OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

凄くて楽しい非公式音源

2008-04-02 19:52:43 | Weblog

私用のPCが不調で苦しみました。ようやく動くようになりましたが……。

そんなこんなで本日は、最近入手した、これを掲載してみました。

The 1961 Helsinki Concert / John Coltrane (Gambit)

公式音源ではありませんが、昔からテープトレーダーの間では有名だった音源が、どうやら初めてパッケージ化されたCDのようです。

収められているのは、まずタイトルどおりのヘルシンキにおけるジョン・コルトレーン・クインテットのライブで、もちろんエリック・ドルフィーが特別参加している凄すぎる演奏です。

そしてボーナストラックが、これまた気になるという、1960年4月の欧州巡業からのライブで、実はマイルス・デイビスのバンドからボス抜きセッション!

☆1961年11月22日、ヘルシンキでのライブ
 01 Impressions
 02 My Favorite Things
 03 Blue Train
 04 I Want To Talk About You

 メンバーはジョン・コルトレーン(ts,ss)、エリック・ドルフィー(as,fl)、マッコイ・タイナー(p)、レジー・ワークマン(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) というガチンコな面々!
 まず初っ端の「Impressions」からド肝を抜かれます。正統派を貫くテーマ吹奏のジョン・コルトレーンに絡むエリック・ドルフィーのエキセントリックな雰囲気、そしてジルジルに煮詰まりながら苦闘の音符過多症候群に陥るジョン・コルトレーンを嘲笑するかのように、軽々とブッ飛びのアドリブに突入するエリック・ドルフィーのシュートな体質が強烈なんです。これには重量級のリズム隊も呆れ顔というか、それが音だけで分かるんですねぇ、私の思い込みかもしれませんが♪
 またジョン・コルトレーンのハードバップ的な代名詞「Blue Train」は、オリジナルバージョンのブルースな雰囲気が粉砕され、逆に暗黒面のフォースが表出した恐さがあります。う~ん、なんか自分て苦しんでいるようなジョン・コルトレーン……。エリック・ドルフィーは些か迷い道ながら、けっこう演奏を楽しんでいる雰囲気でしょうか。
 ですから至高のバラード演奏「I Want To Talk About You」が始るとホッとします♪ これが実に素敵な仕上がりなんですよ。マッコイ・タイナーもノッていますし、後年はウリとなっていたジョン・コルトレーンによるラストテーマの無伴奏ソロが無いのも、逆に潔いところです。
 ただし20分を超える長時間演奏の「My Favorite Things」は、苦渋に満ちた我慢大会……。ちなみに付属ブックレットの解説によると、当日の演奏順は「Blue Train」「I Want To Talk About You」「Impressions」そして「My Favorite Things」だったようですから、これも致し方ないところでしょうか……。当時のジャズが本当に持っていた勢いの成せるワザかもしれません。
 気になる音質は、高音域が不足気味ながら、全く普通に聞けるレベルだと思います。

☆1960年4月1or4日、ドュッセルドルフでのライブ
 05 On Green Dolphin Street
 06 Walkin'
 07 The Theme

 さて、これが謎の演奏というか、まず録音日がこのCDでは4月1日とされていますが、私が持っているカセットコピーには4月4日と記されていますし、各種資料でも4日だと思われるのですが……。
 メンバーはジョン・コルトレーン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds) という説明不要の素敵な面々♪ そして当時はマイルス・デイビスのバンドレギュラーとして欧州巡業中だったこの面々が、何故、ボス抜き演奏をやってしまったのか……? 実は残されているのは、この3曲だけみたいですが、ちゃ~んと大きな会場でのライブの様ですから、推察すれば本来のステージでマイルス・デイビスに何らかのトラブルがあったという事でしょうか?
 それはそれとして、まずスローでドラマチックなイントロからお馴染みのテーマメロディが嬉しい「On Green Dolphin Street」は、ジミー・コブのブラシも凄みがあり、ジョン・コルトレーンのテーマ吹奏から何時しかグイノリのアドリブに入っていくというワクワクする展開です。そのアドリブスタイルは歌心と音符過多症候群のバランスが最高という、この時期だけの奇蹟の一瞬で、私は大好き♪ リズム隊の躍動感もたまりませんねぇ~♪
 そして続く「Walkin'」は、中華メロディみたいなテーマ吹奏が笑えますが、直ぐに豪快なアドリブで突進するジョン・コルトレーンにゾクゾクしてきます。烈しく暴れるテナーサックスに揺るぎ無いスイング感で対抗するリズム隊の物凄さ! これがジャズです! ウィントン・ケリー万歳! 野太いウォーキングのボール・チェンバース、リムショットが冴えるジミー・コブという黄金のリズム隊は、やっぱり素敵ですねっ♪
 楽しく飛び跳ねた「The Theme」も実に良い雰囲気です。
 音質も部分的に不安定ながら、全体としては普通に聞けると思います。

ということで、珍しい音源でありながら内容は極上です。前半は過激、後半は和みというプログラムもニクイところでしょう。特にボス抜きセッションの後半なんか、全員がノビノビ演じているのがミエミエの楽しさですよ♪

やっぱりジャズは凄くて楽しいものだと思います。

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