乳幼児の髪の毛の伸びが良くない時、こんなことがしばしば言われたものです。
「一回、てんてじぐ(ツルツルに)剃ってければ、えぇ髪ッコおがってくるべどもナー」
何となく、プレッシャー。でも、そんなふうに言われても、剃りたくはないというのが偽ざる本音。実際に効果があるかもしれないけれど、認めたくないっていうわけです。
言う方も、ちょっといやらしい。「おがってくるべどもナー」というのを標準語で表すと、生えてくるんだろうけどナーとなります。断定することもせず、一般的な経験則として、さりげなく押し付けて?くる。
そういう言い方が、プレッシャーに感じたり、カチンと来たりするのは無理からぬことだと思います。
こういう時、とりあえず「んだがもしれねナー(そうかもしれないねー)」と応じて、あとは知らんぷり。こんな対応がパッとできたら、あんまりストレスが溜まらないかもしれませんね(笑)。
我が家の話ではありません。農村できっと多くの人が一度は耳にした話。今だったら、聞くこともない話かもしれません。
「あのよぉ、今のオレみたいになっても、剃ってみれば、えぇ髪ッコおがってくるべが?」
「どうだろうね。やってみればいいじゃん」
「おかねくて(恐くて)でぎねー」