ほっとぬくもり岐阜

パーソナリティ 小倉理恵  毎週土曜日 9:00~9:30

『剣岳―点の記』木村大作監督にお越しいただきました。

2009年02月07日 10時37分20秒 | 小倉理恵の日記
今日の映画のコーナーでは、映画『剣岳―点の記』の木村大作監督をお迎えしました。



木村監督は、50年以上にわたって日本映画界を支えてきた名キャメラマン。

黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』(58年)で映画界に入り、
『八甲田山』(77年)や高倉健さん主演の『駅 STATION』(81年)
『鉄道員(ぽっぽや)』(99年)を含めて、50本の映画を手掛け、紫綬褒章を授賞されている方です。


そんなキャメラマン木村大作氏が初めて監督を務めたのが、この『剣岳―点の記』。

明治40年、陸軍の命令で日本地図を完成させるために、剣岳に命をかけてのぼった測量隊を描いた作品で、原作は新田次郎氏。キャストは浅野忠信、香川照之、松田龍平、宮崎あおい、仲村トオル、役所広司他。



キャメラマンとして50年が過ぎた今、なぜ初監督を務めたのか。この映画にかける想い…。そして、とにかく過酷だったという撮影秘話を語ってくださいました。

撮影は順撮り。剣岳の頂上は2999m。真夏でもとけない雪の中、いっさいのCGは使わず、すべてありのままの自然を捉えました。その分危険なこともたくさんあり、雪崩のシーンでは、4台中3台のカメラが流されたそうです。

相手は大自然だからシナリオはその場でどんどん変わっていく。やがて、だれも現場には台本を持っていかなくなったそうです。臨場感あふれる映像はこうして撮られているのです。



この車はなんと監督のマイカー。
宣伝カーにアレンジしたのも運転もご自身。公開日までに47都道府県を回ります。

こんなこと今までどの監督もやったことはありません。車にも書かれています。「誰かがやらなければ、道はできない」



1月30日には、岐阜市柳津のカラフルタウン岐阜にあるTOHOシネマズ岐阜で試写会が行われました。




実は、上映が終わった後、会場から拍手が沸き起こったんです。そのあと30分以上、木村監督とお客さんとの熱い語らいが続きました。この時監督はマイクを使っていないことにびっくりしましたが、その方が、気持ちが伝わるからなんだそうです。



この映画をみて大げさかもしれないけれど、私は自分の役割ってなにかなと考えさせられました。監督がおっしゃるように、きっと誰もが何かを感じられる映画だと思います。日本人の魂に訴える映画です。ぜひご覧ください!

『剣岳―点の記』
6月20日全国公開