なないろマルシェのブログ

『健康と介護の専門店:なないろマルシェ』のブログです♪

☆認知症のおはなし②

2017-09-09 08:56:47 | コラム
こんにちは なないろマルシェです

前々回に引き続いて私の体験から

認知症について少しお話します


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認知症の症状が進んでいくと、

程度の差はありますが

理解力や判断力が低下してきます。

自分ひとりで生活することが難しくなるため、

他人の助けが必要となるんですね。


例えば、

「お風呂に行きましょう」

「お食事にしましょう」といった声かけをしても、

「お風呂」「食事」の言葉に

ピンとこないこともあります。


その場合は、

「食事」を「ごはん」に言い換えたり、

「一緒にお風呂で暖まりましょう」など

伝え方を工夫する必要があります。


認知症の方にとっては、

話をしてくれる内容よりも、

相手の表情や声色などで判断しがちです。


理解力は鈍っても、

ヒトとしての感情は、

どんどん敏感になっているんじゃないかな

と私は感じます。


お世話をされているご家族のみなさまからすれば、

ついつい声を荒げてしまう時もあるでしょう。

それは、無理ないと私は思います。

家族といえども仕事ではなく

自分の人生の時間を割いて関わっているのですから。


ただ、

認知症の方にとって、

「怒られた」

「恥ずかしい」

「情けない」

「淋しい」

といった感情は、

私たちが思っている以上に

『盗られ妄想』

『物を隠す』

『徘徊』などの行動障害につながることがあります。


施設の利用者さん(女性)で、

時折、

夜に家を出ていく方がいらっしゃいました。


その度に

近所の方や消防団の方が捜索をすることとなり、

ご家族の方も困り果てていました。


「もう施設に入所させるしかないのか…」と

同居している息子さんが

肩を落としている姿がとても寂しそうでした。


ある時、

サービス会議の時にご家族の方から話を聞いてみると、

家を出ていく(出て行こうとする)前には、

決まってある事柄が関係していることが分かりました。


彼女は、

同じ部屋でご主人と過ごしているのですが、

晩酌で酔っ払うたびに、

部屋で彼女の行動を厳しく叱責するそうです。

彼女が出ようとするのは決まってその後…。


出て行こうとする時に

家族がどこへ行くか尋ねると

「家に帰る」と繰り返し呟いたそうです。


きっと、

自分が怒られた時(嫌な思いをした時)、

記憶に残るお里を想い出したんでしょうか。

決してわざわざ夜を選んで

家族を困らせてやろうと思っているわけでは

なかったんですね。


その後、

ご家族のみなさんで彼女のご主人の言動に

気を配るようになってからは、

徘徊の頻度はぐっと減ったそうです。

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認知症の方と関わるのはとても大変なのですが、

関わっていくうちに

その方の人生を深く知ることもあるんですね


なないろマルシェでした。