七技会のひろば

投稿、ご意見及び情報は米田へどうぞ
更新:毎月9日と24日が努力目標

初めての残業

2017年05月09日 | お話サロン
          初めての残業


 電通の新入社員が大きな負荷を背負って残業を重ねたあげく自死した話は痛
ましい。それを受けて、政府は働き方改革の中に「過大な残業を如何に防ぐか」
が論議されている。

 しかし一方では、残業は負の話だけとは限らないことを物語る投書が先日新
聞の投書欄に掲載されていた。

 以下は、福岡県の主婦藤田有子さんの投書「初残業喜ぶ息子 見守りたい」か
らの前半部分の抜粋である。

『「お母さん、僕初めて残業した!」と社会人1年目の息子が電話してきた。
「すごいね。役に立ってるじゃん」と言うと、息子は「へへっ」と笑った。
東京で一人暮らしを始めた息子。心配ばかりの毎日だが、久しぶりの明るい声
がうれしかった。初残業はこんなふうにうれしいものだろうか。』

 この投書を読んで、自分の初残業を思い出した。
 電話局の機械課に配属されて半年も経った頃だったろうか。主任から「今日
は残業してもらうからね」と言われて、「エッ!」と聞き返した。
 当時、電話局の現場では殆ど残業は無かった。その日の残業で何をやったか
は忘れたが、時間外の仕事をやらせてもらえた事自体が大変うれしかったのを
鮮明に覚えている。
 時間外を命じた主任から見れば単なる穴埋めであろうが、命じられた方は
「一人前に見てもらえた」と喜んだ。(否、本当は時間外作業に給付される
「補食」がうれしかったのかな?)
 うれしさのレベルは、上記の母親の「役に立ってるじゃん」のセリフを聞い
た息子のうれしさに相当するうれしさだった、であろう。

 その後の勤務上の「お初」は、「初めての宿直」「初めての出張」「初めて
の管外出張」と続く。もっと言えば「初めての労務加配米」も。
 どれも自分を一人前と認めてもらうための数多い階段の一つと信じての「う
れしさ」だった。

 上記の投書の息子さんも、次から次へと新しい仕事に取り組むうれしさを噛
み締めながら仕事に取り組んでいることだろう。

 しかし、投書したお母さんは、若い息子さんが「もっと頑張りたいと知らず
知らずに無理を重ねる」ことを心配し、息子さんが帰省したら息子さんの目を
しっかりのぞき込んで「灰色の風景を見ていないか」気を付けよう、と心に刻
んでいらっしゃる由である。


 世には、残業を巡り暗く厳しい話題が充ち満ちているが、「残業」が希望に
燃える若者にとって明るい日々の歩みの一つであり、明日への喜びであって欲
しいと願う。

                           以上





***********************************



 この原稿を書きながら考えた。「七技会のひろば」にこんな事を書いていて
いいのかな?と。
 じゃ何を書く。
 「七技会のひろば」を始めるに当たって定めた目的は、「会員相互の親睦を
より深めるための情報交換の場を目指します」だった。この目的に合致してい
るか、否か、を毎回自問自答する。
 会員の皆さんの情報、例えば、どなたが入院した退院した等の情報は若干だ
が手許にある。それを全部書くことがいいことか?悪いことか?
 多分、俺については止めてくれ、だけど他については知りたい、とおっしゃ
るだろう。
 これまで書いていて一番気を遣うのはプライバシー。記事の中で個人のフル
ネームは書かない(投稿いただいたご本人の了承がある場合を除く)のもその
ためである。
 開設以来6年を経て、如何にすべきかを考えようではありませんか。
 皆さんのご意見を待ちます。
              2017.05.09
                           米田






2017.05.09 米田書き込み





次回更新は5月24日の予定です。