飲んだ後、千駄ヶ谷駅に向かって歩いていた。
何を怒っているのか知らないけれど、無言で歩いていた。
私は、無言の彼の背中を追っていたので落ち葉しか目に入らなかった。
歩幅をまねしたり、影を踏んでみたり。
「すごくきれい」
彼が立ち止まった。
彼の言葉で空を仰いだ。
「ほんとうだ、きれい」
駅前の銀杏並木が黄色に色づいていた。
ライトアップしてあるわけではないけど、ライトに照らされたイチョウの木が鮮やかだった。
純粋にそう思う彼が好きだった。
落ち葉を見て、なんだか切なくなった。
ここのところ、お互いの気持ちがすれ違い、言葉を交わすたびにお互いを傷つけあっているように思える。
そろそろ終わりが近づいているのかもしれない。
是非ここをクリック
していってください。ご協力、感謝です。
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