージシャンには堂々の両刀使いよりは、どちらかと言えばソングライターとして裏方に徹している面々が多い様にも思えますが、それにしたって最初は歌手だったという履歴は簡単に捨てられるはずもなく、また周囲も放ってはおかないのが芸能界の理なのでしょう。

実際、現在の我が国だけを見渡しても、例えば弦哲也、岡千秋、徳久広司、杉本眞人=すぎもとまさと等々の売れっ子作曲家にしても、過去にはレコードを出していたり、弾き語りをやっていたキャリアの中から、注目を集めたのは自らの歌手活動よりは、ソングライターとしての才能だった事は有名ですし、だからこそ、あらためて自分名義のヒットレコードを製作出来ているのは言わずもがな!?!

本日掲載のシングル盤の主役たる林哲司も、全くそのとおりの才人であり、作編曲家として最初に注目されたのは、「真夜中のドア / 松原みき」や「キャッシーの噂 / 大橋純子」等々のヒットが認められた昭和50年代前半からでしょうし、以降はアイドルシンガーやニューミュージック系のボーカリスト&グループに楽曲を提供し続けているわけですが、その作風はAORっぽい歌謡曲であり、フュージョン系ハードロックや演歌ロックまでも薬籠中の手際は流石と思うばかり!

とはいえ、実は林哲司にしても、芸能活動のスタートはシンガーソングライターであり、リアルタイムでは売れなかったんですが、それなりに充実したポップス系ソフトロックのレコードを作っていたのが昭和48(1973)年頃の活動でした。

サイケおやじは、偶然にも件のLP「BRUGES〜ブルージェ(ポリドール)」のカセットコピーを当時、知り合いから貰ったもんですから、ある時期には所謂ヘビロテになっておりまして、その内容は今となっては凝り過ぎという感もあるほどに、ポール・マッカートニーやバート・バカラック、都会派フォーク歌謡等々がゴッタ煮(?)みたいな印象だったんですが、シンプルなロックっぽさが聊か不足している様なところがイマイチ、サイケおやじの好みから外れていた事は確かです。

そして時が流れました。

前述したとおり、アイドルやニューミュージック系のシンガー等々のレコードで発表される楽曲群の中に「林哲司」という名前を多く確認出来る時代になってみれば、そ~いえば昔、この作曲家の歌を聴いていた記憶が蘇り、ちょうどそんな頃だった昭和55(1980)年晩秋に耳に入って来たのが、掲載したシングル盤A面曲「シリー・ガール」でありました。

それはスバリっ!

所謂アーバンメロウなAOR歌謡であり、ボズ・スキャッグスが丸出しと言えばミもフタもありませんが、それでも作詞:竜真知子&作編曲:林哲司のクレジットからは明確な意図が読み取れると申しましょうか、如何にも都会派のフィーリングには、決して上手いとは言い難い林哲司のボーカルがジャストミートしていますし、まさにジャケ写のイメージに偽り無しってなもんでしょうか。

う~ん、思わず本家(?)ボズ・スキャッグスのレコードを出してしまいそうになる自分が怖くなるほどです (^^;

ということで、ソングライターとしての林哲司が気になっている皆様であれば、このシングル盤と同時期にに制作されたLP「サマー・ワイン」も絶対に楽しめると思います。

好き嫌いがある事は確かでしょうし、デッドコピーだとかモノマネだとか、そんなこんなの悪評も当時からありましたが、それを言い出したら、大衆音楽の大半は聴けないでしょう。

要は、自分の好みに合った音楽が聴けるレコードが、そこにあればイイっ!

ってだけの話かと思うばかりです。

う~ん、林哲司の関わった楽曲だけを集めたコンピレーション盤があれば、衝動的にゲットしてしまいそうな気分であります (^^;

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« そ~言われたって、気になる... | トップ | 追悼・筒美京平:夜汽車のグ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (上星川)
2020-11-25 21:45:44
林哲司は半田健人と二人で昭和音楽堂という長寿のラジオ番組をやっています。記憶では10年以上かな?たびたび京平特集とか林氏自身が関わった楽曲の特集をしています。ご参考までに。静岡放送をキー局にして数局が放送しています。ラジコプレミアムなら聴けると思います。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Singer Song Writer」カテゴリの最新記事