「とにかく関西弁のセリフが難しくて、NGばかり出てしまっています。早く演技を楽しめるようになればいいのですが……」

そう話すのは、NHK連続テレビ小説『あさが来た』で、ヒロインあさ(波瑠)の姉であるはつの長男・藍之助を演じている森下大地(17)。まだあどけなさの残る若手俳優は、将棋の森下卓九段(49)の長男だ。

「中学3年の冬、親には内緒でオーディションに応募しました。ダメ元でしたが、合格できてとてもうれしかったです。父はとても喜んでくれました。ただ、今度高校3年になるのですが、大学へは必ず行くように、と言われています」

将棋は小さいころに覚えたが、その道へ進むという考えはもたず、やがて俳優という仕事への憧れを抱くように。演技の訓練を重ね、今回抜てきされたが、朝ドラという大舞台とあってプレッシャーも大きい。

「緊張している僕に、お母さん役の宮崎あおいさんが『また肩が上がっているよ』と、優しく肩をなでてくださったんですよ。そのやり取りを見ていたスタッフさんにうらやましがられました(笑)」

撮影現場では、そんな“お母ちゃん”の演技力に圧倒されることの連続だそうだ。

「怒られるシーンで、ふだんは優しい宮崎さんが、一瞬でものすごく怖い人になるんです。本当に迫力があって、ひっぱたかれそうになるシーンでは本気で怒らせてしまったと思うくらい怖くて。お母ちゃんはじめ、みなさんの演技が本当に素晴らしいので、少しでも多くのことを吸収できたら、と思っています」