イース(Ys)は、1987年に日本ファルコムより発売されたアクションRPG。
1987年にオリジナルの第1作目がNECの8ビットPC・PC-8801で発売され大ヒット作となり、国内のほとんどの主要なPC、コンシューマーに移植されました。現在ではイースⅦまで続編が作られています。名実ともに日本ファルコムを代表する作品であり、アクションRPGというジャンルを代表する作品といってよいかと思います。それまで難解さが売りの一つであったRPGというジャンルに、遊びやすさという方向性を提示しました。発売時のキャッチフレーズは、『今、RPGは優しさの時代へ』。
翌88年には、続編であるイースⅡが発売されています。イース1とイース2は、元々一つの物語として構想されており、発売当時には容量の問題で2つの作品として発売されています。そのため1作目から2作目へは、時間的にもダイレクトに繋がっており、以後はイースⅠ・Ⅱとしてカップリングされて販売されることが多くなっています。写真のものは、MSX2版のイースⅡ。帯にイースⅡは、イースの続きですとの注意書きがあり。
内容物。ハードカバーのマニュアル、フロッピー3枚組み、アンケート葉書。
マニュアルは、両側から読める仕様になっており、冒険の手引きと操作の手引きの解説がしてあります。冒険の手引きは、漫画というよりは絵本調、絵物語調になっており、世界観や物語の経緯などが記されています。物語は、赤毛の冒険家アドル・クリスティンが、イース世界を手中にしようとする魔導師ダルク=ファクトの狙いを阻止しようとするというもの。
おなじみの前作のクライマックス。ここまで経緯を説明した後で、そのままゲーム世界へと入ってゆく形になっています。イラストは、都築和彦氏の手によるものと思われます。
こちらは、翌89年に発売されたイースIII -ワンダラーズフロムイース-。元々は別の作品として企画されており、イースの大ヒットを受けて、外伝的な扱いで登場したという経緯のようです。そのためアドル・クリスティンは登場しますが、舞台等は前作とはつながっていません。ゲームシステムも大幅に変更されており、見下ろし型からサイドビューとなり、アクション性の強い作品となりました。スクロールが得意でなかった当時のPCで、スムースなスクロールと大きなキャラを実現しており話題となりました。
こちらは、同89年発売のMSX2版。3.5"2DD五枚組み。ハードカバーのマニュアル、マウスパッド、アンケート葉書。
マウスパッドと思われるおまけ。MSX2の頃って、マウスが普及してました?
マニュアルは、同じように絵物語仕立てですが、文字の割合が多め。おまけとして巻末に楽譜付き。モンスターやアイテム紹介など、この頃見られていた割と普通のマニュアルになっています。
こちらは、1と2がカップリングされ1989年に発売されたPC-エンジン版のイースⅠ・Ⅱ。CD-ROM媒体となり、声優による音声やデモシーンのアニメ化などが追加されています。また単に1と2をセットにしただけでなく、成長のバランスなど1と2をつなぎ合わせて一本の作品にする調整が施されています。
開発、販売元はハドソン。マニュアルは、一部イラストなどをPC版より流用している模様。この頃のPC-エンジンは、まだまだ勢いがありました。
こちらは、1997年に登場したSSファルコムクラッシック版。開発元は、ファルコム、販売元は日本ビクター。ドラゴンスレイヤー、ザナドゥとのカップリング。
オリジナルの忠実な復刻ではなく、かなりのアレンジが施された仕様。3本入ってますので、それなりにボリュームがあり、かなり遊べると思います。
イースⅡのキャッチコピーは、『優しさから、感動へ』。80年代以降の、物語重視、演出重視の日本製RPGの方向性をよくあらわしていると思います。
個人的な思い出としては、これだけの有名作でヒット作にもかかわらず、当時は遊んだことはありませんでした。ちょうどPCから離れていた時期だったこともあって、(PC誌で話題となっていることは知っていましたが)遊ぶ機会を逃してしまいました。90年代に入って、SFCがかなり安くなってきた頃にワンダラーズフロムイースで遊びました。登場時の8ビットPCでスムーズにデカキャラが動くという頃から、かなり時間が経過していましたので、こちらもそれほど印象には残っていません。ただあの(春の日の陽だまりのような)イース1のオープニング曲を聴くと、なんとなく当時を思い出して懐かしい気分になります。
ということで日本製RPGの一つの方向性を決めた名作イースでした。イースは、WIN版が発売されており、今でも気軽に遊べるのが良いですね。
参考:Wiki イースシリーズ、イース1、イース2、イース3、イース1・2の項、MSX2版、PC-エンジン版イースマニュアル・ハドソン/日本ファルコム
そのオリジナル第1作目のとあるロットには、クリア不能のバグが存在し、それを発見したのが実は私だったりしますw
当時、商品交換対応でした。
なかなか貴重な情報をありがとうございます。おそらくWikiには載っておらず、当時のPC誌でもそのような情報は見かけなかった気がします。それにしても、マニアックですねえ。
(詳細は当時の社長でしたっけ?木屋さんくらいしかご存じないと思います。)